先日、お囃子の会で弾かせて頂いた「吉原雀」。
この曲には少々思い入れがあるのです。
小学校の時に初めてまともに聴いた(正しくは聴き入った)長唄が『伊十郎全集』の「吉原雀」でした。何度も何度もテープを巻き戻し、スピーカーに耳をくっつけるようにして聴き入っていました。聴く度に胸が熱くなったのを覚えています。
手ほどきの師匠から数年が経ち、現在の師匠に変わってからというもの、はやく吉原…をお稽古して頂きたいという一心でお稽古に通いました。(思いの外、その願いは早く叶うことになるのですが…)
そして十数年が経ち、色んな演目がある中で今回、偶然にも吉原を弾かせて頂くことになりました。
師匠が横にいて、お唄、お三味線、お囃子の方々は一流の面々…。
ホールは今まで弾いたどこのホールよりもキレイで良い音、お客様もいっぱいで…。
「あぁ~…しあわせだなぁ~…。」
と思いました。
「邦楽の演奏会なんて初めて!」という人たち。
何十年かぶりにお会いできた恩師の先生。
たくさんのお友達やご家族でお越し頂いたりお手伝いしてくれたお弟子さん方。
母や私が出るからと観に来てくれた親戚や兄弟のお友達。
子供繋がりで来てくれたママ友。
当日、お会いできなかったけど後日、長い長いお手紙を下さった恩師の先生。
小学校時代からのよき同級生たち。
余分な演目にも関わらずイヤな顔をせず付き合って下さったお囃子社中の皆さま。
私のわがままを聞き入れて下さり、とかくすべてにおいて助けて下さる和歌治郎先生。
これまた余分な演目を快諾して下さったお囃子マンの身内の面々。
そして「吉原やったらどう?」と背中を押してくれたお囃子マン。
書ききれないけれど、すべての事や人に…本当に、本当にありがとうございます。
いっぱいいっぱい感謝します。
そして…清掻きのお稽古に付き合ってくれたり、下浚い、当日と本当によく動いてくれた娘。ありがとうね。