マンションのリノベーション
もし私が設計に参加するとしたら、どのような点を確認するでしょう?
既にマンションをお持ちの場合のリノベーション
これから中古のマンションを購入してリノベーション
をする場合で若干、お話しする内容が違ってきます。
■まずはマンション自体について
・マンションの立地(災害のリスクの確認や駅からの距離、鉄塔の位置や携帯電話基地局の位置などなど)
既にお持ちのマンションの場合は、リスクがある場合はご家族で、災害が発生した際の行動などを話し合っておくこと、また水道、ガス、電気が止まった際にある程度の生活ができるように食べ物を含めて備蓄しておくことをお話しさせていただきます。
以下のハザードマップにご自宅のご住所を入力しますとどのようなリスクがあるか、簡単に確認することができます。
ハザードマップポータルサイト
また新たに購入を考える際には、事前に調べておかれることをおススメします。
ただし、この場合も災害発生リスクのエリア内だから絶対だめ、やめておいた方がよい、ということではなく、学校や職場、買い物などの利便性など総合的に判断して決められるとよろしいかと思います。
ただ、リスクはある地域ということは知った上で、ご家族でご相談されることをおススメします。
電波塔や送電線などにつきましては、過敏症で住めないという方は致し方ありませんが、気になる程度という方はご相談ください。一応専門家ですので、個別対応させていただきます。
・築年数(耐震基準1985年の前か後か)
・戸数(戸数が少ないと大規模改修費用に影響)
・マンションの設備(機械式駐車場の有無、エレベーターなど。特に機械式駐車場のメンテや大規模改修費用は高額になる傾向にあり。また水害があった際、地下に浸水の恐れあり)
・管理状況(きちんと管理されているマンションであれば、構造躯体の劣化はある程度緩和できる。また空き室が多いか、外国の方の入居が多いかなども確認)
・管理規約の確認(特に下階への音の課題があるため、防音等級などは要確認、また工事に際しての注意点も確認。時間が限られていたりセキュリティの課題で工事費がかさむ可能性もある)
などがあります。
・また中古マンションのご購入の場合は価格につきましてもおもしろいデータがあります。
このあたりはセミナーでお話しさせていただいております。
・マンションのご購入、新築・中古を含めて、ですが、不動産が負動産にならないように事前に情報を収集しておかれることもおススメします。このあたりは以前、私のブログでも書かせていただきましたが、セミナーでお話ししている内容です。
・お部屋の位置についても気をつけておきたい点です。
近隣トラブルなどを避けるためにも以下の点などに少しだけ目を向けてみてください。
例えば、最上階
上の階の足音などの生活音の心配はありませんが、下の階への配慮は必要ですね。
また最上階で見落としがちな点としては、屋根からの輻射、夏の暑さと冬の寒さです。
加えて、大規模リフォームの際の最上階の防水については、どのような防水方法かによりますが、化学物質のニオイに悩まされるという方もおられました。
反対に1階(地上階)はいかがでしょう?
ご自宅の足音などの生活音の心配はありませんが、上の階の足音などの生活音の課題が出てきます。
構造にもよりますが、床の寒さが課題になるケースも。
また1階もしくは下層階は梁や柱が大きくなるケースが多く、圧迫感を感じられる方もおられます。
過去の地震の例では倒壊の可能性も忘れてはなりません。年数や構造、総階数、メンテナンス状況などを確認されることをおススメします。
お部屋の直下に風除室や通路がある場合は、風の通り道になり寒さを感じる方も多くいらっしゃいます。
また下階や隣接した場所に変電設備がある場合は電磁波を確認しましょう。
最近多くなってきた電気自動車用の充電設備の配線ルートも気をつけたい点です。
直流の場合は問題ありませんが、交流の場合はとても高い数値になるケースもあります。
上の階も下の階も両隣もあるお部屋は外気に面している面が少ないですので、断熱環境的には良好と言われます。その分、上階の生活音、下階へはご自身の生活音への配慮、両隣も含めて近隣トラブルにご注意ください。この点につきましても以前、私のブログで書かせていただきましたが、購入前でありましたら、本気で購入を考えていることをお伝えして現在お住まいの方にヒアリングしていただきますと近隣トラブルの話を聞くことができる場合もあります。また不動産屋さんに近隣トラブルはないか?確認されることをおススメします。
■実際の内部のリフォーム・リノベーションの際には
・もちろん素材と電磁波は身体に影響のない状況にすることを前提に
・窓の熱損失(寒さ対策)や外壁面の熱損失(寒さ対策)を重視します。忘れてはならないのが玄関扉の熱損失対策でしょうか。
窓からの冷気はとても大きいです。規模や好みによりますが、内窓をつけたり、断熱ブラインドをおススメします。
断熱ブラインドは「セイキ工業のハニカムサーモスクリーン」をおススメしてます。
断熱効果はもちろん、障子のような柔らかい光と丸洗い可能な素材が魅力的。遮光タイプもありますので寝室などにもおススメです。
外壁面の寒さ対策につきましては、あまりご存じない方も多いのですが、躯体(いわゆるコンクリート部分ですね)や断熱材は共用部分となります。
マンションは共用部分と専用部分に大別され、共用部分は勝手にいじってはいけない部分となります。
共用部分としての代表格は、構造躯体、窓などの外部サッシ、玄関サッシなどがありますが、外壁に面した断熱材も共用部分になります。
ですので勝手に断熱材を剥がしたり、厚めの断熱材に交換したりはできません。
部屋が狭くなったり工事費がかさみますので、要相談ですが、南面、北面の外気に触れる壁面には、既存の断熱材の内側に断熱材を付加することも一案です。
ただそうしますと部屋も狭くなりますし、窓枠も大きくなりますので、要相談ではあります。
しかし放射冷却を防ぐには効果的です。
ちなみにマンションの場合は、上階、下階、左右、斜めと他の居住空間があることが多いですので、その面は比較的温熱環境は良好になります。
一方外気に面した北面、南面は外気温度に影響されますので、冬場はとても冷たくなります。その冷たくなった壁面から冷気が放射されて、寒さを感じてしまうことになります。
ですので、まずは窓対策、窓からの冷気、放射冷却の影響のないようにうすることと、加えて外気に面した壁面を対策することを考えます。
しかし既存の断熱材があるのでそんなに気にしなくてもよい物件もありますので、その際にはベッドを置く位置に配慮したり、特に北側の部屋の使い勝手を考えたりします。
マンションひとつ取りましても、いろいろな視点があると思いますが、私が相談された場合にはこのような点を特に注意します。
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ひと・すまい・くらし 一級建築設計事務所
新井 伸宏
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