ミモザの春雨日和

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チェルノブイリでは避難民の5人に1人が鼻血を訴えた(DAYS JAPANから拡散希望)

2014年05月19日 | 原発関連情報・被ばくしないために
以下メールより転載します。
ブーゲンビリアのブログに載せていますが、こちらは全文です。

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《重要・拡散希望》
【チェルノブイリでは避難民の5人に1人が鼻血を訴えた、2万5564人のアンケート調査で判明】

今回の「美味しんぼ」の鼻血のシーンに対する広河隆一さんの見解と、現地ウクライナの医師の話、チェルノブイリの人々のアンケートの結果です。

(DAYS JAPANから拡散希望とのことで連絡が来ました、ブログやSNSなどでどんどん広めて下さい!)

以下、転載

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2014年5月13日
株式会社デイズジャパン
「チェルノブイリ子ども基金」前代表
広河隆一

チェルノブイリでは避難民の5人に1人が鼻血を訴えた
2万5564人のアンケート調査で判明

 『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)に掲載中の漫画「美味しんぼ」の「福島の真実」篇に多方面からの抗議が寄せられているという。
問題になったのは次の2点である。
 ・原発を訪れた主人公が鼻血を出すシーン
 ・そして疲労感を訴えるシーン
特に鼻血が「ありえない」「不安をあおる」といった抗議を受けた。
疲労感については、福島原発事故の後に私自身が経験している。2011年3月13日朝から原発周辺での取材を繰り返した後、持っていた測定器が振り切れるという経験をして、その後4月に突然非常な疲労感と下痢が襲ってきた。被曝と疲労感が関係あるのかどうか、あとで数字を見てもらう。
鼻血はどうか。私自身は鼻の粘膜の異常を感じることはよくあった。しかしはっきり流れるほどの鼻血は経験していない。
私は2012年7月に沖縄県久米島で福島の子どもたちの保養施設「沖縄・球美の里」を設立し、運営している。ここにこれまで訪れた保護者たちから、鼻血の話題はよく聞いた。福島でも聞いている。だから誰でも知っていることかと思っていた。だがこれほど大騒ぎになって、「ありえない」とか「事実無根」とか聞くと、そんなに完全に打ち消そうとするということは、どのような意図が働いているせいかと疑ってしまう。これほど大きく問題にすると、かえって「住民の不安をあおる」ことになってしまうではないかと思う。鼻血は出ると訴えている人がいることを認めた上で、それが大きな病気に結びつくのを防ぐためにはどうすればいいのかを話す方が建設的ではないかと思う。
私は1986年のチェルノブイリ原発事故以降、50回を超えて現地での取材と救援活動を続けている。そしてこの3月、映画取材班とともに、チェルノブイリを5年ぶりに取材した。ウクライナの高濃度汚染地域であるナロジチ地区のナロヂチ市中央病院の副院長に、日本では福島原発事故の後、鼻血がでた子どもが増えたという声を聞くが、チェルノブイリではどうだったのか、と聞いた。すると副院長は「チェルノブイリでも事故の後、鼻血が増えた」と答えた。被曝によって血液系統の病気が増えた。鼻血もそうだが、貧血も増えたということだった。白血病の前段階の症状も増えたという。

1990年、IAEAはチェルノブイリの調査団を派遣し、翌年、健康被害の不安を打ち消す報告書を発表している。その報告に疑問を持った私たちは、広河事務所とチェルノブイリ子ども基金(当時は私が代表だった)共同で、現地NGOの協力を得て、1993年8月から1996年4月まで、避難民の追跡調査を行ったのだ。
調査項目は数百にのぼり、アンケート形式で本人あるいは家族に書いてもらった。回収できたアンケートは2万5564人分である。チェルノブイリ避難民のこれほど大掛かりなアンケート調査は、ほかにはないと思われる。私たちにそれができたのは、これが救援目的におこなった調査だからである。人々の健康状況を把握できなければ、どのような救援を行っていいのかわからないからだ。
アンケート調査は困難だったが、私たちにはIAEAにはない強みがあった。それはそれまでの救援活動の実績と現地の人々との信頼関係、チェルノブイリ支援の現地NGOとのつながり、である。ほかならぬ被災者に会うことが、私たちの仕事だったということもある。
この報告書は日露版の冊子の形で発行され、この3・11後にその一部を『暴走する原発』(小学館)に収録した。
 その結果から、鼻血と疲労に関する数字を中心に見ていきたい。ただ人々を襲ったのはもっと多様な症状だったので、それらも記載しておきたい。

●プリピャチ市(原発から約3キロ)の避難民アンケート回答者9501人 
 「事故後1週間に体に感じた変化」という質問に、人々は次のように答えた。
頭痛がした5,754人60.6%
吐き気を覚えた4,165人43.8%
のどが痛んだ3,871人40.7%
肌が焼けたように痛んだ591人6.2%
鼻血が出た1,838人19.3%
気を失った880人9.3%
異常な疲労感を覚えた5,346人56.3%
酔っぱらったような状態になった1,826人19.2%
その他1,566人16.5%
  
「その人々の事故から約10年後の健康状態」
健康161人1.7%
頭痛7,055人74.3%
のどが痛む3,606人38.0%
貧血1,716人18.1%
めまい4,852人51.1%
鼻血が出る1,835人19.3%
疲れやすい7,053人74.2%
風邪をひきやすい5,661人59.6%
手足など骨が痛む5,804人61.1%
視覚障害2,773人29.2%
甲状腺異常3,620人38.1%
白血病50人0.5%
腫瘍440人4.6%
生まれつき障害がある34人0.4%
その他1,715人18.1%

「現在の健康状態は事故の影響だと思っているか」
100%事故が原因である47.3%
かなり事故が影響している14.5%
全く事故と無関係ではない38.2%
事故とは無関係である0.0%
健康である0.0%

念のため、数は多くはないが、比較対象のために行ったモスクワ市民の集計(316人)は次のとおりである。
「現在の健康状態」
健康   173人  54.7%
頭痛    53人  16.8%
のどが痛む 27人   8・5%
貧血     6人   1・9%
めまい   22人   7・0% 
鼻血が出る 10人  3・2%
疲れやすい 67人  21・2%
  風邪をひきやすい 56人 17・7%
手足などの骨が痛む23人  7・3%
視覚障害     51人  16・1%
甲状腺異常    11人   3・5%
白血病       2人   0・6%
腫瘍        8人   2・5%
生まれつき障害がある0人   0%
その他      22人   7・0%
 
●チェルノブイリ市(原発から約17キロ)の避難民のアンケート回答者2,127人
(人々は事故からおよそ8~9日後に避難した)
「事故後1週間に体に感じた変化」
頭痛がした1,372人64.5%
吐き気を覚えた882人41.5%
のどが痛んだ904人42.5%
肌が焼けたように痛んだ151人7.1%
鼻血が出た459人21.6%
気を失った207人9.7%
異常な疲労感を覚えた1,312人61.7%
酔っぱらったような状態になった470人22.1%
その他287人13.4%
「現在の健康状態」
健康58人2.7%
頭痛1,587人74.6%
のどが痛む757人35.6%
貧血303人14.2%
めまい1,068人50.2%
鼻血が出る417人19.6%
疲れやすい1,593人74.9%
風邪をひきやすい1,254人59.0%
手足など骨が痛む1,361人64.0%
視覚障害649人30.5%
甲状腺異常805人37.8%
白血病15人0.7%
腫瘍80人3.8%
生まれつき障害がある3人0.1%
その他426人20.0%

●チェルノブイリ地区の村々の避難民12,864人の回答
「事故後1週間に体に感じた変化」
頭痛がした7,805人60.7%
吐き気を覚えた5,497人42.7%
のどが痛んだ5,160人40.1%
肌が焼けたように痛んだ813人6.3%
鼻血が出た2,491人19.4%
気を失った1,194人9.3%
異常な疲労感を覚えた7,259人56.4%
酔っぱらったような状態になった2,471人19.2%
その他1,966人15.3%

●ノヴォシュペリチ村(原発から6キロ)の避難民の回答者351人
「事故後1週間に体に感じた変化」
頭痛がした216人61.5%
吐き気を覚えた158人45.0%
のどが痛んだ124人35.3%
肌が焼けたように痛んだ19人5.4%
鼻血が出た65人18.5%
気を失った35人10.0%
異常な疲労感を覚えた192人54.7%
酔っぱらったような状態になった69人19.7%
その他55人15.7%
「現在の健康状態」
健康4人1.1%  
頭痛264人75.2%
のどが痛む114人32.5%
貧血55人15.7%
めまい171人48.7%
鼻血が出る     70人19.9%
疲れやすい268人76.4%
風邪をひきやすい225人64.1%
手足など骨が痛む211人60.1%
視覚障害 80人22.8%
甲状腺異常110人31.3%
白血病 0人0.0%
腫瘍19人5.4%
生まれつき障害がある 0人0.0%
その他86人24.5%

●ポレスコエ地区(原発から約45キロ)避難民の回答者1,005人
「事故後1週間に体に感じた変化」
頭痛がした623人62.0%
吐き気を覚えた380人37.8%
のどが痛んだ420人41.8%
肌が焼けたように痛んだ76人7.6%
鼻血が出た292人29.1%
気を失った166人16.5%
異常な疲労感を覚えた595人59.2%
酔っぱらったような状態になった215人21.4%
その他92人9.2%
「現在の健康状態」 
健康29人2.9%
頭痛705人70.1%
のどが痛む361人35.9%
貧血133人13.2%
めまい435人43.3%
鼻血が出る216人21.5%
疲れやすい675人67.2%
風邪をひきやすい528人52.5%
手足など骨が痛む651人64.8%
視覚障害185人18.4%
甲状腺異常306人30.4%
白血病2人0.2%
腫瘍25人2.5%
生まれつき障害がある2人0.2%
その他162人16.1%

このほかアンケートを行ったのは、約40の市や村である。その避難民の統計を見ても、同じような数字の傾向となっている。鼻血と疲労感だけを抜き出して見ると次のようになる。
●ナロヂチ地区の場合(194人)
「事故後1週間に体に感じた変化」
鼻血が出た47人24.2%
異常な疲労感を覚えた111人57.2%
「現在の健康状態」
鼻血が出る40人20.6%
   疲れやすい        143人     73.7%

●ナロブリャ地区の場合(1881人)
「事故後1週間に体に感じた変化」
鼻血が出た323人17.2%
異常な疲労感を覚えた921人49.0%
「現在の健康状態」
鼻血が出る195人10.4%
疲れやすい975人51.8%

●ホイニキ地区の場合(908人)
「事故後1週間に体に感じた変化」
鼻血が出た124人13.7%
異常な疲労感を覚えた443人48.8%
「現在の健康状態」
鼻血が出る72人7.9%
疲れやすい        445人     49.0%

●ブラーギン地区の場合(1,019人)
「事故後1週間に体に感じた変化」
鼻血が出た161人15.8%
異常な疲労感を覚えた677人66.4%
 「現在の健康状態」
鼻血が出る119人11.7%
疲れやすい492人48.3%
(アンケートの翻訳には、東京外国語大学のロシア語科の学生を中心に、約60名が協力してくれた)

※DAYS JAPAN6月号(5月20日発売号)では、チェルノブイリの実測放射能汚染地図と、福島の人が住む町との比較を紹介します。

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以上転載


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