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リフォームか建替えか

ある家に伺ってお話をしてきた。

ご相談の内容は、家のある部分にあるものをちょっと作るという事だったのだけど・・・ 。

その家は昭和40年代に作られた木造住宅。それを購入されたご夫婦は、購入時に1階を全面的にリフォームされていた。

「2階は何もしていないのだけど、ちょっと見てもらえますか」と、その2階に上ってみると、「床が傾いている」とお話がはじまった。

確かに、床が一方向に下っている。築40年も越えれば、家全体のゆがみや床の傾きは、多かれ少なかれあるもの。ただ、よく見て見ると、ある一面の壁の傾きが気になった。外に出てその家を見ると、目視でも家の傾きが確認できる。地盤沈下の可能性も否定できない。

ご相談にはなかった事に及んでしまったのだけど 「遠くはない先にこの家をどうするか・・ 全面的に改修するのか、建替えるのか、、、その選択と決断が必要だと思います。」とお話をした。

屋根も建築当時のままで、やり変えも考えられていたり、窓の大きさを変えたいというご希望があったり、、、その工事をするという事は、これから先数十年住むためにやるという事であって、それは家の「構造が健全である」という条件の上に成り立つ。その家の状態を知った上では、その工事をする事はお勧めできない。

ご本人達も、家の状態については気になっていらしたようで、何度かご夫婦で話をされていたようだが、とりあえず「現状で、やりたい事をやろう。」という事で私にご相談をいただいたのだけど、またもや現実に引き戻してしまったようで申し訳ないような気もした。

すぐには結論は出ないと思うので、「それまで不満を持ちつつ暮すより、あまりお金の掛らない事で、気持ちが明るくなるような事はしたほうがいいと思います。」と、幾つか提案をさせていただき、そのお宅を後にした。

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古い家を、大規模にリフォームするか建替えるか・・・ むずかしい決断だと思う。大規模にリフォームするにしても、一度仮住まいする必要があるので、「だったら建替えても同じ?」という気持ちにもなる。

判断基準のひとつとして、地盤と構造 がある。

地盤がよくて、40年以上経っていても地盤沈下してるような状況がなければ、リフォームでもいいと思う。
地盤がよければ、構造の傾きも少ないと思うが、違う原因で傾いている事もある。根本的な施工の不備・手抜き、またシロアリの被害や長年の雨漏りによる構造材の腐れ。不備・手抜きについては、解体してみないとわからない事もあるので話が複雑だ。シロアリや雨漏りは、住んでいる人には自覚がある事だろうし、その部分の構造材の取替で済む事でもある。少なくてもそれ以外で、特に気になる事がないならば、リフォームは検討できる。(もちろん程度によるが・・・)

地盤が悪く、不備・手抜きの可能性があるならば、建替えを考えたほうがいい。

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TV番組なら、それを直してしまうのかもしれないが、、、「それを直す事が本当にいい事なの?」「それはリフォームじゃないよね。。」と思うものが多々ある。
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もうひとつ判断基準として、その家に対する想いがあるかどうか。

どうしても残したいという強い想いがあるならば、お金が掛ったとしてもやるべきだ。

しかし・・・・ どうしても難しい場合もある。その場合には、その家の雰囲気や材料など、想いの一部を残す形で建替えをお薦めする。

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中古で購入する木造住宅の場合は、購入時に、全面的にリフォームする事ができるといいと思う。短期に2度引っ越しをする費用と労力がいらないから。
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