幸せになって欲しい (前)
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ある方から家の建て替えのご相談をいただき、プランを提出してあった。
プランを提出して1か月以上過ぎ、その後の様子を伺った。
結果・・・
結果から言うと断られた。別のハウスメーカーに相談しプランを作っているらしい。
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そのひとは、団塊世代の独身女性。
その世代の女性が、これまでおひとりで生きてこられた中で、たくさんの大変な事があったと思う。今でこそ「結婚しない生き方」は確立・・・といかないまでも、認識されていると思う。でも、10年、15年前には、やはり回りの反応は違っていただろう。そうゆうものからご自分の身を守るために、大変な思いをされてきた事と思う。
今回、今お住まいの家を建て替え、自分の好きな事ができ、歳をとってからもひとりで安心して暮らしていける家を作る事を決断し、設計者や施工会社を探されている中、偶然、私のところにたどりつかれた。
電話でも、お会いしても、ご自身の家のまわりの嫌な人の話しをたくさんされていた。今までの嫌な出来事もたくさん話をされていた。
ずっとずっと、、そうゆうものと闘っていたんだな・・・と、お話をしながら感じていた。家にたいする希望よりも、そちらの話しの比重が大きかった。
だからこそ、新しい家を作って、「そうゆうもの」から解放されて欲しいと思った。それができる家を考えてあげたい、と思った。
小さく、変形した敷地、多くはない予算。。。
ご希望の事全ては実現できないかもしれないけれど、、小さいな家かもしれないけれど、、それでも、「外部の嫌なもの」からそのひとを守り、安心して暮らせる家 を絶対に作ろうと思って、2つのプランを作り、提出した。
契約していないので、それほど深く考えられないが、まずは「夢の実現のスタートとしてのとりかかり」を提示したつもりだった。そこから、いろいろお話をして、深めていくつもりだった。
プランを見ていただいた時、喜んでいただいた、心をはずませてもらった、、、と感じた。
しかし・・・・
そのひとにとって、図面にかかれた形、寸法は「(私が考える限り)もう変えられないもの」となっていたようだ。・・・・そのひとの中にある(固まった)イメージで判断され、それは変える事ができなかった。
私は、それを変えてほしかった。家に対しての「こうでなければならない」というそのひと考えを変えて欲しかった。これから、スケッチを書き、模型を作って、「こんな家になる」という事を理解して欲しかった・・・・。そのひとを守りつつ、光を感じ、風を感じ、空を感じ、月を星を感じ、ひとりの時間を楽しみ、お友達を招き楽しむ、、、そんな家になる事を・・・・
そして、、、まわりに対していつも持っていた心の服を手放し
幸せになって欲しかった。。
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