ふえふきの気まま・着のまま日記

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フルートを吹きたい方へ(その13)フルートの音色と響きについて

2021-07-14 08:26:04 | フルート教室

フルートを吹きたい方へ(その13)フルートの音色と響きについて

一流のフルート奏者が奏でるフルートの音色は素晴らしいです。
滑らかで緻密でいて輝きがあるような音色、私もそんな音色が好きです。

でもあれと同じような音色で吹くのは無理!と最初から放棄しています。
プロが長い年月をかけて生み出した結晶のような音色。
ちょっとやそっとではなく、必死に練習しても出せないのが分かっています。

仮に似たような良い音が出せたとしても、お粗末な演奏技巧では、音を生かすことができません

エレキギターがブームだったころ、有名な演奏家が使用している楽器やアンプが大人気でした。
あれを使えば自分だって同じ音が出せる! と思た人も少なくないと思います。
でも、その中から有名になった奏者さんはいたのでしょうか?
同じような凄い音は出ても音楽ができないのです。音色だけで音楽は出来ません。
放棄した人も多かったようで、オークションでは昔の名器が山のように出品されていますね。

音楽を奏でる中で大切な要素は三つあります。
リズム、メロディー、ハーモニーです。
音色は入ってません。

美しい音色や声は魅力的であるのは間違いないのですが、あくまでも味付けのようなもの。
逆に変な音色や変わった声も素晴らしい音楽を奏でてくれますし、楽しませてくれます。
変な音や声で調子はずれの音痴は困りますけどね。

ということで、私は綺麗な音色ではなくて自分の音でも音楽は出来ると確信しています。
綺麗な音は出せなくても、自分の音の世界で表情を付けられるし、自分の音楽を出来るのです。
技術的には稚拙な演奏が多い私ですが、
それでも何度も聴いてくれる人がいるので、自分の選んだ道は間違いじゃなかったなと感じています。

逆に常に美しい音や声で奏でられた音楽はつまらないし、すぐに飽きてしまいます。
前回にお話しした、コンピュータミュージックの出す均一な音と同じことです。

音楽演奏において求められる音色とは、曲の印象に合った音色も必要ですが
もっと大切のものは、
曲想の変化に応じて多彩に変化する音色や、奏法の変化が必要で大切にものと思っています。

私は音色よりも響き方に関心があります。
大昔、オーケストラで演奏していたころは、遠くへ響くような吹き方をしていました。
近くで聞くとガサガサの音に聞こえますが、ホールの空気を鳴らすことで綺麗な響く音に変ります。
昔の録音ですがフルートが響いて聞こえています。

ベートーベン交響曲第9番合唱付き4楽章 1974岩手県初の全曲演奏より - YouTube

ベートーベン交響曲第9番合唱付き4楽章 1974岩手県初の全曲演奏より

1974年(昭和49年)の3月2日、岩手県民会館の大ホールにおいて岩手県民オーケストラにより、岩手県初のベートーベンの交響曲第9番(合唱付き...

youtube#video

 

フルートを再開してからは自室で吹くことが多くなりました。

狭い部屋の中で小綺麗な音を出そうとするようになりました。
でもそういう音は響かないのです。
音が出て直ぐに床に落ちてしまう感じですかね。
フルート再開後にある演奏団体に参加しましたが、その音、吹き方は通用しませんでした。

ただ勘違いしないで欲しいのは、響かせる=大きな音ではありません
アマチュアバンド等で指揮者がもっと響かせろ! 歌え! と叫ぶことがあります。
それを聴いたアマチュアの奏者は、必死になって吹き込んで大きな音を出そうとします。

でも、求められた音は出ません。
挙句の果てには、自分が悪いのではなく楽器が悪いのだ!と思い込み
楽器沼に入って行きます。

自分の部屋でも広いホールでも良いので、
音を響かすことだけに注力していろいろ試すとわかります。

大きな音も勿論響きますが、
軽くフワーッと鳴らした音がその場の空気に合ったように響くことがあります。
その軽い吹き方、吹き過ぎない音の方が、実は響くのです。
楽器、吹き手の喉の中、部屋が共鳴する感じです。

その感覚を身に付けたら、しめたものです!
聴き手からみて美しく響く音が得られているのです。

もちろん自分自身も気持ちよく、楽に吹けます。
この状態で自分に一番合った楽器を選ぶことは良いことだと思います。

一つの楽器をそれなりに鳴らしこんであげてから次に進みましょう。

ホールでの演奏事例
かなり小さな音で吹いていましたが、自分が思っていた以上に鳴っていたことに驚きました。

800人ほど入るホールの客席中央付近で録音したものです。

バッハ シチリアーノ フルート演奏 Flute Sonata BWV1031 Siciliano - YouTube


続く、次は気持ちよく吹くためには・・・残響の話です。


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