建築士だからわかる〇〇教えます

地球環境にも優しい家づくり

現在の家づくりは、地球環境に優しいでしょうか?
いまの暮らしは、地球環境に優しいでしょうか??
 
家に使われている建材は、合板や集成材、合成接着剤など、土に還らない、視点を変えれば、未来の我々に跳ね返ってくる素材が多いように思います。
 
また製造する過程でとてもエネルギーを使ってつくられている建材がたくさんあります。
 
私は化学物質や電磁波の影響のない健康住宅の設計をしておりますが、私が設計する家づくりは、地球環境にとってはどうかな?と改めて考えてみました。
 
土に還らない素材はなにかな?という視点ですね。
 
私の設計する家に使われるほとんどの素材は土に還る素材ですが、
・石膏ボードは人工建材です。
・設備機器や電気設備機器などは人工建材です。
・基礎などで使われるコンクリートも土には還りませんね。
・外壁や屋根などに使われるガルバリウム鋼板も厳密には難しいところでしょう。

しかし電気設備などはプラスチック素材などの器具は選ばず、なるべく金属とガラス素材の器具を選ぶようにしています。
電線は燃えた時に有害なガスの出ないケーブルが標準仕様です。
 
それらも排除した家づくりを考えますと
■石膏ボードを使わない家づくりとして「伝統構法」の家づくりや「板倉工法」の家づくりが頭に浮かびます。
■設備機器や電気設備機器などは、たぶん、私の家づくりと同じ程度の配慮となるしかないと思います。
 しかし外壁や屋根などは本瓦を使ったり、外壁には木やしっくいなどが多いかもしれません。
■基礎は石場立てのように昔ながらの建て方をする伝統構法であればコンクリート基礎はないかもしれませんが、いまの伝統構法の家づくりの基礎はコンクリート基礎が多いと思います。
 
伝統構法はとても私もとても魅力的な建て方と思っておりますが、個人的には以下の点が気になるところです。
・費用が高額になること
・耐震性能に課題が残ること。屋根材も昔ながらの粘土瓦を使用することにより、より耐震性能には課題が残ること。
・断熱性能に課題が残ること。
 土壁の蓄熱効果、保温や調質効果はとても魅力的です。しかし科学的に温熱環境を測定すると、数字的にはやはり少々劣る結果がでてしまうようです。
※しかし人間が実際に感じる体感と科学的な数字は必ずしも一致するものではないと私は考えています。土壁の家の気持ちよさも十分に理解しているつもりです。
 
板倉工法もとても魅力的な建て方です。
板倉工法で、断熱性能も配慮することも可能と思います。
 
伝統構法のお家も神奈川でお手伝いした経験がありますし、
板倉工法も東京の日野で設計した経験があります。
 
しかし結果的に私が最も重視するところは人工的な化学物質や電磁波の影響がなく、かつ、現在の住まい方と変わらない生活ができて、価格もなるべくリーズナブルに、と考えた時に、いまの家づくりになりました。
 
断熱効果も耐震性能も自信をもってお勧めでき、かつ人工的な化学物質や電磁波の影響もない。デザインも現代の住まいにマッチします。それでいて地球環境に優しい、土に還る家づくり。
 

加えて、地球にやさしいと考えた際に思うことは、やはりエネルギーのことです。
 
電気は、発電所から我々の生活する場所までの電線を通ってくるだけで電力がかなり減少してしまいます。それは電線自体に抵抗があるためです。
東京で使われる電力の多くは新潟や福島でつくられそれを高圧で東京まで運ばれてきます。
 
しかし本来は使うところの近くで発電しそれを使うことが一番効率がよいと考えています。
 
自分たちで使う電力は自分の家でつくる。
煮炊きや給湯も、電気を使って湯を沸かしたり、化石燃料を燃やしてお湯を沸かすのではなく、太陽熱を利用したり、再生可能なエネルギーで給湯する。
 
そうすれば、現在一般的に行われている発電や化石燃料を使うことなく、今の生活と変わらない生活ができると思います。
 
そのような家づくりが私の理想とする住まいです。
 
加えて野菜などを自給自足できるアーバンパーマカルチャー的な暮らし。エネルギーや食糧が自給自足できれば、それが一番自然に近い暮らし方ではないでしょうか?
 
いまは時短、便利が脚光を浴びています。
しかし私は自然な暮らしが、ひとにも地球にも優しい暮らしが、大切なのではないかな?と考えています。
 
ひと・すまい・くらし一級建築士事務所

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