建築士だからわかる〇〇教えます

土地を選ぶときの注意点

以前のblogで土地を選ぶ際にはいろいろな視点がありますというお話をさせていただきました。

 
土地選びは、ふるさと選びです。
もしお子さんがいらっしゃる方にとりましては、土地選びはお子さんたちにとりましてはふるさと、実家になります、というお話をさせていただきました。
また既存の塀があることにより撤去費用が別途必要になる場合もありうる、ですとか、軟弱地盤で地盤改良に費用が発生してしまう場合がありうるというお話をさせていただきました。
地盤に関しましては意外と昔からの地名は参考になりますので、確認されることをおススメします。
〇〇新田、〇〇浦など、元は田んぼだったんだな、もとは湖沼などが近くにあったのかな?など地名からも地盤のこと、災害のことがわかることがあります。
余談ですが蛇、〇〇沢など過去に土石流や山からの水が流れたためについた名前もあるようです。
 
本日は実際にお客様からご相談いただきましたお話をお伝えさせていただきます。
 
その方は日当たりが確保できることを第一条件に、緑が多い土地を探しておられました。
たまたま南側に道路を挟んで公園という土地がみつかり、すぐに契約をされたそうです。
 
私のところに相談されたときには既に土地を購入したあとで、設計事務所も決まり、工務店との契約も済んでいるとのことでした。
 
しかし工事に着手しようとした矢先に、公園で虫の発生を抑えるための殺虫剤を定期的に散布していることがわかり相談に来られたのでした。
 
確かに南側に道路を挟んで公園があれば、将来的にも目の前に建物が立つ可能性は低く、日当たりは良好でしょう。
また窓を開ければ、公園の緑が借景となり、豊かな生活が送れそうです。
 
しかし公園管理という視点で、殺虫剤や松枯れ防止のための薬剤などを散布する場合があります。また水場が近くにある場合、水の流れのない場所では蚊の発生に悩まされることもあります。
 
この方へのアドバイスとしまして、公園を管理している市町村の担当部署へまずは相談してみましょう、とお伝えしました。
その際、化学物質過敏症などご理解いただけない場合は、どのようなことがお身体に負担がかかるかなどもあわせてお話ししてみてください、とお伝えしました。
その方は、結局、その土地に建物を建てられて、健やかに生活されているようですが、薬剤を散布する際は役所から事前に知らせていただき、その際には窓や給気口などを閉めるなどの対策をしたとのご報告をいただきました。場合によりましては散布する数日は旅行にして家を留守にするというようなことも仰っておりました。
 
土地を購入する際は今回のように、良い面ばかりではなく、公園や果樹園、田畑が近い場合は農薬散布などの状況や可能性も視野に検討されることをおススメします。
また休日と平日の違い、例えば学校が近くにある際には平日の子どもたちの声や放送、チャイムの音なども確認しておきましょう。
工場が近くにある場合はニオイや化学物質、音などにも気をつけてお選びください。

と申しますのも、多くの方は土地を見学する際、土日祝日が多いと思います。
土日祝日は学校もお休み、工場も稼働していないことが多いです。土地を購入した後、こんなはずではなかった、と思われることも少なくありません。
また実際の通勤時間に電車に乗ってみる、帰宅時の帰り道を歩いてみることも重要です。
予想以上に電車内が混雑している、通勤特急が停まらない、朝の時間帯は踏切がなかなか開かない、夜道の街灯が意外と少ないなど、平日の通勤時間、帰宅時間でないとわからないことも多くあります。平日の様子や農薬散布など季節ごとの状況も確認しましょう。
 
ひと・すまい・くらし
 新井 伸宏
 

ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「お家を購入・建てるときの注意点」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事