ミモザの春雨日和

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福島原発震災は終わっていない 誰が引き起こした事故かを考える 山崎久隆(たんぽぽ舎)

2014年12月12日 | 原発関連情報・被ばくしないために
たんぽぽ舎より、以下転載します。

┏┓
┗■1.福島原発震災は終わっていない
 |  誰が引き起こした事故かを考える
 |  福島の人々の思いは、本当に届かないのだとしたら
 |  原発事故はこれからも幾度も繰り返すことになる
 └──── 山崎久隆(たんぽぽ舎)

○ 11月28日付けの「河北新報オンラインニュース 河北抄」には、次のような記事が掲載された。

 『もしまた、福島県で原子力災害が起きたらどう行動すべきか。いわき市平に住む会社員の女性(54)は、よく夫と話すという。建設関連業者の夫は仕事で頻繁に福島第1原発に入る。「原発の敷地内で働いている時だったら、構うことはないから、とにかく遠くまですぐ避難しろ」と言われている。助からないかもしれないと思って「諦めてくれ」というのが夫の意見。「半ば本気で言っている」と女性は受け止めている。

 津波と同じ“てんでんこ”が夫婦間の了解事項になりつつある。

 それでも、どこに向かうのかは決められない。夫は200キロ以上離れろとアドバイスするが、問題は方角。「その時の風向き次第。(放射性物質の拡散方向を予測する)SPEEDIのようなものがあればいいんですが…」。だが国は今後SPEEDIを使わない考え。何を頼りにすべきか分からない。

 いわき市が行った住民アンケートでは全体の40%が避難先を決めており、そのほとんどが「県外脱出」。

 福島県民にとって原子力災害という悪夢の再来は、決して絵空事ではない。』
    http://www.kahoku.co.jp/column/kahokusyou/20141128_01.html


○ 今、再稼働を巡る議論が行われているところは、福島から遠く離れた場所が多い。川内原発はその中でも最も遠く離れている。それは偶然などではない。

 身近に福島原発震災を経験した人が多ければ多いほど、再稼働など思いもよらないことだからだ。
先月行われた福島県知事選では、全候補者が福島第二原発の廃炉を主張した。いまさら動かせるはずもない原発であるから、自民党の支援を受けた候補でも気楽に主張できたのであろう。しかし第二原発がダメで川内原発が良いという根拠は何処にあろう。候補者に対して川内原発など日本の他の原発再稼動を問うたマスコミは無かった。

 河北新報の記事にあるような夫婦は特別な存在ではない。むしろ福島から離れたくても離れることがままならない人々の多くが思っていることに違いない。

 だが、これが福島県民だけのことなのだろうか。では川内原発などの日本中の原発で働き、その近くに住む人たちは、そんなことを思ったこともないのだろうか。とてもそうとは思えない。

○ いわきの夫婦には、もはや選択肢は無くなった。第一原発は廃炉も出来ず放射能をまき散らした。既に取り返しの付かない事態になっている。これを誰かが安全に「閉じる」作業をしなければならない。放射能拡散事故、大惨事を防ぐ方法は、他の原発に比べて格段に困難になってしまった。それは炉心が崩壊したからにほかならない。しかし他の原発は炉心崩壊していないし、長時間動いてもいなかった。言うまでも無いことなのだが、原発の持つ危険性は福島第一原発とは比較にならないほど小さい。

 何かを犠牲にしてもなお、原発が必要と思うのは、原発事故を絵空事としか思っていない証拠だ。
どうせ起こるはずがない。だったらそれで儲けたい。そこにある意見は、その程度のことでしかない。そんな意見で原発など動かされたらたまらない。福島の人々の思いは、本当に届かないのだとしたら、原発事故はこれからも幾度も繰り返すことになる。


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