広島市内から少し離れた大芝の河川敷
太田川に停泊する漁船越しの日の出を待っていた
背後から
漁師のおじさんがやって来て
〝こんなさぶいのに
早うからなにをしよんや~〟と
声を掛けられました
日の出の事を含め色々話している中で
おじさんに
今から漁ですか?と訪ねると
〝罠をあげにいく〟
何の罠ですか?と訪ねると
〝カニよ~〟
〝見せちゃろう!そこにおりんさい!〟
すると
おじさんは、さっさと船に乗り込んで
昨日捕れた〝蟹〟を
わざわざこちらまで
持ってきて下さいました
〝ホレ〟と
バケツに入った蟹が
目の前に置かれます
おまけに
バケツから蟹を出して、撮影までさせて下さいました
この蟹、市場に卸すといくらくらいになりますか?と訪ねると
〝このくらいのが6杯で約1㎏
2000円くらいかね~〟
やはり楽な仕事ではないですね~と
お返しします
〝な~んも、餌付けて投げときゃいいんじゃけ~〟
おじさんは、あっけらかんと答えてくれます
〝これの~もっと上に行ったら甲羅が青いんで~〟
この蟹、「もずくがに」といい
太田川のもっと上流に行くと水がとてもきれいなので
甲羅の色までもが鮮やかな青色になると言う事を
教えて下さいました
〝お~雲に色がついてきたで~〟その声に反応し振り返ると
朝日を浴びながら迫り来る
怪しい雲が覆い被さってくるではありませんか
さらに振り返ると
おじさんは
あっと言う間に、船に乗り込んでいるではありませんか
お礼も言う間もなく
さっそうと船が出て行きます
そんな光景の中をようやく
朝日が顔を出してきます
午前7時20分の朝日です
三文いじょうの徳をした
珍しい早朝の出来事でした。