近所にある建売の家です。手前に古い2階建の家がありましたが、解体されて更地になっていた時の写真です。
この家の、写真で、正面は、隣地側です。密集地なので土地も小さく、隣地側は、建物同士の距離はあまり離れません。
そんな隣地側の壁に、これだけの窓がついています。
家を建てる時に、法律の条件をクリアーする窓も作る必要がありますが、「排煙」の条件をクリアーするために一部必要かもしれないのですが、法律的にはほぼ必要無い窓です。
ではなぜこんなに、そこそこの大きさの窓がついているのか?
それは
設計する人も、売る人も、買う人も、「こういう窓があるのが普通だろ」と思っているからです。それぞれ思惑が違うかもしれませんけれど。。
お隣が更地になったこの状態では、この家の人にとっては、明るさも入り、窓を開ける事もできるし、すごくいいものかもしれません。
でも、手前の土地に次に家が建つ時には、同じように3階建になります。
それが建て売りならば、同じように隣地側でもおかまいなしに、同じような窓が作られる事でしょう。お互い「窓をぶつけ合う」、そんな感じです。しかも、窓から手を伸ばせば届きそうな距離です。それらの窓は開ける事もままならないでしょう。
「明るい窓」「開ければ風が抜ける窓」という前提で作られている窓ですから、それができないストレス!
自分の家の窓なのに「なぜがまんしゃなきゃいけないんだ」というストレス!
隣の家の物音がすごく聞こえるストレス!
そんな窓は、住む人への暴力!と言ってもいいのでは。。
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そんなふうに、あまりに窓に対して無神経な人が、ものすごく多いと思います。
家は街の中にある・・そんなあたり前の事を忘れ、自分中心でプランを作るからです。
たぶん、日本人って
窓は多いほうがいい!、そして、大きい方がいい!と思う人が多いんでしょうね。?
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上の写真の手前の更地に・・・こんなのが建ってしまいました。
ちっちゃいワンルームの賃貸。角地なんですが、2方の道路側に面して床から天井までの高さの大きな窓、窓、窓・・・
足場が取れて、唖然としました。
この工事・・とにかく、雑で、現場が汚くて、「建売だったら買った人はご愁傷様だ」と思っていたくらい。こうして姿を見ると、やっぱり「一事が万事」なんだな~と思います。
部屋の中からの視点しかないですよね。
こんな賃貸なので住むのは独身の若い人。夜は遅くまで部屋に電気はついている事でしょう。窓開ければ、音楽やゲームの音ががんがんあふれてくる事でしょう。
一応住宅街なんです。隣接する家は、たまったもんではありませんね。
実際そうなるかどうかわからないけど。。
この建物の場合、窓を越えて建物自体が暴力です。
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自分の家だから自分の好きに作っていいわけではないんです。
周囲への配慮が必要なんです。
窓に対して、普通はそんな意識はないと思いますが、
一歩間違えると 暴力 になる事を覚えておいてください。