某激安スーパ-チェ-ン店の創業者が、極道に売春用の土地を提供したとしてパクられた。件の場所は大阪で売買春のメッカとして名高い飛田新地。何があかんのやろうとおもうあたくしは時代に取り残されているのだろうか。
かなり昔だけど、アラン・ドロンの主演映画で、彼が演じるフリ-のジャ-ナリストがね、殺された友人の掴んだ政界スキャンダルをめぐって権力者側の刺客と戦い、ついに告発に成功するという筋立ての作品があるの。
映画の中で黒幕の一人と相対するシ-ンがあって、その人物は暗にスキャンダルをもみ消すよう迫るのよ。不正が無くなることはない、いたちごっこじゃないかてえなニュアンスを漂わせて。
ジャーナリストは亡き友人のメンツのために告発を敢行するのだが、充実感とは程遠く寂寞が彼を包む。そんなエンディングだった。
黒幕の科白で特に印象に残ったのが、「大衆には酒とセックスを与えておけばいい」という発言。娯楽を充実させることにより政治への不満を抑えるのは定石だわな。この映画が作られた当時(1970年代前半)のフランスは売買春が合法(未成年除く)だった。
性欲てえのは抑えられるモンじゃねえから、倫理良俗に反しても売買春を黙認するほうがメリットが大きいということなんじゃないの。取り締まりをキツくしたら確実に性犯罪は増えるし、半グレ連中がのさばる羽目になっちゃうぜ。あいつら、若い娘かどわかしてマンションの一室に監禁した挙句売春を強要するくらいのことは平気でやっちゃうよ。地下に潜られちゃ摘発も出来ない。
もっとも、パクられた創業者、もっと危ない橋渡っているだろうから今回はあくまで別件で逮捕みたいな案配と推測するが、個人的に性産業への過剰な取り締まりは感心しない。
物事はバランスが肝心です、ええ。