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宮部時代劇の集大成

2022年05月31日 08時00分00秒 | 技術:横山

技術:横山です。

 

直木賞を受賞したこともある作家「宮部みゆき」氏の最新単行本「子宝船 きたきた捕物帖(二)」がつい先日(5月26日)発売されました。

宮部氏といえばSF・ファンタジー・ミステリー・時代劇となんでもござれな作家ですが、本作は今までの時代劇の集大成とも言える特別な作品となっています。

内容は大雑把に言うと主人公の北一が周りの人達の協力を得ていろんな事件を解決していくミステリー物なのですが、本作の特徴として過去の宮部作品とのリンクが随所にちりばめられている所にあります。

例えば北一が住むことになる富勘長屋は「桜ほうさら」の主人公古橋笙之介が住んでいたところですし、第3話から登場するもう一人主人公喜多次が「初ものがたり」に登場した稲荷寿司屋の大甥(弟の孫)らしかったり、2巻収録分の第4話、第5話ではそれぞれ「ぼんくら」シリーズから岡っ引きの政五郎やその手下のおでこが登場する等、宮部作品になじみがある人ほど楽しめます。

但し時系列的に「桜ほうさら」からは2年ほどしか経っていない為登場人物には殆ど変化はありませんが、「ぼんくら」からは30年近く経っているらしく子供だったおでこが、40代のおじさんとして衝撃の登場を果たしています。

宮部氏自身は「生涯書き続けたい」と語っており今後も物語が続けば更に色々な人物が出てくるかもしれないのでこれからも注目していきたい作品であります。

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