<『今日よりぞ 幼心(おさなごころ)を打ち捨てて 人となりにし 道を踏めかし』
今日からは、親にすがって甘えるような心を振り切り、ひとり立ちした人間になるために、力強く歩んで行きなさい。
松陰先生が26歳の時、いとこの玉木彦介の元服を祝して贈った和歌です。
成人を迎えた彦介に、大人としての自覚を促しています。>
松陰神社 吉田松陰先生語録13より
松陰の地元の子どもたちは、小学校でこういった言葉を唱和していると聞いて、すごいなと思っていました。
山口県ではどこもそうなのかと思っていましたが、岩国市の本郷小学校ではやってないようです。
萩市の明倫小学校で行われているようです。冒頭の言葉は、1年生が1学期に朗唱するのだそうです。
ちなみに、玉木彦介の元服は15歳のときだったようです。
15歳で大人の自覚を持ち、人としての善悪をわきまえて生きていく。
大人としての自立をうながす教育、大事だと思います。
<『仁(じん)とは人なり。
人に非(あら)ざれば仁なし、禽獣(きんじゅう)是(こ)れなり。
仁なければ人に非ず、禽獣に近き是なり。
必ずや仁と人と相合するを待ちて道と云(い)うべし。』
仁とは人間にそなわった人を思いやる心である。
鳥や獣には仁がない。
仁がなければ人間ではなく、鳥や獣に近いものになってしまう。
従って、仁がそなわった人間としての行動こそが人の道ということができる。
松陰先生が27歳の時、「講孟余話」の尽心下に出てくる言葉です。>
松陰神社 吉田松陰先生語録30より
これは、明倫小学校で5年生が3学期に朗唱する言葉だそうです。
思いやりという、人として大事なものを、ちゃんと子どもに教えているか。また、大人自身が大事なものを身につけているのか。
子どもは親の背中を見て育つ。それは、山村留学をさせたところで、変わらないことだと思います。