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フルートを吹きたい方へ(その12)コンピュータミュージック
美しい音色でまったく揺るぎがない完璧な演奏、安定して正しい音程の演奏が美しいとは限りません。
人を感動させるとは限りません。
実は、現代ではそういう美しい音、完璧な演奏は簡単に作ることができます。
コンピュータミュージック、DTM(デスクトップ・・・)、DAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション)等
コンピュータを使った音楽制作技法によるものがそれです。
昔はシンセサイザーと呼ばれる電気的な合成音を使用した演奏でした。
昔は電気的あるいは電子的に作り出した音を使用していたので、聞けばすぐに分かるような機械臭い音でした。
綺麗だけどまったく面白くない音楽になってしまうことがありました。
現在は一流の演奏家、一流の楽器の音をサンプリングしてできた素晴らしい音色を電子的に出せる時代になりました。
正確な演奏、演奏の再現性という面では既に人間の演奏を越えています。
下手なプロでは出来ない極めて完璧に近い均一な音色の演奏をさせることができます。
本物と思ってしまう人も多いと思います。(笑)
技巧を競うような楽曲なら向かうところ敵なしです。
なのでそういう曲はテクニックの訓練にはなるでしょうが、苦労して人前で演奏するまでもないと思ってます。
人間の声をサンプリング合成して歌わせる手法も一般的になってきました。
いわゆるボカロイドの歌唱ですね。初期に登場した「初音ミク」が大きな話題にもなりました。
更に最近は、かなり細かい部分まで表情付けが出来るようになっていて、
実演を越えるような凄い演奏も可能になっています。
現代のポップス系の伴奏音楽の大半は、こういう手法によって作られていますね。
昔ながらのスタジオミュージシャンンの仕事の多くが奪われてしまいました。
その利便性と多様な効果、生演奏を使うコストや問題点を比較したら当然の成り行きだと思ってます。
仕事を失ってしまった方には可哀想にと思いますが。
このような時代になって生演奏をする意味は?
アマチュアが生演奏する意味は?
ちょっと考えてみてください。
私はアマチュアの演奏だから、同じ気持ちで接し、聴くことができると思っています。
ちなみに現実的なことを言うと、私はDTM制作者さんと数多くのコラボをさせてもらっています。
その作者さんの作られた音楽に惚れてしまった時に、何とか連絡を取り付け
フルート相当の部分の音を消して、伴奏に相当する部分を作ってもらうのというのが、一番簡単な手法です。
しかし、本格的にやろうとすると、専用のアレンジをしたり、テンポや音楽の表情付け、楽器のバランス等を調整します。
お互いに意見や希望を出し合い、二人の共作として新たな作品を創り出すのです。
DTMの世界にも初心者さんもいれば、誰かと共演(コラボ)したいと思うベテランのアマチュアさんもいます。
積極的に動き、探せばそれを実現させられます。
DTMだけでは生み出しにくい部分=どん臭くて人間臭い演奏と組み合わせることで新しい魅力を出せるのです。
以下はその例です。年配のDTM趣味の方々との合作です。
本物の声(スキャット)が欲しいよね!という話になった「エーゲ海の真珠」では、音楽友達の声楽家さんにも参加してもらいました。
そうすると3人の共演作になります。
今はコロナの影響で、オンライン上でコラボするのが大流行ですが、私たちは20年前からやってました。
エーゲ海の真珠 (DTM、フルート、ソプラノ歌手のコラボ)
https://www.youtube.com/watch?v=ar3Eerzjr-A
ジュピター(20年前、私の最初のコラボ作品)
https://www.youtube.com/watch?v=ar3Eerzjr-A
コラボ集(約50曲)
https://www.youtube.com/playlist?list=PLEDE75B1EB5AE7A52
続く、次はフルートの奏法に戻ります。
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