市川在住

読んだ本の紹介に加えて,市川での暮らしで何気なく目に留まったものごとを綴ります.ご飯屋さん,街並,風景など.

黄昏の岸 暁の天 下

2013-02-11 14:13:45 | 趣味(本・映画・音楽etc.)
『魔性の子』では十二国での記憶をなくした泰麒が
人として日本で暮らすことでおきたことを
ホラーテイストで描いていたわけですが
今回は,麒麟としての泰麒がいかにして
記憶とその麒麟の力をなくして日本にたどり着いたか
そして,それによって十二国ではどんなことが
おきていたのかが描かれています.

同じ事件を題材にして語る世界をかえることで
物語はとても違った様相を読者にみせてくれています.

個人的には『魔性の子』を読んだ上で
こちらを読む方がオススメです.

麒麟の力を失ったまま,李斎とともに
慶国から騒乱の戴国へと帰っていく泰麒を
そっと見送りながらかわされた
六太と陽子の会話を抜粋します.


「まず自分がしっかり立てないと、
 人を助けることもできないんだな、と思って」
陽子が言うと、そうでもないぜ、
と六太は窓に額を寄せる。
「人を助けることで、自分が立てる
 ってこともあるからさ」
「そんなもんか?」
「意外にな」


黄昏の岸 暁の天 下
小野不由美
講談社文庫


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