OFFで東京の実家に帰省中である。今回は恩師とのしばらくぶりの歓談について書く。
先生との出会いは小学校中学年のとき。僕は能天気のお人よしだったので、転校して来たてでまだ友達の少ないクラスメイトと仲良くしていた(後に彼には友達が多くでき、僕は不要になる)。彼の家に行って遊んだりと、一時期は家族も巻き込んだ付き合いをしていた。そのとき双方の母を通して、いい家庭教師がいる、一緒に授業を受けないかと誘われ、その先生に師事する。しばらくして彼はその先生に教わるのを辞める。そう、辞めづらいからダシに使われたのである。
出会い方は美しくないものであった。が、その後10年にわたって僕は先生から真の学問の一端を仕込んでいただいたように思う。
七帝柔道記を読んで、「寝技おもろそう。ここ行きたい。あれ、ここ入るの難しいじゃん!」と思い本格的な勉強を始める以前の僕は学問?なにそれと、ただ寝て起きて飯食ってクソしてまた寝るだけの人間であった。その間、僕は先生の優しさに甘え、意欲もないのに辞めずにだらだらすがり続けた。遅刻しなかった日は数えるほどしかないし。トイレ休憩と言ってトイレに4、50分立てこもって寝たり、マンツーマンで教わっているその最中にガチ寝落ちするし。時計を何度もチラチラ見ながらウトウトしていたあの日々は、今思い返してみると赤面する他ない。そんな日々を見捨てることなく、眠そうにしている僕に「お疲れかな」などと声をかけていただいた。そういう意味では、赤の他人のがきんちょの精神的成長を、粘り強く見守っていただいたともいえる。
必要に迫られ勉強を始めた僕は、先生の教えが結実したのか、学問大好き人間に変貌を遂げる。どのくらい大好きかって、受験勉強の「解けりゃいい」みたいな適当なのが嫌でじっくり根本を学んで、二年遅れで大学に入ったほどである(大好きというよりただ遅いだけという説もある)。先生の方もじっくりと、二時間分のお金しか払っていないのに、その日の学問の盛り上がりに合わせて当たり前のように毎回1時間以上も延長して付き合ってくれた。
そこから僕は先生の凄さに改めて気づく。自分の思考内容のレベルが上がり、先生に振る話のレベルも徐々に上がったが、どこまでいっても先生の底はなかなか見えてこない。これまで、僕の成長に合わせてあらゆる段階、あらゆる分野で同じ思考レベルで会話してくれていた。僕は欲張りだからその時々で興味のある内容の質問を、分野問わず投げかけていた。数学、理科系に限らず、歴史、哲学、民俗、音楽など。この表現は陳腐で好きではないが、先生は紛れもない教養人であると思う。そんな先生に10年間そばで教わることができた経験は、かなり稀有なものだろう。受験が近いというのに受験勉強を一秒もせず、二時間すべてを他愛もない哲学っぽい話に費やしたあの時間があってこそ、今の僕があると本気で思っている。
そんな先生と今日、半年ぶりにお話しした。いつもの先生の居城へ、軽い手土産の紙袋を引っ提げて。紙パックの安いコーヒーを注いでくれた。いつも通り、数学の話から。話の舞台は僕が留学したいという所から、先生が大学生活を過ごしたフランスにまで飛んだ。あっという間に3時間。名残惜しいが帰路へつく。また次のCoffee Breakまでに、面白い数学の話の一つでも見つけてこなきゃな。
それではまた。Stay Tuned!
~北大柔道部~
北海道大学を含む旧七帝大柔道部では寝技に重点を置いた柔道をしています(立ち技もばっちり活かせます!)。
週6日活動しており、出稽古も大歓迎です!ぜひご参加ください。
もちろん未経験でも大歓迎!大学から未経験で始めた人もたくさんいます。
新入部員、マネージャー志望どちらも大募集しています!
是非一度、道場に来てみてください!
練習日程の詳細はブログの今週の予定の記事(毎週日曜更新)、Facebookをご参照ください。 Instagramも始めたよ!!
練習場所:北大キャンパス北18条門すぐ武道場2階西側
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