もう雪がすっかりつもり「北海道の冬」らしくなってきた。
滑るし、寒いしたまったものじゃない。
それでも、まだチャリを使っている。
チャリをコンビニの前に止め店内に入る。
数分後
用事を済ましチャリで帰宅しようと
鍵を開けようとしたのだが、回らない…
どうやら凍ってしまったようだ。
チャリを置いていくのも嫌なので
息をかけたり、手でこすって温めようとするが
どれもうまくいかない。
困った。
(仕方がない、置いて帰ろうかな)
と考え始めたその時
「あの~」
という声がしたのでそのほうを見ると
チャリにまたがった見知らぬ若い男性がいた。
きっと北大生だろう。
「ライター使いますか?」
あまりに急に
見ず知らずの人から声をかけられたので
最初何を言っているのかわからなかった。
(タバコなんて吸わないぞ?)
なんて思いながら
「えっ!?」
と聞き返すと
「ライターならありますが、使いますか?」
自分の状況とライター。
(あぁ凍った鍵のことか!!タバコなんて勘違いも甚だしい…)
「すみません、ありがとうございます」
何度かライターで温めてみるが…
うまくいかない。
外はとても寒い。
寒い中、待ってもらうのは気が引けるので
「すみません、ありがとうございました」
と言ってライターを返した。
「大丈夫ですか?」
「大丈夫です。ありがとうございました」
そのあともう少しトライしてみたら
カチャッと音がして鍵が外れた。
「寒い中申し訳ない」という思いから
せっかくライターを貸してくれたのに
追い払うような感じになってしまったような気がする
お礼も満足に言えてなかった気がして
なんだかさらに申し訳なくなってしまった。
そう思う一方で
人の優しさに触れ
最近忙殺され荒んでいた心が潤った。
(一言声をかけてもらえただけで、ここまで心が温かくなるのだなぁ)
寒い冬だけれども
心はほっこり温かく
雪道を家に向かってチャリをこいだ。
(もう一度会えたらちゃんとお礼言いたいな)
家の前にはついさっきついたばかりのチャリ跡があった。
そして
その跡の先には
先ほどの男性が乗っていたと思われる特徴的な自転車
(今度あったらお礼を言おう。
そして困っている人がいたら声をかけよう)
寒い冬の
ちょっと心が温まった話でした。
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Unknown
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