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【 築30年の木造住宅のリノベーション sato*sato 】
昨晩 テレビ東京 「ガイアの夜明け」 で リノベーション を取り上げていました。またその後の ニュース番組 「ワールドビジネスサテライト」 でもリノベーションを特集していました。
「ガイアの夜明け」では、戸建て住宅のリノベーションもとりあげていましたが、
リノベーション というと 基本的にイメージされるのは、マンションの全面改修のほうだと思います。
いや、むしろ圧倒的にマンションで実施される工事のほうが多く
リノベーション = マンションのスケルトン改修
と思われような気がします。
なぜか・・
・情報量が多い。つまり購入者からすれば諸条件を元に選びやすい。
・「築30年や40年くらいでも特に古さを気にしない」 という人が多い。
・工事が楽。
という事が大きな理由です。
”工事が楽” というのは、構造体を考慮しない(=できない) あくまでも中だけの話で、その構造体の中でなら まあ極端に言えば、なんでもできる という事です。(ただし、荷物の搬入が大変という問題はあります。)
マンションのリノベーションは、排水管のルートと勾配さえ間違えなければできてしまう・・ と言っても過言ではありません。
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【 sato*sato 工事前 :上の写真とだいたい同じ方向 】
では、1戸建てのリノベーション はどうなのでしょう。
マンションではいじりようのない構造が、1戸建ての場合にはどのようにでもなる のです。
逆に、築年数が気になります。
昨日の番組内でも言ってましたが、日本の場合、木造住宅だと25年程度でその価値がゼロになります。・・・ これがほんとにおかしい考えです。
また、番組内での大工さんの話ですが、「 構造材は20数年でダメになるわけがない。ちゃんと手入れすれば元通りになる。 」 ( だったか・・正確には覚えていません。 )
本当にその通りで、30年40年経っても基本的に柱も梁もちゃんとしてます。ただ、環境が悪かったところはダメにはなります。また、構造補強の考え方が昔と今ではまったく違いますから、現在の基準で金物等の補強が必要になります。
というように、構造の検証から入り適切な補強をする事が必要になるため、1戸建てのリノベーションは、なかなか増えないのだと思います。
設計する側も、新築の経験、リフォームの経験が必要になりますので、誰でも簡単にできる事ではありません。
マンションリノベーションと1戸建てリノベーションの違いは、ざっとこんなところです。
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それから、マンションリノベーションの場合、極端な言い方ですが、あくまで基本の構造体の中の表層の話なので、それを一度全部とりはがし、新しく中に組建てるという事なので、、リノベーションを「再生」と訳しますが、「再生」より「更新」・・・リセット という感が強く、「新しく作る」というイメージが強いように思います。
でも、1戸建ての場合に、基本的に構造体の影響は大きく、それらとうまく折り合いをつけていかなければなりません。
「再生」という意味では、リノベーションという言葉、戸建て住宅のほうが合っていると、個人的には思います。
「 あの家がこんなふうに変わった 」 という事では、感動が大きいかもしれません。
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戸建て住宅のリノベーション・・・ むずかしい部分もありますが、簡単に壊さなくてもいいのに、と思うものはたくさんあります。
2世帯住宅が今、相続税の関係もありますが、注目されています。 親世帯の住む家を2世帯仕様に作り変える事も多くなっていく事でしょう。
その時こそ、対処的な改修ではなく、全面的に改修・・ つまりリノベーションする事で、その家は再生され、後世に安心して受け渡す事ができます。
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