個人事業はじめちゃいました!

悩める賃貸オーナーの呟きとちょっとだけ機械設計のブログ!

技術のお話し タイヤ編(13)

2021-05-23 17:29:21 | 暮らし
力センサ(フォースセンサ)に使用される水晶ですが、極性軸を持っている事は前回お話ししました。
それは互いに直角な方向にX軸、Y軸、Z軸の極性を持ち,それぞれに力が作用する事で電荷が発生します。
 縦効果(Longitudinal Effect)
 せん断効果(Shear Effect)
 横効果(Transverse Effect)
に付いてはド素人の私の説明より、キスラー社のカタログ資料【測定技術の基本】をご覧ください。
 *カタログは日本キスラー合同会社サイトより入手できます。

ユニフォーミティ装置ではX、Y、Zの極性軸を持つ3成分力センサが使用されます。
3成分力センサは3組の水晶圧電素子を上下2枚の鋼板に組付け3組の内、
2組はせん断方向の力Fx、Fyを、残りの1組は圧縮方向の力Fzを測定する様に設計されています。

例えば、3成分力センサをタイヤAssyと係合する回転軸ユニットに組み込む場合は、
力センサを下記の様に配列します。

 注) 説明図の為、設計検討はしていません

力センサをベースプレートとトッププレートの間に4セット配置します。
4セットの内、2セットは型式:9068C、他の2セットは型式:9067Cとしました。
力センサは座標軸に対するコネクタの方向が型式により異ります。
説明図ではコネクタの向きを互いの力センサに向く様にしました。
コネクタの方向は設計条件で異なりますが、必ず座標軸は同じ方向に合わせる事が必要です。
ベースプレートとトッププレートの位置決めは、上下プレート側に加工されたインロー穴に芯出しスリーブを嵌合させ、
力センサ中空部を通す事で位置決めを行います。
力センサの両端面には滑りワッシャを取付ける事で、リングナットを締め込む際の回転トルクが軽減でき、
プリロードキッドの型式に準拠した標準値を目標にリングナットを締め込みます。
この時、チャージアンプを用意しておくとリングナットを締め込みながらプリロード力を確認でき、
又、センサが連れ回りしない様に位置決めピンなどで回り止めを用意すると組付が楽になります。

今回はここまでです。次回は負荷重の位置を決めて各軸に作用する力を計算してみましょう。






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技術のお話し タイヤ編(12)

2021-04-15 15:22:01 | 暮らし
今回はユニフォーミティ測定機で使用する力センサに付いてです。
タイヤ生産やホイールAssyを行う工場で使用されるユニフォーミティ測定機は、
速度が7km/h (60rpm)の低速タイプと7~200km/hの高速タイプに大別されます。

高速ユニフォーミティ測定機に使用される力センサは、
高速な衝撃力を計測するために高応答で固有振動数が高い事が必要になります。
又、力センサを取付ける筐体も高速になるに従い大きな力が作用するため高い剛性が必要になります。

高速ユニフォーミティ測定機でタイヤサイズ215/45R17を使い筐体の固有振動数を求めてみます。

加圧ローラで規定荷重、又は空気圧に対応する負荷能力の85%を試験荷重としたときの動的負荷半径を約304mm、
測定速度は100km/h、ユニフォーミティは10次成分まで解析するとします。

<計算条件>
タイヤサイズ:215/45R17
動的負荷半径:r = 304 (mm) → 0.304 (m)に換算
速度: v = 100 (km/h) → 100000 (m/h)に換算

タイヤが1秒間に何回転するか = タイヤの回転周波数: fs (Hz)を求めます。

タイヤ周波数: fs (Hz) =100000 / ( 3600 x 2π x 0.304 ) = 14.5 (Hz)
注:1 / 3600は時間(h)を秒(sec)に換算

次に解析次数が10次成分までですから、
 fh10 (Hz) = 14.5 (Hz) x 10 = 145 (Hz) となります。

文献などから共振を避け精度良く測定するには、2.5~3倍ほど高い固有振動数が必要と言われていますから、
 145 (Hz) x 2.5 = 360 (Hz) ~ 145 (Hz) x 3.0 = 435 (Hz) となります。

低速ユニフォーミティ測定機の場合も同様に計算します。
タイヤ周波数: fs (Hz) =7000 / ( 3600 x 2π x 0.304 ) = 1 (Hz)

解析次数が10次成分までですから、
 fr10 (Hz) = 1 (Hz) x 10 = 10 (Hz) となります。

共振を考慮すると、10 (Hz) x 2.5 = 25 (Hz) ~ 10 (Hz) x 3 =30 (Hz) となります。

これはタイヤの回転周波数から計算したものであって、筐体はタイヤに加える荷重による撓み、
回転によるねじれ等から強度を検討し、上記で計算した共振領域を避ける必要があります。

次に力センサ(フォースセンサ)に付いてです。
力センサに使用される圧電素子は水晶やセラミックスなどが有ります。
この圧電素子は負荷が掛かったときに比例した電荷を発生します。
力センサはこの性質を応用しチャージアンプを介して電圧を力に換算して測定します。

電荷の単位はクーロン(C)ですが、力センサではピコクーロン(pC)を使います。
ピコ(Pico)は国際単位系(SI)では接頭辞と言われる基礎となる単位の 10^−12倍を表し、
1( pC )=10^-12( C ) の電荷量となります。

水晶素子の場合、水晶を切り出す方向を変える事で圧縮、せん断と電荷を発生させることができ、
高剛性で測定偏差が低いと言う特性があり力センサに適した素子だと思います。・・・私はセンサ屋ではありません!! 使ってそう思った感想です。
圧電効果は作用している力に対する水晶の極性の軸の位置により、
縦効果、せん断効果、横効果に区別されます。

今回はここまで、次回も力センサに付いてのお話しが続きます。
決して回し者ではありません!!

上記内容で間違いなどございましたらご教示ください。


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技術のお話し タイヤ編(11)

2021-03-10 14:48:38 | 暮らし
3月に入り今年も残すところ10か月足らずとなってしまいました。
・・・「エー ! 」
旅行すら行くことが出来ず、毎朝母親の汚物を片付けたり掃除したりと気が滅入ってしまう。
週に3~4日デイサービスを利用しているが、5時過ぎには帰宅するので遠出は無理、
預り施設で2日ぐらい預かって貰い、旅行でもと考えるが費用を考えると悩んでしまう。
嫁さんも手伝ってくれるので有り難いと思いますが、
介護支援の方からは何か悩み事は有りますかと聞かれ、
俺も介護支援受けてるのって思ってしまう。
よっし ! 若い女医さんがやっている精神科受診しよ !

・・・何で若い女医さん?

良く判らんが頭と心の中で癒しを求めている?
嫁に言わせると単なる「エロ爺」と言う分野に突入したらしい。

・・・「なるほどね」・・・

そんな悩みを少しでも癒してくれるのが80年代の洋楽、
良いね !
最近よく聞くのが「カイリー・ミノーグ」
♬ Turn it into Love
♬ The Loco-Motion
♬ I Should Be So Lucky
♬ Got To Be Certain
80年代の振り付けは緩いが時代と共にキレッキレ!!
♬ Crystallize
♬ Magic
年と共に少し綺麗になっている?

「ベリンダ・カーライル」
♬ Heaven is a Place on Earth

「REOスピードワゴン」
♬ In Your Letter
懐かしー !

ではでは、お話しの続きにまいります。
一面釣合わせか、二面釣合わせかの選択目安に付いてタイヤ編(10)でお話ししましたが、
グラフは描けましたか?

・・・「ん」・・・

グラフはこの様になります。



あくまで目安です。
参考 : 職能訓練学校機械課テキスト

ある国立大学の講義資料では、D / L <0.5 回転数 1000min^-1 以下・・・1面釣合わせ
             D / L >0.5 回転数 1000min^-1 以上・・・2面釣合わせ
となっています。

開発設計や現場のトラブル対応などで知っていると便利だと思います。

今回はここまで、次回は力センサの配置に付いてです。

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技術のお話し タイヤ編(10)

2021-02-28 10:15:48 | 暮らし
先ずは、お詫びから!
タイヤ編(9)で1箇所、質量の単位でgと記載するところをkgと記載していました。
大変申し訳ございませんでした。

この様な間違いに気が付かない私目のブログに、t さん、hさんより「応援」2個頂きました~
♬ 2個タンタンタン !、2個タン !! ♬
E s t o u m u i t o f e l i z ・・・ ポルトガル語 訳: 大変嬉しく思います
(エストゥ モウイト フェリーズ)
これからも頑張ります。 「御意 !」

またTVのパクリかよ ! と思った方、すみません、乗りが好きなもので !

私も t さんの最新ブログを拝読させて頂きました。
機械屋の私には電気・電子・通信の世界は良く判りませんが、・・・(本当は知っていないといけない ! )
もう20数年前になりますが、半導体の関連設備を開発していた頃、
リニアモータ基板の発熱対策で何か良い方法は無いものかと悩んでいました。
たまたま購読していた日刊工業新聞社発行の「機械設計」と言う雑誌の広告ページに、
ペルチェ効果を利用した放熱ユニットなる物を見つけました。
ペルチェ効果とは何ぞやですが、何故その様な現象が起きるのか今でも判りませんが、
確か銅素材にp型とn型の半導体素子を挟み込んだモジュールで、
片方の銅素材に電流を流すと放熱し、他方の銅素材は吸熱すると言うものだったと記憶しています。
早速、電気設計に相談して実験を行い良い結果が得られた事を思い出しました。
残念ながら量産設備では、リニアモータと制御回路の改良で24時間稼働しても発熱をある程度抑える事が出来た為、
放熱ユニットを止めて、モータ基板の裏側に伝熱シートと放熱フィンを設けただけで対応する事が出来ました。
久々にp型、n型半導体の問題を見て過去を思い出した次第です。・・・(ブログ問題は不正解でした トホホです)

航空無線と言う事で、飛行機は私目も大好きでございます。
頭がムシャクシャした時は、県営名古屋、中部国際空港、航空自衛隊岐阜基地周辺や浜松基地などへ出掛け、
心地よいエンジン音に浸りながら、ぼ~っと飛行機を眺めています。
新型コロナが落ち着き緊急事態宣言が解除されたなら各務原航空宇宙博物館へ行き、
三式戦闘機「飛燕」を見学しようかと思っています。

hさん有難うございます。
学生時代、バイトで貯めたお金で初めて手にした車、そうです三菱ギャランGTO !
但し中古車でしたが、その1970年代当時は一世を風靡していました。
よし、これで俺はモテ男になるんだとばかりにカー雑誌を読みあさり、
プラグのスパークが向上し加速UPすると言うボンファイヤー何ぞを取付けたり、
電装部品を交換したりといじり倒し、結局車検が通らないと言う結果に !
モテ男にもなれず痛い出費でしたが懐かしい思い出です。 ハイ !

ではでは本題のお話しですが、
タイヤ編(8)、(9)で釣合い良さに付いてお話ししましたので、
今回は「不釣合い」に付いてお話しします。

回転体の質量分布の不均一を不釣合い=アンバランス(unbalance)と言います。
以下のお話しでは、不釣合いをアンバランスと表現します。

アンバランスには大きく分けて、
① 静アンバランス=スタティック アンバランス(static unbalance)と、
② 動アンバランス=ダイナミック アンバランス(dynamic unbalance)が有ります。
又、一部の専門書やメーカーサイトの解説では、動アンバランスを釣合の状態別に分けて、
③ 偶アンバランス=カップル アンバランス(couple unbalance)を説明しているものも有ります。

では静アンバランス、動アンバランス、偶アンバランスに付いて図を参考にもう少し説明します。

<静アンバランス>


 ロータを支える軸受に作用する力の大きさF1とF2が等しく、作用する力の方向が同じで釣合状態に有り、
 重心が回転軸の中心線から偏重心距離eだけ離れ、且つ慣性主軸が回転軸の中心線と平行にある場合を静アンバランスと言います。
 又、重心位置の反対側に1個の重りを取付ける事で、不釣合いを修正できるので「1面釣合わせ」とも呼ばれます。

<動アンバランス>


 慣性主軸と回転軸の中心線は一致せず傾き、重心位置は回転軸の中心線上に無く、
 ロータを支える軸受に作用する力の大きさF1とF2、力が作用する方向も異なる状態を言います。
 又、軸方向に長いロータは静アンバランスを持つ薄いロータの集積体で有り、
 薄いロータは互いに異なる力の大きさや方向を持った物と考える事ができ、
 これらの不釣合いを長いロータの両端面で釣り合わせる事から「2面釣合わせ」とも呼ばれます。
 
<偶アンバランス>


 慣性主軸と回転軸の中心線は一致せず傾いているが、重心位置は回転軸の中心線上に有り、
 ロータを支える軸受に作用する力の大きさF1とF2は等しいが、作用する方向は180度反対の状態を言います。

動アンバランスも偶アンバランスもロータを支える軸端ではすりこぎ運動に似た動きをします。
そのため静アンバランスの様に釣合い状態から不釣合いを見つけ出す事はできません。
必ず回転させて釣合い状態を調べる必要が有ります。
仮に動アンバランスのロータを静アンバランスのみ修正したとすると、
偶アンバランスが残る事になります。

前文でお話しした「一面釣合わせ」と「二面釣合わせ」の選択方法ですが、
フィールドバランサー装置による修正で用いられる選択方法を紹介します。
・・・あくまで目安で、ロータ条件と不釣合いの状態で検討する必要が有ります。

 剛性ロータの長さ(L)と直径(D)の比(L / D):0.1以下 回転数N:3600m^-1 以下・・・「一面釣合わせ」
:0.1以上 :1800m^-1 以上・・・「二面釣合わせ」
:0.5以下     :1800m^-1 以下・・・「一面釣合わせ」
                    :0.5以上     : 900m^-1 以上・・・「二面釣合わせ」
                    :1.0以下     : 900m^-1 以下・・・「一面釣合わせ」

 この値をグラフに描くと判りやすくなると思います。
 縦軸に比(L/D)、横軸に回転数を取り各数値の交点を求めて見て下さい。
 縦線、横線の範囲内が「一面釣合わせ」か、「二面釣合わせ」の範囲となります。
 
今回はここまでとします。
内容に誤記等ございましたらお知らせ下さい。

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技術のお話し タイヤ編(9)

2021-02-11 15:45:36 | 暮らし
前回のお話しの続きからです。

「釣合い良さの等級」と「各種回転機械に関して推奨される釣合い良さ等級」は次の通りです。

<釣合い良さの等級>

  
  
<各種回転機械に関して推奨される釣合い良さ等級>

  

例えば、釣合い良さの等級を参考にタイヤ+ホイールAssyの許容残留不釣合いを求めてみます。
    注釈:許容残留不釣合いとは、許容できる最大の残留不釣合い(残留アンバランス)のことです。

タイヤ+ホイールの組付工場で生産される製品では、出荷レベル(不釣合い修正済)での許容残留不釣合いは、
    普通車クラスでは8~10g 以下が一般的です。

    <計算条件>
    タイヤサイズ:215/45R17
    タイヤ外径d = φ634 mm ・・・成長寸法時の最大外径寸法
    タイヤ+ホイールAssy質量m = 22 kg
    回転速度v = 100 km/h ・・・高速ユニフォーミティによる振動を避けるため100 km/hとする
釣合い良さ等級 = G16 ・・・各種回転機械に関して推奨される釣合い良さ等級のロータの種類一例から
「特別要求がある6シリンダ以上のクランク軸系」を選択する
                 既にメーカーの出荷基準に於いて不釣合い修正を完了させている為、
                 釣合い良さ等級G40「自動車用車輪、リム、ホイールセット及び駆動軸」は除外する

    初めに回転速度v (km/h)を回転数n (min^-1)に換算します。
n = 100 x 10^6 / ( 60π x 634 ) = 836.7 ≒ 837 min^-1
    
    タイヤ編(7)でお話しした釣合い良さ= en / 9.55 ・・・②を使い比不釣合いの大きさeを計算します。
    16= ( e x 837 ) / 9.55
    e =0.183≒ 0.19 (mm)・・・比不釣合いの大きさ(偏重心)

    計算した比不釣合いの大きさe (mm) に、タイヤ+ホイールAssy質量 m = 22 kgをgに単位換算し掛けて許容残留不釣合いを求めます。
    0.19 (mm) x 22000 (g) = 4180 gmm・・・許容残留不釣合い
    この値が釣合い良さ等級G16での許容値になります。
    
    ロータの幅が薄い場合(自転車のタイヤ+ホイール、ディスクなど)、4180 gmmは1面修正(静バランス)での許容値となり、
    ロータの幅が厚い場合(自動車のタイヤ+ホイール、高速印刷用ローラなど)は2面修正(動バランス)での許容値となるので、
4180 gmm / 2 =2090 gmm (左右対称)となります。

タイヤ+ホイールAssyの場合は2面修正が基本ですから、
    ハブ穴中心からバランスウェイトを取付ける距離が判れば、
    バランスウェイト取付位置での残留不釣合いの許容値となります。

    例えば、ハブ穴中心からバランスウェイトを取付ける距離が225mm(17in)の場合、
    2090 gmm / 225mm = 9.28 ≒ 9.3 g 以下が許容値となります。

    タイヤ+ホイールの組付工場で生産される製品での許容残留不釣合いは、
    普通車クラスでは8~10g 以下が一般的ですから計算とほぼ一致します。

    最高級車クラスでは残留不釣合いの許容値が5g以下に設定されているものが有り、
    釣合い良さ等級も更に精度の良いG16~G6.3の何れかのランクを想定しているのだと思います。

誤記等ございましたらお知らせ下さい。

今回はここまでです。


    
    

    

    



    

    

    
    


    
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