お客さまからご相談を受けた話の続きをさせていただきます。
先日、お家の中の電磁波の相談を受けました。
その方はお家にいると何か調子が悪いとのことで、出掛けたりお家から離れると治るそうです。
これという症状ではなくいわゆる「不定愁訴」のようです。
ご友人の方から電磁波の話を聞き、私に相談があったという経緯です。
先日、その方のお家に伺い、いろいろなお話をお聞きするとともに電磁波の測定を行いました。
結論としましては2階の寝室は電場が少々高めの数値、キッチン廻りとパソコンは電場が高い数値が出ましたがリネンシートを利用しアースをとることでベッド廻りの電場の数値はぐっと下がり、キッチン廻りとパソコンはアースをとり電場の数値は下がりました。
目に見えない電磁波については数値できちんと目で確認いただくことがご理解をいただくためにはよろしいかと思います。
電磁波がクリアになったことでその方はホッとしておられるようでした。
しかし私は以前より化学物質過敏症の方や電磁波過敏症の方の家づくりをしてきた関係で、電磁波だけをクリアしてもなかなかうまくいかないことを知っておりました。
様々に絡み合った原因が考えられるためです。
その方のお家の中の床や壁、天井は人工的な建材でつくられており、家具やキッチンも合板でつくられておりました。
タンスの中には防虫剤、シロアリ防除もされたとのこともお聞きしました。
洗剤から食べ物至る暮らし全般について気づいた点がありましたが、事前にヒアリングをさせていただいた際にお時間に限りがあるとのこと、またお家に使われている化学物質についても興味はあるがとりあえず電磁波の調査だけをしてほしいとのご依頼でしたので、事務所のホームページやblogの案内をさせていただきその日はそのまま帰途につきました。
しかし後日その方からお電話をいただきました。
やはりお家の中にいると体調があまりよくない、とのこと。
私のプロフィールなどをみて、お家に使われている化学物質などのお話も聞きたいとのことでしたので、再度、お家の中の化学物質などのお話をするためにお伺いさせていただきました。
私は常々感じていることはひとそれぞれで気になることは様々と思いますが、「これ(例えば電磁波、化学物質、食べ物)をすればすべて解決」というものではなく、お家に使われている人工的な化学物質にしましても電磁波にしましても暮らしのなかで使われる殺虫剤や人工的な香料・柔軟剤や洗剤にしましても、農薬や添加物が含まれた食べ物にしましても、暮らし全般に係る複合的な課題があると考えております。
もちろん化学物質過敏症や電磁波過敏症という病気は全員が全員なるものではありません。
ただ少し気になるデータとしましては私がこの仕事をはじめた1990年代には1%程度(1%産業などと言われていました)と言われてきた化学物質過敏症の方が2015年の調査では7.5%の方が対象者と言われているという事実です。この数値はもちろんこれ以上増えないのかもしれませんし右肩上がりに増えるのかもしれません。増える場合もある一定の数値までしか増えないのか、全員がなる可能性を秘めているのかわかりません。
いまは「環境過敏症」という表現で警鐘が鳴らしている先生もおられますが、私はその原因は複合的に絡み合っているのではないか、と考えております。
ただその一方、NETには電磁波だけの情報があったり、化学物質の情報があったり、食生活の話、ヨガや瞑想などの精神世界の話など単発的な情報が多いように感じています。そしてそれを改善すれば解決というように考えておられる方も見受けられます。
ぜひ複合的な視点でいろいろとみてください。
もうひとつ、リフォーム工事で「生まれてくるお子さんのために少しでも健康的な空間にしたい」という方からのご相談です。
いまの建築業界は残念ながら私のようにお家に使われている化学物質や電磁波についての知識を持った専門家は少ない状況です。
一般的な設計事務所に相談してもF☆☆☆☆(エフフォースター)建材を使用すれば健康住宅程度の知識で健康的な空間をご提案している設計士さんや工務店さんが多いと思います。
でも少し視点を変えて考えてみてください。
一般的なスーパーマーケットに行って「農薬が使われていない野菜(無農薬野菜)はありますか?」「オーガニック野菜を購入したいのだけど、、、」と聞いてもスーパーの従業員の方を困らせてしまうだけでしょう?
無農薬野菜やオーガニック野菜を手に入れたい場合は自然食品店に行ったり、有機野菜を取り扱っているお店に行かなければ手に入らないと思います。
建築業界も全く同じです。
お家に使われている化学物質や電磁波の知識のないところにいって「人工的な化学物質が極力使われていない床や壁や天井にしたい」、「電磁波対策をしたい」とお願いしても困らせてしまうだけです。双方が悲しい結果になってしまうことでしょう。
もしも「生まれてくるお子さんのために少しでも健康的な空間にしたい」というお考えがございましたら、お家に使われている化学物質や電磁波に配慮した設計事務所や工務店さんを探す必要があります。
要はどこに視点をおくか?ということです。
デザイン性なのか?、価格なのか?、空気の質なのか?、電磁波なのか?
その中でプライオリティの高い順に考えますとおのずと答えは出てくると思います。
ひと・すまい・くらし一級建築士事務所
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