部活後の乾いた喉を潤し、美味しい料理で空いたお腹を満たすのに、応援団が秘密基地と称する18条の居酒屋「夢罠(ムーミン)」に行こう。
一緒に来てくれる現役なんているはずもないが。
一応、リンタを誘ってみた。それまでゲームに集中していたリンタであるが、その発言を聞くやゲームを終了し、脱兎のごとく逃げ去った。
まぁしょうがない・・・
遠くで稲妻が光り、気温が低く、雨がさらに体感温度を下げる中、ムーミンへと行った。
ムーミンに入ってすぐに別のお客さんが来た。
OBのY下さんがいらしたのだ。
今日は誕生日らしい。
誕生日を祝い乾杯をした。
話をしていると、OGのF田さんも一緒に飲んでいらしたのだが、そのF田さんから三年目にとってはかなりの破壊力を持った衝撃の発言が・・・。
その衝撃力は、それまで散々しゃべりまくって盛り上がっていたのが、その発言を聞いたことで、うつむき無言になり挙動がおかしくなり、その日は最後までテンションが元には戻らなかった程である。
「五藤ってイケメンだよね!」
・・・どういうこっちゃ!?というような場を覆ったのは言うまでもない。
そこでそのイケメン五藤を呼ぼうということになった。
五藤に電話をかける。変な音楽が受話器から聞こえ、少ししてから五藤が出た。
「暇か?」
「えっ?・・・まぁ・・・暇と言えば、暇ですが・・・」
なんともはっきりしない。いつものことと言えばいつものことであるが。
「俺の隣でお前をイケメンって言ってるやつがいるんだけど」
「マジっすかぁ!!」
さっきまでの嫌々感が吹っ飛んだイキイキとした声で答える五藤。
「ムーミンにいるから来て」
「あっ、わかりました!」
来るまでの間に他にいたお客さんにF田さんがイケメン五藤が来ることを伝えていた。
15分ぐらいたっただろうか?
五藤が到着した。雨の中、傘をさして歩きで来るには結構早い到着である。
店内からは五藤が到着したことがはっきりとわかり、店内には若干の緊張が走る。
いったいどんなイケメンが来るのだろうか?みんな興味津津である。
が、なかなか店に入ってこない。
Y下さんのケータイが鳴った。五藤からである。店の前まで来たことを伝える。
早く入れよ、と催促され、ついにイケメン五藤の登場である。
靴を脱がなくてもよいのに「どこに靴脱ぐんですか?」と聞きながら恐る恐る入ってくる五藤。すかさずお行儀が良いことをアピールだ。
そんな五藤は上下ジャージという服装だった。気取っていことをアピールするための工夫だろう。それともイケメンは服装によらずイケメンだ、ということを暗に示していたのか?
以前は無精ひげは剃った方がいいと思っていたようだが、「ワイルドだね」と褒められてことがあるらしい。
そのためか、今日の五藤は無精ひげを生やしている。
「イケメンだね!」
「そんなことないすよ!」
と、照れながら言う五藤。
「イケメンなのにぷにょぷにょだぁ~」
「それ褒めてんすか!」
突っ込みも冴えわたる。
「イケメンなのにパンツはすごい上げるんでしょ?」
「いや・・まぁ・・・そこはいいじゃないすか(笑)」
ちょっと反応が微妙になるも、笑顔でカバー。
終始謙虚さを保とうとする五藤を散々イケメンと崇め、ゆるゆるデレデレになったお顔を堪能したところで店を出た。
ムーミンでバイトをしているIさんも交え、向かうはカラオケ。
次回
「稲妻光る夜には何かが起きる~藤本錯乱編~」
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山本
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