ろぐろぐ音楽ブログ

a-kiという人間の手による、J-POPあたりをメインに色々好き勝手書いてる適当ブログ。

高橋由美子 全シングル感想。

2020年11月03日 13時12分00秒 | 感想・レビュー(シングル)
高橋由美子、歌手デビュー30周年ベストアルバム「最上級GOOD SONGS」発売記念。

2020/11/25追記:ついに全曲サブスク解禁!歌手活動後期のシングルのカップリングは入手が困難でしたがこれで解消。是非どうぞ。


1989年女優デビュー、1990年歌手デビューの高橋由美子。90年はアイドル冬の時代突入直後。80年代を彩ったアイドルたちは女優メインへシフトするか表舞台から去るかのどちらかが多くなり、新しくデビューするアイドルも歌がメインというかたちではなかったり、やっても数曲だけという人も増え、アイドル歌手として歌メインでデビューしたアイドルでも、良作を出しているのに芽が出ずに終わってしまった人もいたり・・・と、アイドル=歌という図式が少し変わっていっていた中、歌もしっかり頑張ってアイドル活動を行ったこの人。
80年代のアイドル歌謡ブームが終焉を迎えるとともに、90年代には幻想の恋の世界を歌うのではなく 共感を呼ぶJ-POP歌手(ガールポップ)が流行り、ビーイング系が流行り、90年中盤以降はバンドブームが起こり・・・・という、世間の流れをスタッフがうまく読み取って音楽活動を展開。
一番適正があったのは芯があって真っ直ぐな声が映えるガールポップ~ビーイング風ポップ路線で、この路線で「Good Love」「友達でいいから」「すき…でもすき」とヒットを飛ばし、アイドル冬の時代に大健闘。96年以降は売り上げ的には小室ブームの波にのまれた感じですが、その時期もいい作品多いです。というわけでシングルを全部さらっと感想書きしてみました。


1st「Step by Step」  1990.04.21   お気に入り度:★7
(作詞・作曲:立花瞳 編曲:萩田光雄)
デビューシングル。この時点ではまだ本格的に歌手活動を始めたわけでなく、他方面で人気が出てきたからCDも出してみるか、という形だったようで、製作はポップス部門ではなくアニメ部門によるもので、PVも無くオリジナルアルバムにも未収録、さらに表ジャケがアニメ仕様、裏ジャケは本人写真ですが、衣装はこの曲のために作ったのではなくてガスメーターのポスター撮影の時の衣装なのだとか。
で、デビュー曲となったのがアニメ『魔神英雄伝ワタル2』主題歌のこの曲。今聞くとサウンドは中途半端な古さがある気がしますが、前向きなメロディがいいし、歌もデビュー曲にしてはハッキリと声が出ていて好感触。無意識過剰っぷりというか 若さありあまってるなーという感じがちょっとくすぐったいけど、まぁそれはそれでデビュー曲らしいということで。アニメ主題歌らしい勇気あふれる元気ポップス。
 
30周年ベストアルバム「最上級GOOD SONGS」では再録バージョンも収録。変にアコースティックにしたりすることなく、原曲を進化させた感じになっていて、これがまたいいんだ。年齢を重ねたぶんの歌声が応援歌的な歌詞に合ってるし。
 

2nd「Fight!」  1990.09.21   お気に入り度:★8
(作詞:小澤幸代 作曲:伊藤薫 編曲:根岸貴幸)
前作が好調だったからということで、歌手活動続行決定。デビュー作から続けて同じアニメの主題歌ですが、表ジャケは本人写真になってるのでこの辺から本腰入れはじめた、というところでしょうか。曲自体は前作の延長線上で、キャッチーでテンポも速くなりサウンドも強化。個人的には、頭サビが終わった後のドラム連打がツボ。歌声も1stと比べるときちんとしてきてます。初期で1曲選ぶとしたらコレでしょう。元気いっぱいポップナンバー。ファン人気も高いみたいです。
 

3rd「笑顔の魔法」  1991.01.21   お気に入り度:★7
(作詞:大場清美 作曲:佐藤英敏 編曲:根岸貴幸)
前作まではアニメ部門での製作だったらしいですが、このシングルからポップス部門へ移動したとのこと。でもまだちょっとアニメを引きづってる雰囲気があるかな。作曲は林原めぐみを多く手がけた佐藤英敏さんなので、メロディのわかりやすさとかはアニソンちっくで好きです。80年代サウンドでも90年代サウンドでもない過渡期っぽいというか、いろいろな意味で91年リリースらしい曲。PVが作られたのはこの曲からですが、安っぽいCG合成もいかにも90年代初期。流行のCGをふんだんに取り入れましたという雰囲気が今見ると別の意味で面白いんですが、きっと当時は最先端だったんだろうなぁ。
 

4th「と♡き☆め♡き」   1991.06.05    お気に入り度:★7
(作詞:千家和也 作曲:筒美京平 編曲:ULTIMAX)
唐突に麻丘めぐみのカバーにチャレンジ。森高千里「17才」ヒットの2匹目のドジョウを狙った作品なのかな。ということで、聞き所はアレンジ。ULTIMAXというユニット?が手がけているんだけれど、なんだかぐつぐつしてるハウス調の打ち込みサウンドが展開されています。原曲知ってる人には冒涜だといわれるのかもですが、アレンジのおかげで古臭さが薄らいでいるし個人的にはスキです。面白いし。そもそもタイトルにハートマークと星印を足すというところからして変だし。高橋由美子にしては珍しくキワドイ歌詞を楽しむのも一興(他にこういう歌詞ないし)。でも男の子も女の子もはじめては1回だけだと思うんだけど、違うの?
カップリング「アルプスの少女」も麻丘めぐみカバー。個人的にはこっちの方が好きかも。高橋由美子のまっすぐハキハキボイスに合ってる。
 
カバーとしてはそこそこ面白くていい出来ではあるんですが、森高千里の17才が売れたのは あのユーロ全開アレンジにへんちくりんな衣装と独特の佇まいがあったからこそのウルトラCな化学反応だったわけで、王道アイドルで攻めていこうとしている高橋由美子では特に何もイベントは起きず。
 

5th「元気! 元気! 元気!」  1991.10.16   お気に入り度:★8
(作詞:秋元康 作曲:筒美京平 編曲:清水信之)
ここで筒美御大作曲・秋元康作詞の楽曲に。シングル曲はここら辺からぐっと狙いがシャープになった感じ。PVもきちんと作られているし、製作スタッフ側のやる気がアップしてるというか。タイトルそのまんまの、元気なアイドル歌謡POPナンバー。ジャケといいパフォーマンスといい表情といい、とっても正しくアイドルしてる、の、だけど、どこか演じてるというか、芸達者だねぇという感じがしてしまうのがこの人のいいところでもあり悪いところでもある。達者だからいいんだけどね。
 
この曲くらいからでしょうか、初期の何も考えてないような元気いっぱいボーカルから脱却して、ちゃんとした発声を身に着けたイイ声のボーカルになっていきます。
 

6th「いつか逢おうね」  1992.02.05    お気に入り度:★6
(作詞:秋元康 作曲:筒美京平 編曲:若草恵)
シングルでは初のバラード。作詞作曲は元気!~と同じ布陣。「卒業」をテーマにしたワルツバラードで、筒美さんらしい、歌い手の声の魅力を最大限に引き出すメロディがナイスな曲。でも、なーんかパッと聞きの印象が薄いんだよなぁ。ジャケットもかわいいんだけどなんか印象薄。シングルボックスでの本人コメントも簡単に済ませられており、印象薄。いい曲なんだけど、ちょっと古臭かったかな?と。92年リリースにしては80年代っぽいというか。表題曲と同じ布陣で作られたカップリングの「あの日から僕は」の方がポップで印象に残る。
 
 
7th「コートダジュールで逢いましょう」   1992.06.03    お気に入り度:★8
(作詞:秋元康 作曲:亀井登志夫 編曲:大谷和夫)
異国情緒あふれる、ちょっと大人びた雰囲気のサマーソング。本人コートダジュール行ったこと無いって言ってるし、秋元さんの歌詞はとりあえずそれらしいフレーズを散りばめてあるだけなので、本当に雰囲気だけだけど。でもこの曲はそれでいいような気がする。
卒業ソングの次にリリースするには急に大人びすぎ、なのだけれど、それでもきちんとモノにしてるのはこの人の歌唱力のなせる技なのかな。発声もこの辺でもう完成してきてて、違和感なくばっちりこなしてます。
80年代でこの歌唱力だったら、この辺りの異国情緒路線ってのをメインにしていったりするのかなぁ…と思ったりもするけど、時代は90年代。この路線はこれっきり。
 

8th「アチチッチ -fire version-」  1992.10.21   お気に入り度:★7.5
(作詞:秋元康 作曲:本島一弥 編曲:岩本正樹)
アルバム「Paradise」からのシングルカット。高橋由美子シングル史上最大カオス。メロディはアイドルポップスの基本っぽい素直でポップなメロディなのだけれど、秋元さんの歌詞が・・・w  シングルカットするにあたって歌詞も一部変わっていて、「私をさらう大きなウェーブになあれ」が「私をさらうすばやいルパンになあれ」になっていたりしてさらにカオス度が増しております。極めつけはジャケット。消防士のコスプレて。それに合わせてイントロではサイレンの音が鳴り響いているという。
それにしてもなんでアルバムリリースの3ヵ月も後になってシングルカットしたのかなぁ。アルバム内ではいちばん耳に残る曲ではあるのは確かだけど。
 
最大カオスでもこれくらいのさじ加減なところが高橋由美子(のスタッフ)の真面目っぷりを表してる気がする。
 
カップリング「こんなにそばに居る」は後のJ-POP/ガールポップ路線の礎となる、どんなときもいつでもそばにいるよと歌う応援歌。こっちのほうが名曲。
 
 
9th「だいすき」  1992.12.16   お気に入り度:★7.5
(作詞:さくらももこ 作曲:筒美京平 編曲:千住明)
ちびまるこちゃん主題歌で作詞がさくらももこですが、おどるポンポコリンみたいなみょうちくりんな仕掛けはなく、テンション高い恋心を描いているのでこれまでの流れであまり違和感なく聞ける曲。そもそも1つ前がアチチッチだし。筒美さん作曲なのでメロディも軽快でナイスで、本人曰く「普通はこういう曲でデビューするんじゃないかな」というくらいの明るくてアイドルらしい曲、なんですが、よくよくアレンジを聞くと結構すごいことになってないかこれ。アイドルポップスらしいベタで明るい打ち込みサウンドに、むりくりかぶせたオーケストラアレンジが合わさっていて、妙なゴージャス感を演出しております。面白くて良いですね。
 
これを最後に筒美さんから卒業し、さらに80年代式アイドル歌謡曲からも卒業。次の曲から、90年代J-POPへと本格的に移行開始。
 

10th「Good Love」  1993.02.24   お気に入り度:★9
(作詞:柚木美祐 作曲:本島一弥 編曲:岩本正樹)
10枚目にしてやっとヒットと言える楽曲誕生。オリコンTOP10には届きませんでしたが、ロングヒットで累計売り上げ約19万枚。本人主演ドラマ「お願いダーリン!」主題歌でのヒットというのは90年代っぽい売れ方ですね。
 
曲の方も90年代ガールポップをベースにしてアイドルらしさも含めたキラキラ明るいポップチューンで傑作。もともとは踊れる曲として作られたものをアレンジでポップスに仕立てているらしく、そのおかげでメロディがひとひねり入れてある感じがするのがナイス。ウキウキ感が今聞くと気恥ずかしくもあるけど そこが90年代ガールポップらしくていいのです。売り上げ的にもクオリティ的にも、ここから高橋由美子黄金期スタートといっていいのではないかと。
 
作詞・作曲・編曲のお三方は高橋由美子作品には欠かせない3人。
作詞の柚木美佑さんは、高橋由美子メイン作詞家のひとり。ガールポップとアイドルポップを融合させた世界観はこの人の歌詞のおかげ。同時期にガールポップを歌っていたアイドルである森口博子と比べると、立ち位置の違いがよくわかるなぁ。
作曲の本島一弥さんは高橋由美子でキーポイントとなる曲を手掛けることが多いお方。いい曲多いのですが、なんで高橋由美子作品以外で見かけないんだろう…。30周年ベストの新曲も作曲してます。
編曲の岩本正樹さん(代表作は中山美穂「ただ泣きたくなるの」、90年代ポップス立役者作家のひとり)は、ここから「すき…でもすき」まで8作連続で担当する、高橋由美子黄金期サウンドを作り上げたお方。
 
 
 
11th「はじまりはいま」  1993.06.23   お気に入り度:★9
(作詞:柚木美祐 作曲:本島一弥 編曲:岩本正樹)
「Good Love」と製作陣は同じ。作風も近くて、続編といった感じの仕上がり。心躍るメロディがナイスな王道前向きポップスですごくいいと思うんですが、売り上げは「コートダジュール~」レベルに戻ってしまうという謎。「アチチッチ」「だいすき」よりは売れたものの「いつか逢おうね」は下回っており・・・この辺の浮き沈みも、一発屋が多かった90年代らしいといえばらしい。個人的には「Good Love」より好きなんだけどなぁ。ライブでも盛り上がりそうだし。うぉーうぉーぅうぉーいぇー。
 

12th「yell」  1993.11.03   お気に入り度:★10
(作詞:柚木美祐 作曲:本島一弥 編曲:岩本正樹)
名曲!製作陣は「Good Love」「はじまりはいま」と同じで、同じく王道前向きポップスでありつつ、今回はさらにほんの少しのせつなさを加えて、前向きさ、ポップさ、メロディアスさ、全てをバランスよく兼ね備えている楽曲に。そしてなにより高橋由美子にぴったりなんだよね。アイドルらしく元気で前向きだけど元気すぎでもない、このさじ加減がこの人のイメージにぴったり。あんまり知らないけど、イメージねイメージ。
本人主演ドラマ「もうひとつのJリーグ」挿入歌だったそうですが、低視聴率で5話で打ち切りという悲惨なことにならなければ「友達でいいから」とともに代表曲になっていたんじゃないかなぁ。それくらい、名曲。
 
このシングル出したあと 初のベストアルバム「Single Collection Steps」を出していますが、次のシングルが最大ヒットになるので完全にタイミングを間違えちゃった感。そのせいで、ゴールデンベストが出るまで主要シングルを統括したベストアルバムが無かったという・・・。
 
 
13th「友達でいいから」  1994.01.21   お気に入り度:★9.5
(作詞・作曲:TAM TAM 編曲:岩本正樹)
名曲!(←2回目) 約37万枚を売り上げた高橋由美子最大のヒットシングル。ミリオンヒットが多く生まれたこの時代にしては37万枚という数字はそんなでもない気がしてしまいますが、当時のアイドル歌手としてはかなりの売り上げ。90年代アイドル歌手最大ヒットシングルで比べると、40万枚を超えている内田有紀(幸せになりたい)・森高千里(二人は恋人)よりは少し下、観月ありさ(TOO SHY SHY BOY!)とは同じくらい、30万枚弱の森口博子(ETERNAL WIND)より上、西田ひかる(きっと愛がある)の倍近く売れてるというと、かなりの大健闘といえるのではないかと。本人主演ドラマ「南くんの恋人」と揃ってのヒット、というのはやっぱり90年代らしい売れ方ですね。
曲としては、やっぱり男子目線の歌詞がポイントかな、と。高橋由美子の声は上手いが故にかわいらしさという面では少し弱いのですが、それがすごくうまくピッタリはまっているのがこの曲。強烈なインパクトがあるわけじゃないのにいつの間にか口ずさんじゃうようなメロディもいいです。90年代ドラマ主題歌名曲のひとつ。
 
アルバム「Tenderly」にはDry-Mixとして収録。2番後の落ちサビ部分の歌詞が増えております(TAMTAMのセルフカバー版と同じ)。が、ドラムパートがうるさくなっていてその辺は改悪かも。バラードじゃなくて音数が少ないわけでもないのに癒し系なところがこの曲のキモなのにー。
30周年ベスト「最上級 GOOD SONGS」ではオリジナルのアレンジのままで、2番後の落ちサビ部分の歌詞が増えたバージョン(Dry-Mixともちょっと違う)で収録。
 
カップリングの「今度逢える時には」は近くに居るのに恋人になれない表題曲とは対照的に、遠くに離れていても愛しているよ、という遠距離恋愛ソング。オリアル未収録ですがPVも作られているだけあってカップリングにしておくにはもったいないバラード。
 
 
14th「Good-bye Tears」  1994.04.21    お気に入り度:★9.5
(作詞:柚木美祐 作曲:工藤崇 編曲:岩本正樹)
名曲!(←3回目) 2ndシングル以来、久しぶりのアニメ主題歌(覇王大系リューナイト)。せつなさ持ちつつも前向きなところのさじ加減とか、青空が似合う雰囲気とかはアニメ主題歌っぽいかもしれませんが、そう言われればそうかも、というくらいで基本的にはこの時期の高橋由美子王道アップテンポ。Bメロでいったんオチてサビでもう1回ジャンプアップするメロディが良いっ。オリジナルアルバム未収録なのはアニメの方に権利持っていかれたのかね?安室奈美恵「Toi et moi」みたいに。C/Wの「ポイント1」も同じ路線のいい曲。でもジャケットのデザインはなんとかならなかったのか。写真の比率おかしいし。「高橋由美子」の隣に「THYMK」(TakaHashiYuMiKo)って。前作に続いてのオリコンTOP10入り。
 
 
15th「そんなのムリ!」  1994.06.22    お気に入り度:★7.5
(作詞:柚木美祐 作曲:本島一弥 編曲:岩本正樹)
楽曲の狙いとしては「Good Love」再び、っぽいですがこれは微妙に外したかも? 音符数の多いメロディでそこがフックになっているんだけれども、なんかこう、走り出そうとしているけど走り出しきれていない、みたいな。突き抜けが足りないというか。いや決して悪い曲じゃないしスキなんですが「Good Love」から5作連続ホームラン級だった流れからすると若干落ちるかなぁと。個人的にはC/W「想い出あげない」をシングルにしたほうが良かったような気がする。こちらも音符数の多いメロディですがセンチメンタルな感情を美しく紡ぎだした曲。シングルらしいわかりやすさもあるし、代表曲「友達でいいから」や、この後に出した「すき...でもすき」など、切ない系によるヒットもあるんだし、この系統もっと前面に出してもよかったよなぁって。しかしこの時期カップリングも名曲多いな。TOP10入りは逃したものの、セールスは前作より上昇。ジャケット写真が好きです。
 

16th「3年過ぎた頃には」  1994.10.21    お気に入り度:★7
(作詞:白峰美津子 作曲:若松歓 編曲:西脇辰弥)
6thの「いつか逢おうね」以来のバラードシングル。どうしてこの人のバラードって地味になっちゃうんだろうねぇ。まっすぐな歌声がそうさせてしまうのかな。とはいえ、「その彼女と付き合ってなさい 今はいいから 3年過ぎた頃からきっと友達なんかでほおっておけなくなるから」と歌いつつ、最後は妄想でお付き合いしてるという、片思い女子の重い思いをユニークに描いている佳曲。
サビの裏声になりそうなギリギリラインの高音がいいアクセントになっているし、なによりこのキーをきちんと無理なく聞かせるボーカル力はさすが。クリスマス企画ミニアルバム「Working on Xmas Day」では(Bell Tune)としてベルの音が追加されて収録されていますが、この歌詞でクリスマスアルバムに収録されても…w
 
 
17th「すき…でもすき」  1995.05.24    お気に入り度:★8.5
(作詞・作曲:秋元薫 編曲:岩本正樹)
7ヶ月ぶりのシングル。稲垣五郎と共演した本人出演ドラマ「最高の恋人」の主題歌。せつなく胸キュン片思いな気持ちを歌ったミディアムナンバー。そんなに派手さはないけど、この頃のドラマ主題歌らしい心地よいセンチメンタル感がいいですね。同じく主演ドラマ主題歌だった「Good Love」と同じくらいのヒットに。このシングルリリース後にセレクションベストアルバム「for BOYS」「for GIRLS」をリリースし、ビーイングライクなキラキラ仕様のガールポップ的な作風から脱却を図るようになっていきます。これ以降ヒットと呼べる曲も出なくなってしまうし、いろいろと区切りのシングルかも。
 
 
18th「最上級 I LIKE YOU」  1995.11.22   お気に入り度:★8.5
(作詞・作曲:平松愛理 編曲:清水信之)
平松愛理さん提供曲。基本的にアイドルに徹して楽曲製作にはあまり口を挟まないという高橋由美子が作家を指名した唯一の楽曲なのだとか。歌詞がすっごい平松さん節炸裂だなぁ。「友達でいいから」を平松さん流に超訳したような。平松さん曲といっても部屋Yの平松さんではなく、ガールポップな平松さんの曲です。アレンジは平松さんの旦那様であった清水さんですが、もともと「元気!元気!元気!」とかのアレンジをやってくれていた人なので、すごい異色作とかではなく、わりと自然に高橋由美子に溶け込んでますね。ちなみに平松さん自身も「Rebirth」というアルバムでセルフカバー。より平松節が強調されたアレンジに。
 
 
19th「負けてもいいよ」  1996.03.03    お気に入り度:★8
(作詞:康珍化 作曲:松本俊明 編曲:清水信之)
新機軸。スローテンポ楽曲だとなんだか地味になるというのを逆手にとって?そっと寄り添ってくれる系のスローでほっと一息つける応援ソング。高橋由美子の芯のある歌声がやさしくマッチしていて、スッと心に入ってくる感覚。シングルには正直地味ですがこの路線は結構いいかも。でも結局これ1曲限りの路線なんだよなぁ。前作の平松愛理曲も良い作品なのにイレギュラー作だし、売れなくなってくると迷走しちゃうのは仕方ないとはいえちょっと惜しい。
 
 
20th「WILL YOU MARRY ME?」  1996.07.24   お気に入り度:★7.5
(作詞:康珍化 作曲:茂村泰彦 編曲:清水信之)
アルバム「万事快調」先行シングル。タイトル通り結婚ソングですが、よくあるウェディングバラードではなくって、ひとひねりふたひねりしてありますなぁ。歌詞は「きみの苗字になってあげるから」「毎朝最初に会えるし きつい部屋代はんぶん助かる」とかの、広瀬香美ちっくなぶっちゃけまくりの強気女子なのだけど、嫌味にはならないところがさすが康珍化さん。
でもなんでこの内容で6月リリースじゃないのだろう・・・。
カップリングの「ちょっとまってちょうだい、けだものさん」ではラテンにチャレンジ。アルバムにも入ってます。タイトルはふざけてるみたいですが別にそういう曲ではなく、妖しい雰囲気の夏ラテン。タイトルとのギャップが気持ちいい。
「万事快調」はアルバムのなかでは一番いいかも。ジャケットのセンスは別として。
 
 
21st「今までどんな恋をしてきたんだろう」  1997.01.22   お気に入り度:★8
(作詞:村田恵里 作曲:山田直毅 編曲:亀田誠治)
バラード。やっぱり地味なんだよなぁ・・・でもこれは大好き。晩期ならではの黄昏た雰囲気がよくでてるというか。派手さは無いけど、さりげなさがちゃんと強みになってるのがこれまでの由美子バラードとの違い。
ギターが効果的なアコースティックテイストのバンドサウンドで、なんとなくブリグリあたりの影響を受けてるようにも聞こえるかなーとか勝手に思ってたら、よく見たらまだブリグリデビュー前だった。バンドブームは既に起こっていた時期なので 先見性があるってほどではないですが、そういう空気をうまく読み取って高橋由美子に合うかたちで反映させているかな、と。ちなみに、作詞の村田恵里さんは元アイドル歌手だったりします。
 
カップリング「どーにかして!!」は元ピチカート・ファイヴ高浪敬太郎さん作曲のキュートな作品。
 
 
22nd「笑ってるだけじゃない」  1997.10.22    お気に入り度:★7
(作詞:森浩美 作曲:山田菜都 編曲:亀田誠治)
亀田誠治さんサウンドプロデュースのアルバム「気分上々」先行シングル。タイトルが秀逸、というかすごく高橋由美子らしい、気がする(勝手な思いこみかな)。軽快なギターとドラムパートが印象的なバンドサウンドが特徴の作品。悪い曲ではないんですが、アルバム先行シングルとしては上田知華さん作曲の「それなりに」の方がシングルっぽかったかも、とか思ったりはする。
ショートカットにしたジャケ写はちょっと鈴木あみチック。
 
 
23rd「ふたりの距離」  1998.07.23    お気に入り度:★9
(作詞:中山加奈子 作曲:林有三 編曲:CHiBUN)
リリース間隔が空いてのこのシングル、セールス的にはかなり厳しかったと思われますが、そんなことを感じさせない名曲。アコースティックな質感をもたせたミディアムバラードなのですが、なんといってもこの曲はメロディがナイス。2段構成サビメロがすごくグッとくる。"会えないせつなさがふたりの距離をつなぐ"という歌詞と、高橋由美子の歌もちょうどいいせつなさにあふれていて、いいですホント。何かきっかけがあればヒットしてもおかしくなかったんじゃないかなーと思うのですが、そんなきっかけなんてそうそうあるわけもなく…。
 
 
24th「螺旋の月」  1999.02.24    お気に入り度:★8
(作詞:山本成美 作曲:小西貴雄,小池雄治 編曲:小西貴雄)
現在のところラストシングル。ジャケ写からしてこれまでとちょっと雰囲気が違いますが、曲の方もちょっとイメチェンで重厚なバラードにチャレンジ。もともと声に重みがあってしっかりしているうえに、この頃から舞台女優としての活躍が増えることもあってか、これまで以上に堂に入った歌唱を披露しているので、こういう曲もばっちりです。
 
カップリング「Restart」は高橋由美子作詞。ラストシングルのカップリングのタイトルがこれってことは、本人共々このシングルがラストのつもりで いつかリスタートするぜ、という気持ちをこめているのか、それともなんともないのか、果たしてどっち。歌手活動末期のカップリングなのに妙に良い曲。
 
この後にアルバム出してほしかったなー。「ふたりの距離」以降のシングル・カップリングどっちもいいセンいってるので、もし作っていたら歌手活動末期らしい良さのあるアルバムになったような気がする。
 
 
この後は、基本的に歌はミュージカル専門という知念里奈コース(?)へ。
 
とはいえ、シングル24枚(+アルバム10枚)というのは、90年代アイドルにしては非常に頑張っていたなと。そんな輝かしい歴史が聞けるベストアルバム「最上級 GOOD SONGS」は超おすすめです。新曲・新録もいいよ。

view「あの時の中で僕らは」

2019年02月02日 12時36分23秒 | 感想・レビュー(シングル)


view「あの時の中で僕らは」

1. あの時の中で僕らは (作詞・作曲:浅岡雄也 編曲:池田大介)
2. Believe Me (作詞・作曲:浅岡雄也 編曲:池田大介)
release date:1994/2/9

これも前回と同じタイミングでゲットしたもの。これもAmazonだとプレミアで3000円もしているのだけど、FOVの大ファンではない自分が100円でゲットしてよかったのかしら…。

FIELD OF VIEWに改名してヒットを飛ばす前のシングルですが。

とにかく声が若い!

FOVになる1年前なのですが、「君がいたから」「突然」とかと比べると結構イメージ違います。より青さが強いというか。
エコー処理のせいもあってか、94年リリースの割にちょっと80年代ちっくのノスタルジー感があって、これはこれで今聞くと趣深いかなぁと。
ビーイングらしい爽やかで切なくて良い曲だとは思いますが、まぁ売れなかったのもなんとなくわかる。

FOVのベスト盤にもこの曲が収録されているのですが、どれもボーカルテイクがこのシングルとは違うみたい。確かに手持ちの「complete of FIELD OF VIEW」とは結構違うねー。「compelete~」に入っているのはFIELD OF VIEW感がちゃんとある。viewのシングル版はまだボーカルスタイルが未完成の時って感じ。

これ↑、使われてる画像はviewのシングル版だけど、音源は別ですね。view版はもっと青くて若い。

カップリングはビーイング系お得意の爽やか疾走アップテンポ。
表題曲とあわせてどちらも作曲はボーカルの浅岡さんなのですが、良い曲書くよねぇ。






というわけで浅岡雄也さん作曲の男子キャラソン↓もおすすめです(結局そっち?







菊池麻衣子「笑顔」

2019年01月30日 11時22分39秒 | 感想・レビュー(シングル)



菊池麻衣子「笑顔」  
(作詞:康珍化 作曲:筒美京平 編曲:十川知司)
C/W:「元気なの!?」
(作詞:阿久悠 作曲:筒美京平 編曲:十川知司)
release date:1998/07/29

最近みつけた、ブックオフでのもの凄い掘り出し物。
女優さんが試しに1枚だけ出してみたというシングルなのに、黒歴史っぽさゼロ。
筒美京平さんによるボーカルのおいしいところを突くメロディは冴え渡っているし、薬師丸ひろ子をヘタウマにした感じのボーカルも好感度高し。
朴訥とした世界観がこれ以上無いくらいキュンとくる失恋ソング、というか恋にならなかったソング。
年代問わないエヴァーグリーンな編曲もナイス仕事ですな。さすが十川さん。

カップリングも世界観は同じ感じ。カップリングで阿久悠さん作詞て贅沢な。それだけあってA面に勝るとも劣らない。孤独だけど強がる乙女心がいじらしくてかわいい曲。

Wikipediaによると、酒井政利さんプロデュースとのこと。そりゃイイモノになるわけですね。
Amazon中古価格は驚きの?3500円から。90年代筒美さんワークスはプレミア付きやすいね。鈴木蘭々とか。

筒美京平コンピレーションとかに入ってないのかな、と思ったけど、筒美さんヒット曲多過ぎ+これがマイナーすぎて入る余地がないか。



女優さんが1枚だけ出したCDというと、吹石一恵さんがまず思い浮かぶなぁなんて。
あれも結構なプレミアですね。探しているんですが、なかなか見つからず。あのパワーは是非きちんと感じてみたいのですけど。


観月ありさ 全シングルレビュー。

2014年11月03日 11時01分17秒 | 感想・レビュー(シングル)

ナースのお仕事スペシャルドラマで復活&3年半振りシングルリリース記念!観月ありさ全シングルレビュー。
さっくり振り返るつもりが、意外と大ボリュームに…(汗



アイドル冬の時代に突入直後である90年前後、CM出演などをきっかけに女優アイドルとして人気を博した3M=宮沢りえ、牧瀬里穂、観月ありさ。彼女らも先輩アイドル達と同じく歌手活動にも手を出して、宮沢りえは作詞:川村真澄・作曲:小室哲哉のMy Revolutionコンビによる「DREAM RUSH」(89年)、牧瀬里穂は竹内まりや作詞作曲の「Miracle Love」(91年)、観月ありさは尾崎亜美作詞作曲の「伝説の少女」(91年)、という3名とも豪華作家陣による華々しい歌手デビューとなり。
で、その結果、宮沢りえ・牧瀬里穂の2名は30万枚を超える売り上げを記録したのに対して、観月ありさのみ20万枚を超えた程度で、時代を考えれば健闘した方だけれども3Mの中では一番低い売り上げに。

しかしここからが違うのが観月ありさ。

宮沢・牧瀬の2名がデビューシングルが最大のヒットであとはしぼんでいくという「人気アイドルの歌手デビュー」典型パターンになったのに対し、観月ありさはデビュー翌年(92年)の4thシングル「TOO SHY SHY BOY!」が37万枚を売り上げ最大のヒット。さらに、94年にも7thシングル「Happy wake up!」が33万枚を売り上げ、それ以降も地味ながら主演ドラマの主題歌などで10万枚を超えるスマッシュヒットシングルを何枚か生み出して、アイドル冬の時代に大健闘。

セルフライナーノーツなどを見ると、もともと歌手への意欲が強かったらしい観月ありさ。
声量や音程という基礎歌唱力という点ではまぁアイドルにしてはそこそこ、というレベルではあるけれど、ストレートかつ艶と伸びのある声が良くって。それがいかんなく発揮されるミディアムバラードは鉄板。そして歌唱力の割にリズム感があったというか、カンのいい歌い方をする人だったので、TK(小室哲哉)楽曲が思ってたよりもフィットしたってのも結構大きかったんじゃないかなーと思ったりする。宮沢りえはもちろん、牧瀬里穂もアルバムでTK節炸裂の「キャンセルされたプライバシー」って曲がありますが、やっぱり歌えてないもんなぁ。CDでも。「TOO SHY SHY BOY!」をはじめ非TK曲でも「Don't be shy」みたいなダンスナンバーもきちんと歌えているってのがほかの3Mとの大きな違い、かなと。

というわけでそんな彼女のシングル歴史を振り返ってみましょ。



1st. 「伝説の少女」        1991.05.15        お気に入り度:★8
(作詞作曲:尾崎亜美 編曲:佐藤準)
当時14歳。14歳とは思えないスタイルの良さで注目を集めた観月ありさに、尾崎亜美さんは「伝説の少女」というフレーズをつけた。タイトルの割にジミな曲ではありますが、伝説の少女が主人公なのではなく、「伝説の少女を夢見ている女の子の物語のはじまり」がテーマなので、そう考えると本当にピッタリ。観月ありさの歌唱も、この時期ならではの少女らしさといいますか、歌いなれてない感じが逆にピュアな少女性を演出しているんではないかなと思います。
ただやっぱり大型アイドルのデビュー曲!って割にはインパクト薄いかなぁ。ほかの3Mが良くも悪くも引っかかるデキだっただけにw、余計そう思う。

カップリング「鏡の中のUTOPIA」も尾崎亜美さん曲。カップリング曲ながら後に尾崎亜美さん自身もセルフカバーするくらいのナイスソング。バラードな1曲目と対照的なアップテンポで力強い曲。尾崎さんらしいソウルフルさも感じられるし、こっちがシングル曲でも良かったくらい。

 


2nd. 「エデンの都市(まち)」        1991.08.28        お気に入り度:★8
(作詞:田口俊 作曲:奥居香 編曲:笹路正徳,奥居香)
2ndシングルはプリンセスプリンセス奥居香さんの曲。奥居さんってこういう曲ホント得意だよねーというかw 同じく奥居香さんが楽曲提供した森口博子「スピード」「ホイッスル」とか松田聖子「Precious Heart」的な、プリンセスプリンセスっぽい明るく元気な曲。デモテープも奥居さんが歌っていたんだろうねー、というのがよくわかるw 尾崎亜美さんとは違う形で少女らしさをうまく引き出してくれていて、これもこの時期ならではの感じですがナイスです。

カップリング「風が吹いてる」も奥居さん曲。奥居さんのコーラス全開、スケール大き目のバラードで隠れた名曲。本人もお気に入りのようです。

 


3rd. 「風の中で」        1991.11.21        お気に入り度:★8.5
(作詞・作曲:尾崎亜美 編曲:佐藤準)
再び尾崎亜美さん曲。1stアルバム曲となる予定が、本人の強い要望により先行シングルになったとか。それも納得の曲でございます。「伝説の少女」よりジミだけど、より名曲オーラが出ている感じ。よりナチュラルな少女性というか。尾崎亜美さんの少女趣味的な世界観に、この時期の少女にしか出せない魅力がうまくマッチしている曲かな、と。
カップリングの「Graduation~扉を抜けて~」も尾崎亜美さん曲。セルフカバー集「POINTS-3」ではなく、オリジナルアルバム「月の魔法」にて尾崎亜美さんはセルフカバー。これはセルフカバー版の方が好きかも。観月ありさに似合ってないわけじゃないんですが、なんだろ、観月ありさ版はアレンジが普通?尾崎さん版の方が面白い。

 


4th. 「TOO SHY SHY BOY!」        1992.05.27        お気に入り度:★7.5
(作詞・作曲:小室哲哉 編曲:小室哲哉,久保こーじ)
1stアルバムでひときわ目立つ名曲だった「夢だけのボーイフレンド」を提供したTKがシングルでも登場。「夢だけの~」と同じく、小室節全開の曲なんですが、今回のはちょっとTMNそのままっぽいというか、あんまり観月ありさにフィットしてるとは言い難いような気もするー。ただ、アルバムレコーディングを経て、ありさ本人の歌声にしっかりとした芯ができてきたのがイイカンジです。小室ファミリーブーム前にもかかわらず これが観月ありさ最大ヒットに。「観月ありさ with 小室哲哉」名義でMステに出演したこともあったりと、翌年の篠原涼子 with t.komuro「恋しさと せつなさと 心強さと」の布石になった?という意味でも重要な曲かも。ちなみに2ndアルバムに入っているEXTENDED REMIXが結構好きです。ドラムパートがより強くなっててツボ。



5th. 「今年いちばん風の強い午後」        1993.05.21        お気に入り度:★9
(作詞・作曲:呉田軽穂 編曲:大村雅朗)
アイドルなのになぜか1年ものスパンが空いての新曲、TKの次は呉田軽穂=ユーミン。ユーミンらしい瑞々しさとこじゃれた歌詞が観月ありさの雰囲気にマッチしていて、スバラシイです。スピーディーでさわやかな展開の夏ソングですが、「探していたの 真夏のサンタクロース」「つぎのクリスマスにはなんにもいらない あなたといられたら」とか、夏を舞台にしつつクリスマスを意識してちょっとバブリーに優雅な雰囲気が実にユーミンぽい。作曲編曲のクレジットからは、80年代中期の松田聖子を思い起こされる感じ。PVも南の島にロケに行って撮影していて、夏らしくてあまり古さを感じさせないデキでいいです。



6th. 「君が好きだから」        1993.08.31        お気に入り度:★8
(作詞:田口俊 作曲:呉田軽穂 編曲:大村雅朗)
ユーミン続投。ユーミンらしい、シンプルながらも瑞々しいメロディが印象的なバラード。作詞がユーミンじゃないぶん前作よりはユーミンっぽくない。さてそれをどうとるか。90年前半シングルの中ではジミな印象のあるシングル。いい曲だけどね。フジテレビ月9主題歌だったそうですが売り上げアップとまではいかず。あとこれジャケが良くなかったような気がする(汗
ちなみに、シングルではアウトロはフェードアウトで終わってますが、ベスト盤の「FIORE」収録版ではフェードアウトしない完全版。ということをつい最近10年越しに気づきました(笑



7th. 「Happy wake up!」        1994.10.03        お気に入り度:★8.5
(作詞作曲:小室哲哉 編曲:小室哲哉,久保こーじ)
ユーミン×月9で売り上げ伸びなかったので、TK×CMソングで再びテコ入れ…なのかはわかりませんが、久しぶりの小室哲哉登場。今回は明るくキャッチーなTKポップで、背伸び感のあった「TOO SHY~」と比べるとぐっと等身大な感じに。クノールカップスープのCMにもばっちりフィット、そしてTKブランドが幅を利かせてきた時代ということもあってか、30万枚を超える売上で「TOO SHY~」に次ぐヒット作に。BOY MEETS GIRLにそっくりじゃん、とか言っちゃうとミもフタもないけど似合ってるからそれでいいと思うw

カップリング「Close to you」は小室哲哉作曲のバラード。カップリングでさり気なくいい曲があるなんてTKにしては珍しい。



8th. 「あなたの世代へくちづけを」        1995.02.13        お気に入り度:★8(リテイク版は★9)
(作詞・作曲:小室哲哉 編曲:久保こーじ)
TK続投…ですが、前作とはうってかわってマイナー調バラード。ありさ本人のライナーノーツでも書き出しから「この曲は名曲です。」って書くくらいの名曲、ただし個人的には「ARISA'S FAVORITE-T.K.SONGS-」に入っているボーカルリテイクver.に限る。というのも、シングル収録時には高いキーが出ずに、ひとつキーを下げて歌ったみたいなんですよね。で、リリースから1年半後、リテイクの機会があったときに歌ってみたらオリジナルキーでも歌えるようになっていたよ、ということらしい。比べるとやっぱりオリジナルキーの方が自然だし 観月ありさの声にも合ってるし、シングル版にある変なリヴァーブ効果もないしでよいのです。派手さはないけど名曲。ちなみにデビューから続けてきたオリコンTOP10ランクインはこの曲が最後。



9th. 「抱きしめて!」
 
       1995.05.24        お気に入り度:★7
(作詞:永岡昌憲 作曲:星野靖彦 編曲:土方隆行)
初期浜崎あゆみ作品で有名な、星野靖彦さんによる夏らしい爽快ポップ。ただこれまでのシングルの流れで見るとちょっとB級アイドル感もあるかな…。PVはこれでもかというほどどアップでリングライト使ってかわいさ強調、ザ・アイドルなPVなのに、この鈴木その子みたいな真っ白肌のジャケ写はヒドイと思う。タイトルロゴもダサいし。この曲で初のTOP10落ちになってしまいますがジャケ写のせいじゃないかって思うくらいw
曲自体はねー、いい曲だとはと思うのですけども、ピロピロしてるイントロとか「ちぎれそうな夜」って歌詞が微妙にダサいとか、ツッコミどころはある。この後にリリースされたアルバム「cute」の流れで聞くといいんだけど、これまでのシングルの流れで聞くといまいち、みたいな。



10th. 「Don't be shy」
  
     1995.12.01        お気に入り度:★9
(作詞:岩里祐穂 作曲:F&M Project 編曲:星野靖彦)
カバー曲その1。Jamie Dee「Don't be shy」のカバー。ユーロビートのカバーにチャレンジ、ではありますが別に安室奈美恵みたいな陽性ハイパーユーロではなく、デジタルビートのダンスナンバーって言う方がしっくりくる感じの仕上がりですごくいい。「TOO SHY~」からダンスビートはちょくちょく歌ってきているのでこの路線も違和感なく歌えてますね。この辺あたりから声質が安定してきた気がします(ありさ本人は「Days」あたりから、って言ってますが)。前作の反省からかジャケ写のセンスも急に良くなりましたが売上ふるわず、むしろ半減以下にダウン。1995年は安室奈美恵「TRY ME」がヒットした年だし戦略的には間違ってないと思うのに。何故ー。




11th. 「風も空もきっと…」        1996.04.20        お気に入り度:★8.5
(作詞・作曲:上田知華 編曲:大槻啓之)
思いっきりデジタルやった前作の反動なのか、上田千華さん作曲による生音重視のバンドサウンドに包まれたミディアムバラード。観月ありさ王道、といった感じの安心感あふれる曲。とはいえシングルでこの路線ってあんまりないんですが、それでも王道っぽく聞こえるくらい相性がいいってこと、かな。女性シンガーソングライターとの相性が良いみたいです、ありささん。
アニメ「セーラームーン」のEDテーマだったようですが、初期に放送されていたTVバージョンはシングルバージョンと結構異なっていて、生音率が低くてヴォーカルテイクも幼い雰囲気になっています(後にシングルバージョンに差し替えた模様)。セーラームーンというアニメには初期版の方が似合ってたのかも?ちなみにC/Wなしの1コインシングル。



12th. 「PROMISE to PROMISE」        1996.07.24        お気に入り度:★10
(作詞:小室哲哉,前田たかひろ 作曲・編曲:小室哲哉)
女優・観月ありさの代表作「ナースのお仕事」主題歌。シングルでは4曲目のTK楽曲、今度はミディアムバラード。これ名曲。ほんと名曲。日常のエアポケット的な切なさを切り出したTKと前田たかひろさんの歌詞と、観月ありさの歌声が絶妙にマッチ。この曲の絶妙な空気感は、globeだとリキ入っちゃうし 安室さんが歌うとかったるそうになっちゃうし 朋ちゃんにはキー低いし hitomiだとやさぐれ感が出ちゃうし、観月ありさにピッタリすぎる曲。小室作品として凄いチカラが入っている!という作品ではないけど、それがかえっていっそうエアポケット感を演出していて いい方向に転がっているというか。とか書くといいように書きすぎでしょうかw 

ドラマは代表作って言っても実はパート1では平均視聴率17%くらいで、大ヒットというほどではなかったんだよね。この曲はオリコンTOP10にはランクインしませんでしたが(最高19位)、ロングセールスで売り上げはTOP10入りした「あなたの世代へ~」を超えるヒットに。



13th. 「Forever Love」        1997.04.23        お気に入り度:★7.5
(作詞・作曲:伊秩弘将 編曲:水島康貴)
コーヒー飲料「kafeo」のCMソング。こんどは伊秩さん曲。SPEEDと同じ事務所だし流れとしては想定内。CMソングにふさわしいキャッチーポップで普通にいい曲。ただちょっと伊秩さんの手癖っぽい感じがするかなぁ。オーソドックスすぎるというか、手抜きとは言えないですが全体的にもうちょっと練れた気がしないでもない? 南国ちっくなイントロとかも、よくわからないしw これはこれで好きですが。カップリング「in my life」も伊秩さんらしさあふれる小品。



14th. 「Days」  
      1997.11.19        お気に入り度:★8.5
(作詞作曲編曲:五十嵐充)
「ナースのお仕事2」主題歌。コロムビアからavex tuneにレコード会社を移籍。移籍効果が早速出て、当時ELTでノリノリだった五十嵐充さんが楽曲提供。五十嵐さんらしい繊細でメロディアスなスローバラードですが、もっちーが歌ってるところを想像しにくいあたり、五十嵐さんの職人魂炸裂といった感じ。シンプルでやさしい音使いで聞いてて心地いいけれど地味じゃない、というあたりも五十嵐さんらしいかな。歌声もいつもながら伸びのある歌声を聴かせてくれていて曲との相性もバッチリ。

カップリング「walk into the lights」は「抱きしめて!」以来の星野靖彦さんによるキャッチーポップでこれもさりげなくいい曲。ここから先しばらくはカップリングもいい曲ばっかり。
ドラマ自体はシリーズ1より視聴率はちょっと上昇、主題歌はやや減ですが10万枚突破。ナースの~シリーズでは一番シリアスでしたね、ドラマ。



15th.「Through the season」        1998.05.27        お気に入り度:★8.5
(作詞:海老根祐子 作曲編曲:葉山拓亮)
紙パック飲料「piknik」のCMソング。当時第二のELT目指して頑張ってたD-LOOPの葉山拓亮さん楽曲。サビメロ「あーなたをさがしーてたー」の、「てたー」ってファルセットになる部分がぐっとくる。夏向けでさわやかな曲調だけど、ひとにぎりの切なさというか、刹那さというかが込めれられて素晴らしいのです。同時期、同じく葉山さん作編曲による爽やかポップでCMソングに起用された知念里奈「Wing」がヒットしたにもかかわらず、こちらは大不振でオリコン49位。ショートボブヘアーが不評だったとか?この時期だけだし。

カップリングの「Previous days」はT2yaさん作編曲で、shela「White Destiny」のプロトタイプみたいな曲。ちょっとありさ自身が歌いきれてない感じが惜しいですが、T2yaさんらしい哀愁感が絶妙で個人的にはツボ。



ex01. 「oh-darling / convertible」        1998.07.08        お気に入り度:★8
(作詞:MARC,小室哲哉 作曲編曲:小室哲哉)
月9ドラマ「ボーイハント」主題歌。モデル仲間のKAYATOさんという方と組んで、convertible名義で出したシングル。と言ってもモデルさんの方はほとんど歌ってないしそんな踊ってもいないという…。最初は顔出ししないで、月9ドラマ主題歌を歌う謎ユニット!という話題で売ろうとしたものの あんまりにも売れなかったために途中で顔ばらししたという話はホントなんでしょうか(笑)
曲自体はTKによる低音ビートがかっこいいノリ重視の夏曲。MARCの歌詞が意味不明なのはいつものことなのでまあいい…か?カップリングのHard top remixが結構いいかもしれない。

視聴率は当時の月9としてはかなりの不発だったようでしたが腐っても月9?最高位は低いものの10万枚は突破。「ねー いったい あなたは何者なの?」という歌詞は後ろのモデルさんに言ってるというネタ。PV集に収録されなかったのはモデルさんの権利が取れなかったから?かっこいいのに。



16th. 「朝陽のあたる橋」        1999.02.03        お気に入り度:★8
(作詞:森浩美 作曲:T2ya 編曲:葉山拓亮)
ドラマ「天使のお仕事」主題歌。教会ピアノ風のイントロが印象的な、あたたかくて穏やかでありつつ、凛と澄んだ空気感も併せ持つステキ楽曲。観月ありさお得意のミディアムバラードなのでばっちりハマってます。ウェディングソング風の仕上がりですが別にドラマは結婚テーマではないはず。作曲:T2ya 編曲:葉山拓亮というその筋の人にはたまらないクレジットですが、あんまりT2yaさんっぽくはないかも。ちなみにシングルとアルバムではイントロのピアノがほんの少しだけ違ったりします。

カップリング「True」はさりげなく尾崎亜美さんが久しぶりに楽曲提供。隠れた名バラード。というかこっちがA面でもよかったんじゃ?「きっとAngel Eyes 空から見つめてる」って歌詞からしてもドラマに合わせて書いてるような気がするんだけどなぁ。尾崎さんの少女趣味がいい感じにマッチしているし、カップリングながらの地味な曲とかそういうわけでもないし。謎。
ちなみにこのドラマ、ナースのお仕事シリーズキャストを半分近くそのままひっぱってきた影響からか初回の視聴率は14%とそこそこでしたが、その後下降しっぱなしで最終的には7%程度だったそうで。タイアップ効果も表れず。もったいなーい。



17th. 「Eternal Message」 
 
     1999.04.28        お気に入り度:★9.5
(作詞:海老根祐子 作曲編曲:葉山拓亮)
「伝えたい言葉があふれだして 急に声が聞きたくなるから」。今は亡きケータイキャリアTU-KA(懐かしい!)のCMソングだったわけですが、もうピッタリすぎるよね。キャッチーなんだけどキュンとくるせつなさもあるサビメロはさすが葉山さん楽曲。これが売れないってのがなぁ。納得いかないっつーかなんというか。ちなみにTU-KAはこの後にイメージキャラクターをあゆに変えて最後の悪あがきをします。そっちは歌も浸透したのになぁ、って思ったりしてみるw

カップリング「I NEED YOU」はアコギメインのシンプルな音に乗せて届けられる伸びやかなありさボイスがナイスなバラード。ここまでシンプルに「声」に焦点あてた曲はありさ史上初。たぶん。オケはシンプルですがメロディはちゃんと起伏があるので退屈しないのもいい感じ。



18th. 「BREAK ALL DAY!」    2000.05.10        お気に入り度:★10
(日本語詞:サエキけんぞう 作曲:Cathy Dennis,Michael Ericsson,H.Roostan,Toh Eric Harmansen 編曲:ダンス☆マン)
「ナースのお仕事3」1クール目主題歌。カバー曲その2(オリジナルはS Club 7「Viva la fiesta」)。突如ハデハデ★盛り上げラテンチューンにチャレンジ。でもこれがいいんですよー。ポイントはダンス★マンさんのアレンジ。オリジナルの面影はありつつも、より派手さを増してにぎやかになっております。ナースのお仕事1・2は共に主題歌はバラードでしたが、パート3以降はコメディ要素が増えるのでこのアゲアゲ路線で正解。 
視聴率的には2と同等かちょっと上、2クールドラマでしたが終始高いアベレージをキープして、20%越えも珍しくなかったシリーズ3。ありさ本人の歌手人気は落ちてきてましたが主題歌の売り上げは5万枚弱で前作の3倍以上。Mステにこの曲で何故か2回出ている。

カップリング「SHAKE LOVE」は「Through the season」パート2みたいな曲。タイアップも曲作ってる人も同じだし、曲のデキがいいのもおんなじ。CMも見た記憶あるし、両A面でもよかったかもね。

 


19th. 「女神の舞」        2000.08.23        お気に入り度:★7.5
(作詞作曲:つんく♂ 編曲:松原憲)
「ナースのお仕事3」2クール目主題歌。今度はつんく♂曲。前作のノリの良さをまた変な方向に変えてみたような曲。でもこの時期モー娘。絶好調で無敵モードだったつんく♂にしては手抜きっぽいというか、あんまりチカラ入ってる感じしないなぁ。でもこの曲スキでした。このちょっとヘンなノリはドラマにも合ってた気がするし。歌詞をそらで全部覚えた初めての曲がこれだった自分の中学生時代はやっぱりどうかしているな。

カップリング「Believe in your way」の方が必殺の大バラードって感じで名曲。ちょっと大仰な気もするけど、これシングルに取っておいてもよかったんじゃないかなぁ。明らかにカップリング向けに作られた曲じゃないよねこれ。コミカルなドラマに合わない曲だから、タイアップ的にリリースタイミングが難しかったのだろうけど。作編曲はBoA「メリクリ」等でおなじみ原一博さん。



20th. 「ヒトミノチカラ」        2002.02.06        お気に入り度:★9.5
(作詞:森浩美 作曲:高見沢俊彦 編曲:上野圭一)
1年半ぶりのシングルはアニメ「ヒカルの碁」EDテーマ。ファーストアルバム収録の「風に乗って」以来、10年ぶりのたかみー曲。いつもよりちょっとだけロックテイストも入ったアップテンポ。ありさボーカルもそれに合わせていつもより少し力強く。スピード感とサビの吸引力はさすがたかみー。編曲はたかみーではなく上野圭一さんなのでそんなにアルフィーっぽくはなってないですね。いい感じの塩梅なのではないかと。この曲ほんと大好き。
ヒカ碁はアニメ人気はそこそこあった気がしますが主題歌のヒットにはあまりつながらなかったよね、どれも。dreamの「Get Over」がいつもより売れたかな、くらいで。
テレビ出演時はたかみーのエンジェルギターを「持って」披露してました。EXILE ATSUSHIと同じスタイルを10年早くやっていた。

C/W「すべては風の中で」は、「Days」以降のシングル全部C/Wは外れなしだったのに比べるとちょっと落ちるかな。悪くないですが。「ヒトミノチカラ(BUZZ ROCK VER.)」は単なるリミックスではなくボーカル取り直しもした別バージョン。オリジナルよりさらに力強くなってて、むしろ力みすぎな感じもありますがこれはこれで。



ex02. 「VACATION / 朝倉いずみ with ナースのお仕事」        2002.04.24        お気に入り度:★7
(作詞:漣健児 作曲:CONNIE FRANCIS/HANK HUNTER/GARY WESTON 編曲:小西貴雄)
「ナースのお仕事ザ・ムービー」主題歌。ドラマの役名である「朝倉いずみ with ナースのお仕事」名義でリリース。カバー曲その3。コニー・フランシス「Vacation」をカバーした弘田三枝子「ヴァケーション」をさらにカバーした曲、ということになるみたい。いわゆる企画モノで、ザ・朝倉いずみ!って感じでこれはこれで似合ってます。明るくてノリやすくて元気いっぱいで、そういう意味でも狙い通り。ではあるものの、売り上げは撃沈。映画自体がナースのお仕事ファンでも苦笑いしながら楽しむ感じだったからなぁ。

リミックスが2曲入ってますが、これが意外といいです。どちらも小西貴雄さんによるリミックス。トランスハイパーな「HYPER MIX」と完全にパンクな「PUNKISH MIX」、どっちも似合ってる。「PUNKISH MIX」が面白くて特にいい感じ。V!A!V!A!V!A!V!A!V!A!



21st. 「Love Potion」        2002.08.21        お気に入り度:★8
(作詞:相田毅 作曲:Stephen Kipner,David Frank,Palema Sheyne 編曲:小西貴雄)
「ナースのお仕事4」主題歌。カバー曲その4。今度はクリスティーナ・アギレラ「ジニー・イン・ア・ボトル」のカバーだ!っても、完全に観月ありさ色。スローでセクシーなアギレラ版を期待してると肩透かしかもですが、ありささんはセクシーというよりは健康美な感じなので(ドラマの役柄的にもね)、これはこれで。じゃあなんでこの曲カバーしたのかというとまた別の話ですが、この開き直った下世話な感じはスキです。BREAK ALL DAY!と女神の舞の中間みたいなノリでナースのお仕事シリーズにはぴったり。

(追記:この曲、小西貴雄さんが観月ありさ向けにラテンアップテンポ版に大変身させたというよりは、「ジニー・イン・ア・ボトル」のスパニッシュ語版のリミックスをカバーした、というのが正確らしい。これを選んだディレクターさん?がすごいね、これは。)

ナースのお仕事主題歌にもかかわらず売り上げアップにはあまりつながらず、オリコン最高位30位、1万3000枚。でも次のシングルを考えるとこれでも効果あったのかな。ドラマの視聴率自体は3より若干落ち、平均17%くらい。でもまあよく頑張った方でしょう。さすがにマンネリの声も多かったし、沢田先生いなくなっちゃったし・・・。最終回が2時間SP+野球延長2時間で放送が深夜までになっちゃったのも今ではいい思い出。(リアルタイムで見てた)



22nd. 「Shout It Out」        2003.05.21        お気に入り度:★7.5
(作詞:松井五郎 作曲編曲:JEAN PAUL 'BLUEY' MAUNICK,MATT COOPER)
ドラマ「ダイヤモンドガール」主題歌。ドラマはお金持ちお嬢さん役の観月ありさがかき乱すコメディタッチのドラマで、それに見合ったちょっとシャレオツでセレブ感ある軽快な楽曲。観月ありさが歌うと なんちゃってセレブ感 親しみやすい感じに仕上がってる。インコグニートのブルーイ提供の曲、とのことですが洋楽疎いからわからない…(汗)このラグジュアリーな感じは洋楽っぽいといえばそうなのかな。とはいえこれまでカバー曲4曲もやってることもあるのか、外タレ提供曲なのに観月ありさ史上の異色作って感じにはならないのがスゴイ。それがいいのか悪いのかはまた別ですがw

2000年以降は悪くてもオリコン30位くらいには入っていたのですが(企画モノの「VACATION」除く)、今作でオリコン最高位94位・3300枚と一気に撃沈。ドラマの視聴率的には11%前後とやや低めだったとはいえここまで来ちゃうとはなぁ。この売上不信を受けてか、定期的なシングルリリースはここで終了。これ以降は一気にリリースペースが鈍ることに。



ex03. 「セ・ラ・ビ / ALISA MIZUKI TO AZIAN2」        2005.09.28        お気に入り度:★6
(作詞:20/TATSU 作曲:TATSU 編曲:ASIAN2,笹本安詞)
2年以上ぶりのシングル。主演映画「鳶がクルリと」主題歌、ミクスチャーバンド「AZIAN2」とのコラボ名義でリリースされた楽曲。AZIAN2の色がかなり強く出ていて、ありさ本人も初のラップを披露したりしてます。ただなぁー。似合ってるかというと、うーん、どうよ?w って思ってましたが改めて聞くと悪くない。この作品のリリース後しばらくしてAZIAN2がプチブレイクしたというタイミングもちょっと悪かった? 映画も不発で、Mステで披露したにもかかわらずこの曲はオリコンTOP100に入らず、売り上げ880枚と撃沈。Mステで歌った楽曲で一番低い売り上げなんじゃ…と思っていたら数年後にIMALUさんが更新してくれた(笑)。
カップリング「Sweet one week」はAZIAN2ではなく、好色人種というバンド?からの提供曲。謎が謎を呼ぶ人選ですがC/Wならではのチャレンジとしてはいいかも。たぶん当時そんなつもりはなかったと思いますが、結果的には色々なアーティストから楽曲提供を受けた20周年記念アルバム「SpeciAlisa」の前哨戦って感じのシングルになりましたね。

 


23rd. 「ENGAGED」        2008.02.06        お気に入り度:★9.5
(作詞作曲:滝川潤 編曲:旭純)
2年半ぶり、本人名義だと4年以上ぶりのシングル。主演ドラマ「斉藤さん」主題歌。2段構成のサビメロが素晴らしい珠玉のミディアムバラードで、本当にこれはもうメロディが素晴らしすぎるっ。徐々に暖かさを増していって、大サビ「ねぇ どうして~」でクライマックスになる展開がもう本当にぐっとくる。ミディアムバラードは鉄板な観月さんですがその中でもかなり上位な名曲。
ドラマとはミスマッチでしたが視聴率の高さも手伝ってなんとか7000枚は売れた。4年以上前のShout it Outの倍って考えると結構頑張ったかも。Mステ出演したらデイリーチャートに復帰したし、ネット上では結構いろんなところで評判良かった記憶が。

カップリング「アネモネ」は観月ありさ作詞、作曲は「ENGAGED」と同じ滝川潤さん。こちらもバラードですが、あたたかいA面から一転して切ない失恋ソング。これもいい曲。
前作のコケっぷりからして、この頃はもうリリースがあること自体がうれしくて仕方なくて。もうどんな駄曲でも出るだけ嬉しい!とか思ってたくらいですがw、そんな状況でこんな名曲が出てくるなんて思ってもいなかったなぁ。



24th. 「星の果て」        2011.08.17        お気に入り度:★8
(作詞作曲:川村結花 編曲:旭純)
3年半ぶりのシングルは、20周年記念アルバム「SpeciAlisa」からのリカットシングル。観月ありさお得意の、珠玉のミディアムバラード・・・って語彙の少ない自分には「ENGAGED」との差異を言葉で説明するのが難しいんですが(汗)、曲のデキもおんなじくらいイイ出来なのは確かなのです。リリースペース空いてる割に声の劣化とかも無いですし、あのアルバムからリカットするならこれが一番大衆受けしそうでシングル向きのバラードだし。とはいえアレンジ等は特に変更なしでそのままリカットされてもなぁ。歌番組での披露も無かったし。

このシングルの存在意義は、カップリングに収録されたPiano Version!よくあるピアノバージョンといえばそうなんですが、メロディ的にはシンプルな曲なのでこっちのアレンジの方が合ってるかも。

 


25th. 「わたし / Heroines!」        2014.11.01(配信) 2014.12.10(CD)        お気に入り度:★8 / ★5.5
(作詞作曲:岸谷香 / 作詞:中村彼方 作曲:Charlie Mason,Frida Molander,Christian Rabb)
女優業は年1回以上の定期主演ドラマはありつつもここ数年は特にヒットドラマはなく、音楽CDリリースも3年以上音沙汰ない状況が続いた中での朗報、「ナースのお仕事、2夜連続のスペシャルドラマで復活!」。ナースのお仕事といえば主題歌:観月ありさ!ということで期待していましたが、やっぱりスペシャルドラマで新曲作成ってのは難しいのか、3年前の20周年記念アルバム「SpeciAlisa」から2回めのリカットシングルという形に。

今回はきちんとボーカルリテイク、アレンジも変更されてます。
1話目の「離島編」主題歌は、岸谷香(=奥居香)さん作詞作曲の「わたし」。奥居さんお得意の元気ロックではなく、昔をセンチメンタルに振り返りつつも今日をしっかり生きていく、というバラード曲。このリアレンジとリテイクは大正解。オリジナルではなぜかちょっと不穏だったイントロも修正されて、リズムが強調されてシングル向けにちょっとお色直し。ボーカルも感情がよりグッと込められてる仕上がりになっているのは、ミュージカルをやった経験が活かされているのかな。とはいえミュージカル唱法になってるわけじゃないので、そこは一安心。

2話目の「再会編」主題歌は「Heroines!」。GReeeeNのプロデューサーJINさんがプロデュースした楽曲。これはオリジナルのほうがいいかなぁ。オリジナルは洋楽テイストのリズムパートとギターの音が強めで、好き嫌いは別としてそれがこの曲の個性だったんですが、リアレンジでなんだかフツーのポップスになってしまったような…。
でもこれは、ナースのお仕事3以降定番だった、観月ありさの主題歌をBGMにみんなで踊る映像が流れた、ってところに意義があるのかな、という気がする。ちなみに本編に組み込まれたのはザ・ムービー以来で、3と4ではエンディング映像でみんなで楽しく適当に踊ってました。


ドラマも面白かったなー。安いCGとかお決まりの展開とか超展開とか、まぁいろいろナースのお仕事らしかったな、とw
映画版だからって無駄に豪勢にして無駄な盛り上げ方をしたザ・ムービーより確実に今回のスペシャルドラマの方がよかった!
観月さん、ここ数年はコンディション悪い時は思いっきり太って見えちゃったりしてましたが(元が小顔+顔に肉がつきやすいからっぽい)、今回はベストコンディションでナース服もばっちり決まってました。ツイッター見てる限り、評判も悪くなくてよかったよかった。連続ドラマじゃないのがよかったのかも。



というわけで、全シングル振り返ってみて思ったのですが、それぞれ色の強いシンガーソングライターや作曲家さんからの提供を多く受けていて、カバー曲も多いし、それでいて歌唱力抜群とか歌声がすごく独特とかでは無いにもかかわらず、「観月ありさらしくないシングル」がひとつもないのが、観月ありさ最大の特徴なのかも。それでいて女優系にありがちなバラード一辺倒になったりしないので、いろいろな曲があってどれも楽しめる。まぁそれはファンだからってのはあるけどもw、ちゃんと歌手としての自分の色を持ってるのは確か。

女優系歌手って、歌手活動は完全にオマケですという立ち位置(最近なら新垣結衣・武井咲あたり)か、歌手やるときはアーティストになります(原田知世を筆頭に中山美穂や松たか子、柴咲コウとか)、という2パターンが多いですが、このどちらにも属さない感が観月ありさの良さでもあり、歌手としての大ヒットがなかった原因でもあるのかな、と思いつつ、そんな観月ありさの歌手活動もいいですよ、と強引にまとめておしまい。3枚あるベストアルバム(初期ベスト「FIORE」中期ベスト「FIORE II」22ndまでの全シングル収録「HISTORY~ALISA MIZUKI SINGLE COLLECTION~」)はどれも入門に最適なので、気になった方は是非!!!


シングル感想。⇒茅原実里「ZONE//ALONE」

2012年08月17日 23時36分41秒 | 感想・レビュー(シングル)


茅原実里「ZONE//ALONE」

お気に入り度:★7.5点

作家クレジットは相変わらずいつもの作詞:畑亜貴、作曲編曲:菊田大介(Elements Garden)。本格デビューしてもう5年以上経つのにぜんっぜん路線変えないってすげーなぁ、とか思いながら聞いてみたら何気に今回新機軸だったよ!いつもの打ち込みデジタルトランシーじゃなくて生ドラム使用で、さらにサビではファルセットをこれでもかと披露。今までこんなにファルセット使ったことってそんなにないよね。まぁその2点以外は相変わらず「いつものみのりん」なアップテンポナンバーなんですが、ちょっと変わっただけでもこんなに新鮮に良いように響くんだなぁという。ある意味これも戦略なのかなw 

ただ、みのりんっていつもの歌声が力強い割に、ファルセットだとちょっと弱いというか、柔らかいのね。そこが気になったといえば気になった、かも(バラードだときっと強みなりそうな感じ)。でもそれより路線を少しでも変えようとしたところにハナマルです。あと青空バックと紅い衣装のコントラストが眩しいジャケもスバラスィです。大好き。