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家と街の境界

▲道路からみた木のフェンス

▲室内から見たウッドデッキと木のフェンス

 

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これは、お蔵入りした ウッドデッキと木のフェンスの計画案。

小さな庭だけど、植木を大切にしている人の家。

仕事が忙しくて、手を掛ける事が難しくて、「どうしたものかな」という話が出て、提案したものです。

道路側にはブロック塀があって、「風が抜けない」という事もあって、ウッドデッキとともに木のフェンスに変える事を考えました。

そのフェンスは、庭の角のほうの一部『縦張り』にしてより”風が抜けるように”とし、塀のアクセントにもなっています。

 

落ち着いた住宅地なんだけど、ブロック塀の家も多く、それに変わり木を使えば、優しい感じにする事ができます。

すき間を通して見える向こうの植物や家の明かりなど、適度な距離感で 『家と街が接する』と、その家の前には、なんとなく『ふくらみ』ができます。

それは『境界をあいまいにする』という事かもしれません。

道路に面して無機質に壁を作り、「ここからうちの土地だから入るべからず」みたいなオーラを出してる家の脇を通るのって、、、なんだかイヤですよね。

 

今の時代、理想ばかりは言えないけど、ひとつひとつの家が、ちょっとでも『境界をあいまいにする』事ができたら、その街は”楽しい街”に変わります。

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昨日、打ち合わせで行った 杉並区西荻窪。

なかなかいい住宅地でした。キレイに区画された低層の住宅地という事もあるけれど『境界のあいまいさ』がある街です。

とは言っても新しく建てられた家は、やはり”きっちり線引”きされたり、ただ駐車スペースだったり、と『あいまいさ』がなくなっていきます。

そんな中で見つけたこの家。道路側の塀が、ブロックの上に大雑把な”木の柵”。柵の向こうに植え木が気持ちよく枝を広げている姿を見る事ができて、なんとなく気持ち良い雰囲気を作っていました。

家自体もいたってシンプルで控え目で好感がもてました。この家の中には、「気持ちよい暮しがあるんだろうな」と想像できます。

 

この家にそばに、コンクリート打ち放しの家がありました。植栽もちゃんとされていて悪くはないんだけど、あまり心に響きません。『境界のあいまいさ』とう点では、まあよかったですけどね。

 

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おまけ。

たぶん築40年くらいで、ちゃんと設計者が設計したと思わる家です。できた当時としてはモダンな家だったでしょうね。

今もその片鱗はあります。でも、基本的にシンプルで庇もちゃんと伸びていて『横ライン』がきれいな家です。

こうゆう家もとても気になってしまいます。

こんな、『昭和のモダンな家』もありました。残念ながらもう誰も住んでいなく、その状態が長いのだろうと思います。

壊されるのを待つだけでしょう。たぶん、元の家はもっと大きかったのでしょう。

こうゆう家って誰かが住んで手入れをしてあげていれば、街を豊にしてくれる家です。

もったいないですね。現実に「住み続ける」のは簡単な事ではないけど。。

 


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距離感



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