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「飯田さん、できたらフランスの田舎にも行ってみたいんです。
パリだけじゃなくて・・・」「そうですよね せっかく
ヨーロッパに行くんだから 他も行けたらいいですよねえ。
イタリアとか・・・でも現実的に考えるとあんまり時間もないし、
あ、そうだ、シャンパーニュとかどうですか?
パリから1時間くらいで行けるみたいですよ」
クルミドでのちょっとぽっかりした時間。
カウンターの奥でのそんな会話から
シャンパーニュ行きは始まった。
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何故シャンパーニュ?それはただ私が以前Paris-Bistro.comの
代表に連れて行ってもらったから?パリからけっこう近いから?
なんとなく響きがいいから?半分冗談めかしていった
この計画も 影山さんの「いいですね。行きましょう!」の一言で
現実化することになる。さて、行くのはいいけど、
どうやって行ったらいいのでしょう、、、。
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Paris-Bistro.comの代表と一緒に行かせてもらった
(アンリアベレ社のシャンパーニュ。これほどの味には
あれ以来まだ出会えていません。パリでも売ってるのを見たことがない、、、
あの時勇気を出して「一本下さい!」と言っていれば、、といまだに後悔。)
シャンパーニュ、響きはいいけどこれが曲者。
噂によると日本のガイドブックにもなかなか行き方が載っていないとか。
私も色々とサイトを見たけどよくわからないので
お世話になったシャンパーニュ委員会の方に問い合わせてみると
「そういったことには返答できないのでご自分で
ネットを駆使して調べてみてください」とのことだった。
ところがフランス語とネットを駆使しても ランスに行ったら何かがあるのは
わかるけど 私があの時目にしたシャンパーニュ大通りは?モエは?
一体どこにあるのだろう?とりあえずランスへのTGVを日本から予約はしたものの
謎は深まるばっかりで パリに到着してから書店でガイドを調べてみても
私にはよくわからなかった。そもそも私が予約した
ランスから8キロという「シャンパーニュアルデンヌ駅」というのは
一体どこにあるのだろう??こればっかりはどのガイドにも
書いてなかったし グーグルマップで代表と一緒に調べてみても
出てこなかった。これが私を不安にさせて そして不安が的中してしまう。
シャンパーニュ、響きはいいし パリからも近そうだけど
車がないと行きづらい!!それに車で行ったら本当は飲めない?
そんな難所への行き方をお伝えしようと思います。
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今回シャンパーニュが実現したのはなんといってもParis-Bistro.comの
代表のお陰。シャンパーニュはメゾン各社のサイトを見るだけでも
毎回生年月日を入力しないといけない上、予約となると複雑なことが多すぎる。
メゾンは意外に広範囲に散らばっていて 車ならまだしも
徒歩を考えている人にはけっこうきつい。どこにあるの??そこと駅との
地理関係は?と何度も色んな地図を見たものの、わけがわからない。
おそらくたいていの人はやっぱり車で来るのでしょう。
(ちなみにフランスのガイド ミシュランもかなり車用に作られていて
17ユーロくらいします。やはり日本で調べて来るのがおすすめ!
代表も電車では行ったことないなあとのこと、、、)
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ランスで入手した地図 これがなくてはこの旅は不可能でした
さて、シャンパーニュのメゾンがあるのは主にランスという
地方都市と、ランスから普通電車で30分のエペルネーという小さな街。
ランスはパリからTGVで45分。難しいフランス語はReimsと書いて
ランスと読むのです。ランスは周辺にいくつか駅があるようで
それもまたまぎらわしいけどシャンパーニュアルデンヌ駅には
要注意!!ここはランスから30分くらいかかるのです(涙)
TGVの予約は日本からでもSNCFのサイト可能。カード決済ができ
自分でプリントするチケットが使えます。この場合は
窓口に出向く必要さえなく、このチケットをもって電車に乗り込むだけだそう。
ランスにはポメリーやヴーブクリコ、リュイナールなどがあるようです。
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(ランスからエペルネーへの切符。自販機でも買えるかもしれませんが
フランスはシャルルドゴール空港ですら、自販機がまともに動かない国!
窓口は確実ですが待つので時間に余裕を持ってくださいね。)
有名なモエ・エ・シャンドン、シャンパーニュ大通りというのが
あるのはランスではなくエペルネー。私達はランスまでは
TGVで、事前にネットで代表が時刻表を調べてくれていたので
なんとか時間があるだろうと思って窓口でエペルネーまでの切符を
買い込み、ぎりぎり乗車でなんとかセーフ。
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朝9時前にパリ東駅を出発し、帰りは18時発だったので、今日は
存分に時間があると思っていたら大間違い。ランスとエペルネーの
2カ所に行くのはなかなか大変。だってそう、こちらは
地方で車社会なのだから。。。
「メルシエはね、小さな電車に乗って貯蔵庫の見学が
できるんだって」という素敵な言葉をささやかれ、じゃあ
メルシエにします!とParis-Bistroの代表にメルシエの見学を
予約してもらい、何とかエペルネーまでたどり着くものの、
観光案内所は近くにないわ(しかも見つけたら土曜で閉まってた!)
駅のそばには使えそうな案内地図すらない。。。
こうなったら頭で地図を描くしかない。かつて事務所で
みた地理関係を思い出し、車窓から見たメルシエはこっちの方向!と
勘を頼りに歩き出す。残された時間は20分。果たして
たどり着けるのだろうか、、、予想以上に延々と続くシャンパーニュ大通り。
ここには人っ子一人歩いていない。「シャンーパーニュに行くんだったら
平日にしなきゃだめだよ。土曜は閉まっているからね」という
代表の言葉が胸にささる。地図ではたった5分で着きそうにみえた
距離は早足で20分ほど。なんでも予想以上に遠かった!!というのが
今回のシャンパーニュ行きの感想でした。車社会なので
電車、徒歩の方はくれぐれも注意が必要です。パリと同じ感覚は通用しません。
待ってても電車もバスもあなたの前には来てくれないのが車社会。
かといってどうやって日本から全部時刻表調べればいいんだよー
というのが私の泣き言です。
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何とか約束の11時前にメルシエにたどりつくと快く
迎えてもらい、見学に行くことに。オーディオガイドは何カ国語か
選べるものの、日本語はなし。この早口の英語のオーディオガイドに
ついていけた人はおそらく2人ほど?そう、オーディオガイドは
英語が話せる外国人のために作られたものではなくて、英語や
その言語を母国語とする人たちのもの。これが瞬時に理解できるというのは
つまりその言語のラジオがすぐに理解できる程度ってこと!
そんなの、、、なかなかできるものではありませんよねえ?
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さて、メルシエは1858年に、ウジェーヌ・メルシエという
当時20才の青年によって設立されたシャンパーニュのメゾン。
メルシエは、伝統的で閉鎖的なシャンパーニュ業界の中で、いかにもっと
シャンパンを多くの人に知ってもらうかを考え、万博で気球に乗って
シャンパンを味わう機会を提供するなど、奇抜なアイデアでシャンパンを
世に広めていったそう。そんな彼がライバル視していたのは同時代に
エッフェル塔をつくったギュスターブ・エッフェルだというのだから
すごい。それゆえか、メルシエの見学も、まず短い映画仕立てのストーリーから
始まって、貯蔵庫に降りる時は、ゆっくりと下って行くエレベーターから
ディズニーランドにやってきたような幻想的なスペクタクルが楽しめました。
貯蔵庫の階に到着すると、これまたディズニーランドのアトラクションに
ありそうなトロッコのような小さな電車が待っています。
ここでの見学は貯蔵庫の中で、オーディオガイドを使って
シャンパンづくりの話をきくというもの。オーディオガイドが
ラジオ並みに早いので、これを片耳で理解しようとしながら
見学をするのは外国人にはなかなか大変。
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ひんやりとした貯蔵庫を30分くらい廻った後は、
Brutという、シャンパーニュをみんなでいただきました。メルシエの
シャンパーニュはあっさりとしていて飲みやすく、クセもあまりないので
様々な料理に合わせやすそうな味でした。やはり多くの人に
飲んでもらいたいという意識の強いメゾンは
いろんなものに合わせやすい味をつくろうとするのでしょう。
ここで追加でテイスティングをしていた人に、ミレジメといって
よい収穫年にとれたブドウだけを使用して作られたシャンパーニュを
ちょっと飲ませてもらいましたが、こちらの方が味にしっかりと
インパクトがあり、シャンパーニュ!という感じがしました。
お土産に買ったロゼ・シャンパーニュはここでは23ユーロ。
とてもお買い得で幸せな気分に浸れる味でした。
さて、シャンパーニュでいい気分になった後はまた駅へ、、、
時間もあるし、のんびり行こうかと思っていたら、酔っ払い気分の人続出。
私たち以外はほとんど人影もない道だったので、男性陣が坂道を
全力で駆け上ったり、陽気で幸せなモードに溢れた
集団になっていました。そうこうするうち、あっという間に
時間もなくなり、お昼はもうケバブか何かにして電車で
食べましょう!と言っていたらどうも間に合う気配がない。。
もう本当に間に合わないよ!と先に駅に着いた人にお店まで呼びに
いってもらってなんとかセーフ。
でもケバブを買えなかった人もいたそうな、、、
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ちなみにシャンパーニュの作り方については
以前のルポタージュがありますのでそちらをご覧下さい。
☆パリカフェツアーの様子はまずこちらから☆