文書などを含めたすべての参考となる資料や記事をわかりやすく時系列にまとめてみた。(自分のコメントは青文字で区別してある)
札幌市立円山動物園のサイトのトップページに「ウッチーの死亡事故について」のバナーがあり、関連ページにリンクしている。この二つのページをチェックしていればこれからの円からの発表もわかるのではないかと思う。
●円山動物園サイト内のマレーグマ、ウッチーの死亡事故についてのページ↓
http://www.city.sapporo.jp/zoo/malayansunbear.html
●円山動物園サイト内の改善勧告と改善計画書のページ↓
http://www.city.sapporo.jp/zoo/kaizenkeikakusyo.html
●札幌市の発表や報告は札幌市役所のサイトで
http://www.city.sapporo.jp/index.html
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後に「虐待」と認定されたウッチーの必要性もない無理で強引な同居訓練が始まった。
●円山動物園のブログ
いよいよ同居訓練始めました。
http://sapporo.100miles.jp/asiazone/2015/06/21/%E3%81%84%E3%82%88%E3%81%84%E3%82%88%E5%90%8C%E5%B1%85%E8%A8%93%E7%B7%B4%E5%A7%8B%E3%82%81%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F%E3%80%82/
始めたのは6月16日ですから19日というのはまちがいであるし、跛行(肢を引きずること)ほどのケガを「少しのケガ」っていい加減すぎ!
〇6月20日に妊娠能力もない100歳相当のウッチーを「破壊王」とあだ名を付けられていた血気盛んなウメキチと、初めて二頭だけにされた同居訓練の様子が写真付きで詳しく書かれているブログ記事
http://polarbear1.exblog.jp/21891041/
この日以来部屋の隅でじっとしていることが多くなったらしいので、この時に肋骨を折ったのではないかと推定されるが、報告書ではケガに対しては極めてあいまいな説明しかされていない。
〇6月20日の右後肢の跛行の原因にもなった大ケガについては8月21日の北海道新聞夕刊記事新聞記事に見つけることができた。載せてくださっているこのブログ記事には新聞記事がたくさんある。http://www.mytokachi.jp/hottkyoku4/entry/ct/10103/p-1
●円山動物園サイトでのウッチー死亡報告2015.7.25
https://www.city.sapporo.jp/zoo/topics2-803.html#tmp_header
わくわくホリデーアジアゾーンで飼育しておりましたマレーグマのメス「ウッチー」が7月25日未明に死亡しましたので、ここに謹んでお知らせいたします。
28年間、円山動物園でみなさまに愛していただいたことを感謝いたします。
生年月日 不詳(30歳以上)
来 園 日 昭和62年(1987年)7月1日
死亡年月日 平成27年(2015年)7月25日
死 因 現在調査中です。
前の晩の7時に誰もいなくなっているし、解剖結果もまだ出てない状態でなぜ、25日未明に死亡したとわかり、発表したのだろうか?
〇ウッチー、死因はマレーグマ同士の争い
北海道新聞2015.7.29を画像で紹介(追記)
https://twitter.com/kinako4028/status/626158725984710656/photo/1
札幌円山動物園が陳謝2015.7.29 16:05
北海道新聞どうしんウェブの記事をある個人動画で紹介
www.https://youtube.com/watch?v=PCVqTy_Uz10
○マレーグマ:高齢ウッチー死ぬ 繁殖同居中けんか 円山動物園 /北海道
毎日新聞 2015年07月29日 地方版
札幌市円山動物園は28日、絶滅危惧種、マレーグマの雌「ウッチー」(推定30歳以上)が死んだと発表した。死因は腸管ヘルニアで、雄とのけんかが原因の可能性があるという。
同園によると、25日朝、職員が寝室から屋内展示場に出そうとしたところ、死んでいるのを見つけた。解剖の結果、右肋骨(ろっこつ)4本が折れ、骨が胸膜と横隔膜に穴を開けて腸管が出ていた。
同園はウッチーのほかに雄1頭、雌1頭を飼育しており、雄と雌を分けて展示していたが、繁殖のため6月16日から日中の40分〜1時間、3頭を同居させていた。24日は1時間の同居のうち約20分間、ウッチーの上に雄が乗るなどしてけんかしていたという。骨折は最近のものではなかったが、けんかの衝撃でヘルニアになった可能性があるという。
ウッチーをめぐっては、高齢のクマをペアリングさせていたことなどにネット上で批判が集まっている。同園の柴田千賀子飼育展示課長は「クマは繁殖を進める上でけんかになることがある。ツメが鋭く、少しのけんかでも傷ができてしまう場合があるが、ペアリングするには必要な過程だった。このような結果になったのは残念」と説明している。
http://mainichi.jp/area/hokkaido/news/20150729ddlk01040219000c.html
(そのうちリンク切れに)
オスが発情したメスの首などを乱暴に咬みんだりしながら交尾することはいろいろな動物で観察されることだが、殺したりするほどの乱暴はしないものである。その乱暴な行為と今回のウッチーへの攻撃とをこじつけようとしているかのような発言だ。
この時、驚くべきことに事故直後のマスコミへのコメントで、ウッチーとウメキチとの繁殖を目的に同居させていたと認める発言もしている。表向きは繁殖過程で起きる乱闘による事故のせいにしようというシナリオはこの時点で出来上がっていたということだろう。事件が起きる前から飼育員も「ダメモトでウッチーの赤ちゃんを期待している」などと不信に思う常連客に答えさせていたことからもわかる。
しかし、超高齢熊ウッチーとウメキチとのペアリング(繁殖)をしていたなどとよく言えたものだと感心する。普通ならありえないこと過ぎて途中で恥ずかしくなったのかこれ以降、ウッチーとウメキチのペアリングについては言わなくなったようだ。
〇円山動物園・マレーグマの死 秋元札幌市長が陳謝 07/31 08:59 北海道新聞どうしんウェブ
札幌市の秋元克広市長は30日の定例記者会見で、市円山動物園の
マレーグマの雌ウッチーが同居していた雄に攻撃されて死んだことを
受け、「多くの市民に悲しい思いをさせてしまったことについて、おわびを
申し上げなければならない」と陳謝した。
ウッチーは6月にも同じ雄に攻撃されて脚を負傷し、動物園も同居の
中止を検討していたが、今月25日朝に死んだことが確認された。
ウッチーが攻撃されている映像がインターネット上で流れており、
秋元市長も28日に見たという。
同市長は「襲われているという正直な感じを受けた。その時の対応として
何かできなかったのかという思いはある」と述べ、動物園の判断などを
検証する考えを示した。
●レーグマのメス「ウッチー」の死亡原因と経緯について(円山動物園のサイトで発表)2015.8.10
https://www.city.sapporo.jp/zoo/topics2-804.html
平成27年7月25日(土)、マレーグマのメス(ウッチー)が死亡いたしました。
(下の方では25日死亡を確認したと二度も書いているのに、ここでは25日死亡と断定しているがどういうことなのだろう。死亡した日がわからないなら不明、もしくは24日夜か25日未明と書かないのはなぜ?)
この死因と原因、経緯等についてご報告いたします。
<経緯>
1 死亡について
7月25日(土)朝、飼育員が屋内展示場に出そうとしたところ、マレーグマ(ウッチー)がバックヤードの個室にて死亡しているのを確認しました。
2 円山動物園における飼育個体について
ウメキチ(オス) 2009年10月11日生、5歳
ウッチー(メス) 1985年以前生まれ、推定30歳以上 (今回の死亡個体)
ハッピイ(メス) 2006年10月3日生まれ、8歳
3 死因・原因について
死因:腸管ヘルニア(7月24日発生(推定))
解剖の結果、右わき腹の肋骨(第12~15番目)が骨折しており、直接の死因は「折れた骨折部断端の胸膜・横隔膜への穿孔による、腸管の胸部への脱出(ヘルニア)」であることが分かりました。
骨折については、骨折部周囲の出血が少ないことから、ここ数日の間に折れたものではありませんでしたが、ヘルニアについては、24日に発生したものと推定されます。
骨折については、過去のクマ同士の闘争によって生じた可能性もありますが、高い所から落下したことによることも否定できませんでした。
ヘルニアについては、24日のクマ同士の闘争によって生じた可能性があります。
4 同居および闘争の経過について
ウメキチの性成熟に伴い繁殖を進めるため、今年度よりウメキチとメスたちの同居を進めることとしました。
同居にあたっては、最終的には3頭を同居させ、お互いに慣れることにより、ウメキチがメスたちに対して落ち着いた行動がとれることが望ましいと考えました。
下記のとおり、マレーグマ3頭について、これまで複数回同居訓練を行っていたところですが、同居に慣れていないため闘争も確認していたところです。それに伴い、ウッチーもウメキチから外傷を受け、前日までに右眼下の裂傷、擦過傷および右後肢の咬傷等を確認しており、消炎剤、抗生剤の投与を行っておりました。
なお、同居に当たっては職員が観察をしながら進めておりました。
5 今後について
残されたウメキチとハッピイのペアリングは、しっかりと時間をかけて進めるなどし、慎重な繁殖と種の保存に努めてまいります。
ウッチーをこのような形で失う結果となり、皆様には深くお詫びいたします。設置しました献花台には、連日たくさんのお客様からお花などをいただき、心よりお礼申し上げます。
【同居の経過】(これはわかりにくい報告書と同じ表ですね。)
6/16
3頭同居を実施(40分間)。前半30分はじゃれていたが、その後、ウメキチがハッピイから咬まれ逃げたため、同居中止。なお、扉を開放し屋内・屋外共に出入り自由にしていた。
6/19,20,21,22,23,26,27,28,7/3,4,5
ウメキチとメスいずれかとの「2頭同居」を実施(約1時間)。
うち、ウメキチとウッチーの同居は6月20日、26日。6月20日は同居時間中に数分間闘争があり、26日は同居時間中の前半に数分間闘争があったが、後半はなかった。両日を除く日は、ウメキチとハッピイとの同居を実施。
7/6
3頭同居を実施(約1時間)。ウメキチとウッチーが闘争、その後ウメキチとハッピイとが闘争しそうになりウメキチが逃げた。なお、扉を開放し屋内・屋外共に出入り自由にしていた。
7/11,12,13,14,17,18,20,21
ウメキチとハッピイを同居
7/24
3頭同居を実施(約1時間)。ウメキチはウッチーと闘争(約20分間)。なお、扉を開放し屋内・屋外共に出入り自由にしていた。
7/25
朝、ウッチーの死亡確認
○立ち入り検査について
北海道新聞08/05 07:00
札幌市円山動物園でマレーグマの雌のウッチー(推定30歳以上)が死んでいるのが7月25日に確認され、若い雄に攻撃されたことが原因と判明したことを受け、市は4日、動物愛護管理法に基づき、円山動物園を立ち入り検査した。
飼育動物の死に関連して、同園に立ち入り検査が入るのは初めて。同園の対応に問題がなかったか、市は今後さらに調べる。
立ち入り検査は市動物管理センターの向井猛所長ら3人が実施した。クマ同士の争いがあった場所や、当時の職員の対応などを調査。雄と雌の同居訓練を担当していた職員数人から聞き取りも行い、同園に事故報告書を提出するよう求めた。
向井所長は「(ウッチーは)高齢で、6月の同居訓練の時点でもけがをしていた。死ぬのを防げなかったかも検証する」と説明。管理体制が適切だったかを調べ、改善指導するかなどを検討する。
●事故報告書(円山動物園)2015.8.10
https://www.city.sapporo.jp/zoo/documents/jikohoukokusyo.pdf
「マレーグマ「ウッチー」の死亡日時について
平成27年7月25日(土)朝9:00過ぎ、担当飼育員がマレーグマ「ウッチー」を屋内展示場に出そうとしたところ、バックヤードの寝室にて死亡しているのを確認しました。」
「死亡しているのを確認しました。」とあり、
死亡日については書かれてなく、これまでした二つの発表と違っているのはなぜか?(その他の報告書に関する疑問点については他ページ参照のこと)
●札幌の円山動物園で人気者だったマレーグマが先月死にました。その原因が、ほかのクマとの度重なるけんかを動物園側が「問題ない」と判断したためだったことが分かりました。円山動物園の田中俊成園長は、10日、マレーグマの「ウッチー」が死んだ経緯について、札幌市に報告書を提出しました。報告書によりますと、「ウッチー」は、推定30歳以上の高齢のメスのマレーグマで、6月から数回にわたり、ペアリングのため、オスのマレーグマと同居していました。しかし、その間、オスと何度も組み合ってけんかをして、先月25日、けんかによる傷がもとで死んだ可能性が高いとみられています。これについて、動物園側は、クマ同士のけんかはよくみられる現象のため、ウッチーの死亡が確認された前日も、飼育員が放水するなどして止めに入らかったということです。円山動物園は、飼育員による監視体制を見直し、再発防止に努めるとしています。
8月10日(月)19時28分
テレビのニュース動画↓(2012年ごろのかわいいウッチーが映っている、そのうちリンク切れるかも)
http://www.dailymotion.com/video/x3193ls
●質問回答書1(円山動物園)21015.8.10
https://www.city.sapporo.jp/zoo/documents/shitsumongoikenkaitousyo.pdf
〇死亡直後NHKの取材に対して「じゃれてるのか攻撃してるのか判断できなかった。」と答えていたニュースをどこかで読んで唖然としてしまった。さすがに動画の存在がわかってからはそんな幼稚園みたいなことは言えないと思ったのか、報告書にもどこにもそんな言葉は見当たらなくなった。証拠としてあげられるのはこのブログ記事しかなかったが、証明力は十分あると思う。ここのウッチー関連の記事は必読もの。
http://polarbear1.exblog.jp/d2015-08-10/
●動物管理センターの立ち入り検査結果/改善勧告書(秋元市長)2015.8.21
http://www.city.sapporo.jp/inuneko/main/documents/kaizenkankoku.pdf
●立ち入り検査後発表した文書/動物管理センターの対応について(動物管理センター)2015.8.21
http://www.city.sapporo.jp/somu/koho/hodo/201508/documents/mareguma-kaizenkankoku.pdf
〇「ネグレクト型の虐待」札幌市センターが円山動物園に勧告 マレーグマ問題
08/21 16:00、08/22 01:48 更新
北海道新聞どうしんウェブ
札幌市円山動物園でマレーグマの雌ウッチー(推定30歳以上)が同居訓練中、若い雄に襲われて死んだ問題で、同市動物管理センターは21日、繁殖を含む管理体制など組織全般に問題があるとして同園に対し、動物愛護管理法に基づく改善勧告を行った。同センターはその後の記者会見で「ネグレクト(放置)型の動物虐待だ」と指摘した。
日本動物園水族館協会(東京)によると、公立の動物園に対する改善勧告は「極めて異例」という。
同センターの向井猛所長が同日、同園の柴田千賀子飼育展示課長に勧告書を手渡した。勧告は同園が行った3頭による同居訓練の成功例が他になかったことや、約20分間にわたる雄の攻撃中も放水などの中止措置を行わなかったことを指摘。「過度な動物間の闘争を避ける」「必要な診療を受けさせる」といった、同法が定める基準7項目を満たしていないとした。
その上で、《1》同園の動物全ての管理体制の見直しと、必要な人員確保やマニュアルの整備《2》全職員対象に適正飼育を理解させる教育―などを行い、改善計画を今月28日まで、改善結果を9月30日までにセンターに報告するよう求めた。
訓練は雄ウメキチ(5歳)と雌ハッピイ(8歳)の繁殖を進めるため、ウッチーを「仲介役」に6月16日から5回実施。ウメキチのウッチーへの攻撃は7月24日まで続き、翌25日にウッチーが死んでいるのが見つかった。5回のうち3回は飼育員や獣医師ら2人が立ち会ったが、7月6日と24日は飼育員1人だった。
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/society/society/1-0170660-s.html
○日本経済新聞
札幌・円山動物園に改善勧告 負傷マレーグマの保護怠る
2015/8/22 11:45
札幌市円山動物園で飼育されていたマレーグマが負傷した後に死に、市は22日までに、適切な保護を怠ったとして、動物愛護管理法に基づき、園に改善するよう勧告した。市によると、こうした勧告が動物園に出されるのは珍しいという。
同法は負傷した愛護動物の適切な保護を怠るなどした場合、100万円以下の罰金を規定。市は北海道警にも情報提供しているという。
死んだマレーグマは推定30歳以上の雌「ウッチー」。園では1987年から飼育していたが、7月25日に死んでいるのが見つかった。同じ放飼場にいた若い雄に攻撃され、折れたあばら骨で内臓が傷ついたのが死因とみられる。当時、この若い雄を含む2頭と同居する訓練中だった。
調査した市動物管理センターは(1)獣医師や飼育員の観察が不十分で、動物同士の過度な闘争を防ぐ措置を講じていなかった(2)高齢でけがをしたウッチーに十分な治療を行っていなかった――などの点が法令違反に当たる可能性があると判断した。
勧告では、全ての動物の管理体制を見直して必要な人員を確保するとともに、法令に適合するよう必要なマニュアル類を整備するよう求めた。立案した改善計画や結果の報告も求めている。〔共同〕
〇円山動物園:「マレーグマ死んだのは管理不備」札幌市勧告
毎日新聞 2015年08月21日 22時16分
札幌市円山動物園で絶滅危惧種のマレーグマが死んだ問題で、市動物管理センターは21日、「管理体制に不備があった」として、同園に対し、動物愛護管理法に基づく改善勧告を行った。園は28日までに改善計画を策定・提出し、9月30日までに改善計画の実施状況を報告しなければならない。市によると、動物園への勧告は全国でも極めて異例だという。
この問題では、オスのウメキチ(5歳)とメスのハッピイ(8歳)の繁殖のため、仲介役としてメスのウッチー(推定30歳以上)を同居訓練させた際、ウメキチがウッチーを攻撃し、ウッチーが7月25日、内臓損傷などで死んでいるのが見つかった。
同センターによると、訓練は6月16日〜7月24日の間、計5回にわたって実施。獣医師の立ち会いがなくなった2回目以降、ウッチーが攻撃され、けがをしているにもかかわらず、同園は訓練を継続。けんかしているクマを引き離す「放水ホース」を使用せず、訓練中止の基準も定めていなかった。
勧告では「組織として飼育動物の管理体制に不備があった」と指摘した上で、同園に▽必要人員の確保やマニュアルの整備▽職員への教育▽新規計画中の施設や既存施設の総点検−−をするよう求めた。
動物愛護管理法は負傷した動物の適切な保護を怠るなどした場合、100万円以下の罰金を科すことが定められており、市は北海道警にも情報提供したという。【今井美津子】
◇動物愛護管理法
正式名称は「動物の愛護および管理に関する法律」。1973年、議員立法で「動物の保護および管理に関する法律」として制定され、99年に改称された。動物虐待の禁止などを定めており、都道府県や政令市は必要に応じて動物取扱業者に立ち入り検査し、改善勧告や命令をすることができ、悪質な場合は業務停止も命令できる。
○体制、抜本見直しへ 円山動物園マレーグマ問題 組織的な意思決定なく
08/22 15:00 北海道新聞どうしんウェブ
札幌市円山動物園のマレーグマの雌ウッチー(推定30歳以上)が死んだ問題で21日、市動物管理センターから出された改善勧告は、同園の組織全体に対し、飼育管理体制の不備を指摘する厳しい内容となった。同園は10月にアフリカゾーンのオープン、2018年秋に11年ぶりのアジアゾウ導入を控えるが、職員の配置や連絡体制について、抜本的見直しを迫られそうだ。
「組織として意思の疎通ができていなかった。普段と違うことがあった場合、相談する体制も取れていなかった」。同園の田中俊成園長は勧告を受けた21日、神妙な面持ちで語った。
勧告文書によると、同居訓練は若い雄のウメキチ(5歳)と雌ハッピイ(8歳)がスムーズに繁殖できるよう、ウッチーを「仲介役」とし、6月16日から2、3頭で計5回実施。ただ、3頭の同居訓練は他に成功例が確認されておらず、獣医師の立ち会いも初回だけ。4、5回目は担当飼育員1人だけだった。ウメキチによるウッチーへの攻撃が続いていたが、中止措置は取られず、7月25日にウッチーの死亡が確認された。
同センターは「過度な動物間の闘争を避ける」「負傷した動物の適切な保護を行わないことは、動物の虐待となる恐れがあることを十分認識すること」など、同法の基準を満たさない行為が7項目に及んだと認定。「訓練全体を通じ、意思決定が組織として行われていなかった」と断じ、園内全体の管理体制見直しと必要な人員の配置、マニュアルの整備などを勧告した。
勧告を受け、同園では今後、マレーグマに限らず、動物同士が争う可能性がある同居訓練の際には、獣医師を含む複数の職員を配置する方針。また、繁殖を目指す動物や、高齢で注意が必要な動物の監視も手厚くする。動物が負傷した際の対応も、マニュアル化していくという。
新施設「アフリカゾーン」の10月のオープンに向けても、キリンやカバの園内での移動作業に飼育員らが集中できるよう、9月14~18日の5日間、閉園時刻を4時間繰り上げ、午後1時にすることを決めた。ただ、勧告に対応するため、同園の飼育員26人、獣医師3人を増員するかどうかは決まっていない。
同園は改善結果を9月30日までに同センターに示す必要がある。今回の問題で同園には8月20日までに、市民らの苦情が電話や電子メールで約1700件寄せられ、同園が市民の信頼を回復するのは容易ではない。厳しい対応に踏み切った同センターの向井猛所長は「勧告は円山の体制を立て直すことを主眼に置いている」と強調した。
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/area/sapporo/1-0170981.html
〇同居訓練のマレーグマの死、動物園職員を処分へ
2015年08月22日 13時52分 読売新聞13:52
札幌市円山動物園で飼育していた高齢のマレーグマが死んだ問題で、市は21日、動物愛護法で定める動物の健康と安全の保持に違反があったとして、同法に基づいて管理体制の見直しなどを求める改善勧告を動物園に行った。
行政指導としては重い勧告を動物園が受けるのは極めて異例で、市は関係した動物園職員を月内にも処分する方針だ。
死んだ雌グマの「ウッチー」は推定30歳以上で、5歳の雄と同居訓練を行っていた際に争いになり、折れていたあばら骨が内臓損傷を引き起こしたとされる。
調査を担当した市動物管理センターは、ウッチーが死んだ原因について、動物園が〈1〉同居訓練を安全に行うために必要な飼育員や獣医師を配置していなかった〈2〉争いが発生した場合の中止基準を設けていなかった――などと指摘した。
9月15日現在いまだに関係職員の処分はない。
●改善計画書(円山動物園)2015.8.28
https://www.city.sapporo.jp/zoo/documents/kaizen-keikaku.pdf
●質問回答書2(円山動物園)2015.8.28
https://www.city.sapporo.jp/zoo/documents/kaito-2.pdf
●改善計画書補足(円山動物園)2015.9.11
https://www.city.sapporo.jp/zoo/documents/kaisetsuhosoku.pdf
●English英語の改善計画書2015.9.11
https://www.city.sapporo.jp/zoo/documents/kaizenkeikakusyoenglish.pdf
●English英語の改善勧告書2015.9.11
https://www.city.sapporo.jp/zoo/documents/kaizenkannkokusyo.pdf
〇円山動物園の死亡メスマレーグマは「見殺し」 「オスの暴行場面」動画で園への批判も
YAHOO!ニュースJ-CASTニュース 9月1日(火)18時58分配信
札幌市の円山動物園で、2015年5月から絶滅危惧種のコツメカワウソ、マレーグマ、グラントシマウマが死んだ。人気者の動物たちの相次ぐ死に、札幌市は改善戒告を出した。園が改善計画を提出した2日後の15年8月30日に、今度は園のシンボル的存在だったマサイキリンが急死した。ネットでは全て園側の管理運営の悪さから起こったものだとして「連続殺獣事件」などと批判が噴出している。
「市民を喜ばせようとしたチャレンジ精神が裏目に出た」
動物たちの死因は以下の通りだ。15年5月3日に死んだコツメカワウソのオス(9か月)は水槽の取水口に足を吸い込まれて窒息死した。来園者が溺れているのを見つけ獣医が駆け付けたが間に合わなかった。7月25日はメスのマレーグマ(推定30歳以上)がオスのマレーグマから襲われたことが原因で死亡した。8月23日はグラントシマウマの雄(6歳)が10月オープン予定の新施設「アフリカゾーン」への輸送中に死亡した。原因はストレスで、肺に水がたまる肺水腫になったとされている。
札幌市は円山動物園に対し、8月21日にマレーグマの死亡事案に係る改善勧告を行い、園は28日に飼育マニュアルの見直しや獣医を1人増やして4人態勢にするといった改善計画書を提出した。2日後の30日に、メスのマサイキリン(11歳)が胃の内容物が気道に入る誤嚥(ごえん)によって死んでしまった。
どうしてこうも動物たちが立て続けに死んでいくのか。15年9月1日の朝の情報番組ではこうした謎についての特集を組んだ。フジテレビ系「とくダネ!」のキャスター・小倉智昭さんは、「動物には死が付き物だから、立て続けに来ちゃうのもあるのかもしれない」
と語った。同番組のコメンテーターを務める国際ジャーナリストの竹田圭吾さんもたまたま時期が集中した可能性もあり、他の国の傾向と比較して考える必要がある、としたうえで、「これだけ閉鎖性の強いところで飼っていること自体がそもそもストレスを全体に与えている。自治体の問題や園の問題だけでなく、見に行く私たちの問題と捕らえないとなかなか問題は解決しない」と指摘した。
番組では田中俊成園長がインタビューに応じ、「飼育方法に問題は無かったのか?」という質問に対し、「入園者数を増やすのは二の次で、動物の安全と、本当にお客様に楽しんでもらえるような動物園にしなければならない」とだけ答えていた。
テレビ朝日の「モーニングバード」では動物研究家のパンク町田さんがコメントを寄せ、一連の動物死亡について、コツメカワウソの場合は、取水口の穴が大きい「設計上のミス」だとした。グラントシマウマは「ストレスへの配慮不足」、マレーグマとマサイキリンは「自然界でもあること」だとした。そして、「円山動物園はトップクラスの飼育技術を持つが、市民を喜ばせようと様々な工夫をしようとしたチャレンジ精神が裏目に出た」とパンク町田さんは同情していた。画像→http://i.imgur.com/ppwGt8A.png
司会やコメンテーターの方たちはあの動画を見てコメントしているとは思えないので、資料として見せてない可能性が大きいと思う。
「閉園してちゃんとした動物園へ動物達を移住させろ」
一方、ネットでは飼育方法のいいかげんさと杜撰さ、「動物虐待」とも取れるようなやり方が存在し、全て円山動物園が悪いという偏った意見がもっぱらだ。というのも、マレーグマの「ウッチー」が5歳のオスに襲われる様子が「ユーチューブ」にアップされていて、これがきっかけで札幌市が改善戒告を出すことになったからだ。「ウッチー」は5歳のオスと3歳のメスの繁殖の補助役として同居させられ、これまでも5歳のオスから暴行を受けているのを目撃されていた。「ウッチー」は繁殖能力が無くなっていて、高齢だから静かに暮らさせてあげてほしいし、可愛そうだと園に申し入れても大丈夫だという返事しか返ってこなかった、などとネットで報告されていた。
ネットに出回っている動画は死亡する前日のものだそうで、「ウッチー」の皮膚は裂け、血を流し、立ち上がることもできなくなっている様子が映っている。その「ウッチ―」が助けてほしいと言わんばかりに見ている目線のすぐ先に、壁の四角い穴からその様子を無表情に見ている飼育員らしき顔がある。「ウッチ―」はろっ骨が4本折れてその肋骨が胸膜と横隔膜に突き刺さっていたという報告があがり、ネット上では「これは公開虐殺だ」「見殺し犯は誰だ!」などといった怒りの声が出た。今回もネットでは、「連続殺動物事件!」「これは事件やろ」「連続殺獣事件」「動物の扱いをぞんざいにしてる本末転倒な結果ばかりなら閉園してちゃんとした動物園へ動物達を移住させろ」「動物のこと何とも思ってないやつらが飼育員をしている。動物達が不憫でならないよ」「暫く閉鎖して動物の健康管理と職員の教育と管理体制を見直すべき」などといったことが掲示板などに書き込まれている。
ネットの情報は実際にその場にいた人たちの証言や書き込みがブログなどを通して知ることができて、貴重な情報源だ。とはいえ、珠玉混合なので注意しながら収集する必要がある。このブログの記事は信ぴょう性のある複数人の同じ証言や意見の記事を参考にして、自分の考えをまとめた結果を書くようにしている。
〇NHKほっとニュース2015.9.8
円山動物園・人事交流制度の見直し
https://www.youtube.com/watch?v=SJnuPgcIbZ8
とりあえずこれくらいしか探せなかったが特に円山動物園の提出した「事故報告書」と「立ち入り検査後発表した文書/動物管理センターの対応について」(動物管理センター)を読み比べるといろいろ興味深いことがわかってくると思う。
〇記者の目:動物死相次いだ札幌・円山動物園=山下智恵(北海道報道部)
毎日新聞 2015年09月25日 東京朝刊
写真入り記事のURL(そのうちリンク切れになる可能性あり)
http://mainichi.jp/shimen/news/20150925ddm005070011000c.html
◇専門職員育て再生を
札幌市円山(まるやま)動物園で今夏、飼育動物が相次いで死ぬ問題が起きた。全国から批判の声があがり、市の別の機関が立ち入り検査に入り、10月に予定されていた新施設「アフリカゾーン」の全面開業が来年夏に延期されるなど異例の事態となっている。
最初に死んだのはマレーグマの雌「ウッチー」(推定30歳以上)だった。若いペアの繁殖を促すため、「仲介役」として3頭で同居に慣れる訓練をしていたさなか、5歳の雄との間で約20分に及ぶけんかが起き、翌7月25日、死んでいるのが確認された。
死因は、折れた肋骨(ろっこつ)が横隔膜に穴を開けたことによる腸管ヘルニア。5歳の雄が執拗(しつよう)にウッチーを攻撃する様子が来園者によって撮影され、動画がインターネット上に拡散すると、「なぜ引き離さなかったのか」などといった批判が殺到した。
◇「放置型虐待」市が改善勧告
こうした世論を背景に、市動物管理センターは円山動物園に対し動物愛護管理法に基づく立ち入り検査を行った。同園は、けんかがあった際、飼育員は1人で担当しており的確な判断を行えなかったとし、事故報告書で「獣医師の立ち会いがあれば防ぐことができた可能性があった」と言及した。同センターは、激しいけんかが起きた場合の対策が講じられていなかったなどとして「管理体制に不備があった」とする改善勧告を行い、「ネグレクト(放置)型の動物虐待」と指摘した。
勧告から2日後の8月23日、アフリカゾーンへの移動作業中にグラントシマウマの雄「飛馬(ひゅうま)」(6歳)がストレスによる肺水腫で死に、さらに1週間後の同30日、マサイキリンの雌「ナナコ」(11歳)が誤嚥(ごえん)により窒息死した。円山動物園はシマウマとキリンの死に過失はなかったとしているが、動物の新施設への移動方法を再検討する必要があるとして、10月に予定していたアフリカゾーンの全面開業を先送りした。
◇拡大路線の一方、組織改革後手に
円山動物園は1990年代にレジャーの多様化などで来園者数が低迷。一方で、同じ北海道内の公立動物園である旭川市旭山動物園が動物の生態を生かした行動展示で全国的な人気を博し、2001年度に来園者数で追い抜かれると比較されるようになった。
05年には、動物の餌として寄付されたコメを職員が自宅に持ち帰る不祥事が発覚。この問題に伴って市監査委員による行政監査が行われ、展示方法が旧態依然としているほか、施設の老朽化に対する整備計画が不十分などと指摘された。これを受け円山動物園は07年に基本構想を策定。展示施設の整備・拡充などの改革に着手し、「拡大路線」へ突き進む。遊園地を廃止してアジアゾーンを新設したり、夜間開園を行ったりして、05年度に50万人を割っていた来園者数が13年度には100万人近くにまで回復した。
その一方、組織改革は後手に回った。09〜11年度に園長を務めた市の酒井裕司・みどり環境担当局長は「園長は事務職。3人いる獣医師は数年で異動する。専従者がおらず、動物の飼育に関するノウハウの蓄積・継承が不十分だった」と振り返る。
飼育員は業務職員として清掃や学校事務などの職場と一括して高校卒業者が採用される。飼育員を目指して専門学校で学んだ人には門戸が開かれていない。動物管理の専門家は「飼育を志す人材は動物への愛情が違う。専門職の導入が望まれる」と指摘する。
円山動物園は改善計画で人材の確保・育成について、外部識者の意見を聞いて検討を進めるとし、秋元克広市長は今月8日の定例記者会見で「専門性を組織として蓄積できていたのか。専門学校を卒業した職員を採用するなど、人的体制の強化を検討したい」と述べた。
日本動物園水族館協会によると、円山動物園の哺乳類の年間死亡率は11・7%(14年度)で、他の動物園と比べとりわけ高いわけではない。自治体が運営する動物園では専従職員がいないケースも珍しくない。ただ近年、動物園はレジャー施設であると同時に、希少生物の繁殖保存を図る役割や環境教育を担うことが重視されている。施設の充実を図り入場者数を増やすことも大事だが、同時に職員の専門性を高めることが不可欠だ。
円山動物園は前者に偏りすぎていた。動物たちの死は、そのことに警鐘を鳴らしてくれたのではないか。同園はホッキョクグマの繁殖では全国屈指の実績を誇る。動物たちがいきいきと暮らせる環境づくりを進め、訪れた人が楽しめる動物園に一日も早く再生してほしい。
●マレーグマ「ウッチー」死亡事案に係る改善結果報告について(円山動物園)2015.9.30
https://www.city.sapporo.jp/somu/koho/hodo/201509/documents/kaizenhoukoku.pdf
外部アドバイザーの発表、施設点検と修理、飼育マニュアル、動物愛護の勉強会、チェックリストなど改善したことやこれからの取り組みについて詳しく書かれている。傍聴人数とその発言に制限をかけた市民動物会議については全くの改悪だと言える。
とりあえず、参考資料としては9月いっぱいでしめることにして更新はせず、10月からは個々のブログ記事として紹介していくことにした。
札幌市立円山動物園のサイトのトップページに「ウッチーの死亡事故について」のバナーがあり、関連ページにリンクしている。この二つのページをチェックしていればこれからの円からの発表もわかるのではないかと思う。
●円山動物園サイト内のマレーグマ、ウッチーの死亡事故についてのページ↓
http://www.city.sapporo.jp/zoo/malayansunbear.html
●円山動物園サイト内の改善勧告と改善計画書のページ↓
http://www.city.sapporo.jp/zoo/kaizenkeikakusyo.html
●札幌市の発表や報告は札幌市役所のサイトで
http://www.city.sapporo.jp/index.html
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後に「虐待」と認定されたウッチーの必要性もない無理で強引な同居訓練が始まった。
●円山動物園のブログ
いよいよ同居訓練始めました。
http://sapporo.100miles.jp/asiazone/2015/06/21/%E3%81%84%E3%82%88%E3%81%84%E3%82%88%E5%90%8C%E5%B1%85%E8%A8%93%E7%B7%B4%E5%A7%8B%E3%82%81%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F%E3%80%82/
始めたのは6月16日ですから19日というのはまちがいであるし、跛行(肢を引きずること)ほどのケガを「少しのケガ」っていい加減すぎ!
〇6月20日に妊娠能力もない100歳相当のウッチーを「破壊王」とあだ名を付けられていた血気盛んなウメキチと、初めて二頭だけにされた同居訓練の様子が写真付きで詳しく書かれているブログ記事
http://polarbear1.exblog.jp/21891041/
この日以来部屋の隅でじっとしていることが多くなったらしいので、この時に肋骨を折ったのではないかと推定されるが、報告書ではケガに対しては極めてあいまいな説明しかされていない。
〇6月20日の右後肢の跛行の原因にもなった大ケガについては8月21日の北海道新聞夕刊記事新聞記事に見つけることができた。載せてくださっているこのブログ記事には新聞記事がたくさんある。http://www.mytokachi.jp/hottkyoku4/entry/ct/10103/p-1
●円山動物園サイトでのウッチー死亡報告2015.7.25
https://www.city.sapporo.jp/zoo/topics2-803.html#tmp_header
わくわくホリデーアジアゾーンで飼育しておりましたマレーグマのメス「ウッチー」が7月25日未明に死亡しましたので、ここに謹んでお知らせいたします。
28年間、円山動物園でみなさまに愛していただいたことを感謝いたします。
生年月日 不詳(30歳以上)
来 園 日 昭和62年(1987年)7月1日
死亡年月日 平成27年(2015年)7月25日
死 因 現在調査中です。
前の晩の7時に誰もいなくなっているし、解剖結果もまだ出てない状態でなぜ、25日未明に死亡したとわかり、発表したのだろうか?
〇ウッチー、死因はマレーグマ同士の争い
北海道新聞2015.7.29を画像で紹介(追記)
https://twitter.com/kinako4028/status/626158725984710656/photo/1
札幌円山動物園が陳謝2015.7.29 16:05
北海道新聞どうしんウェブの記事をある個人動画で紹介
www.https://youtube.com/watch?v=PCVqTy_Uz10
○マレーグマ:高齢ウッチー死ぬ 繁殖同居中けんか 円山動物園 /北海道
毎日新聞 2015年07月29日 地方版
札幌市円山動物園は28日、絶滅危惧種、マレーグマの雌「ウッチー」(推定30歳以上)が死んだと発表した。死因は腸管ヘルニアで、雄とのけんかが原因の可能性があるという。
同園によると、25日朝、職員が寝室から屋内展示場に出そうとしたところ、死んでいるのを見つけた。解剖の結果、右肋骨(ろっこつ)4本が折れ、骨が胸膜と横隔膜に穴を開けて腸管が出ていた。
同園はウッチーのほかに雄1頭、雌1頭を飼育しており、雄と雌を分けて展示していたが、繁殖のため6月16日から日中の40分〜1時間、3頭を同居させていた。24日は1時間の同居のうち約20分間、ウッチーの上に雄が乗るなどしてけんかしていたという。骨折は最近のものではなかったが、けんかの衝撃でヘルニアになった可能性があるという。
ウッチーをめぐっては、高齢のクマをペアリングさせていたことなどにネット上で批判が集まっている。同園の柴田千賀子飼育展示課長は「クマは繁殖を進める上でけんかになることがある。ツメが鋭く、少しのけんかでも傷ができてしまう場合があるが、ペアリングするには必要な過程だった。このような結果になったのは残念」と説明している。
http://mainichi.jp/area/hokkaido/news/20150729ddlk01040219000c.html
(そのうちリンク切れに)
オスが発情したメスの首などを乱暴に咬みんだりしながら交尾することはいろいろな動物で観察されることだが、殺したりするほどの乱暴はしないものである。その乱暴な行為と今回のウッチーへの攻撃とをこじつけようとしているかのような発言だ。
この時、驚くべきことに事故直後のマスコミへのコメントで、ウッチーとウメキチとの繁殖を目的に同居させていたと認める発言もしている。表向きは繁殖過程で起きる乱闘による事故のせいにしようというシナリオはこの時点で出来上がっていたということだろう。事件が起きる前から飼育員も「ダメモトでウッチーの赤ちゃんを期待している」などと不信に思う常連客に答えさせていたことからもわかる。
しかし、超高齢熊ウッチーとウメキチとのペアリング(繁殖)をしていたなどとよく言えたものだと感心する。普通ならありえないこと過ぎて途中で恥ずかしくなったのかこれ以降、ウッチーとウメキチのペアリングについては言わなくなったようだ。
〇円山動物園・マレーグマの死 秋元札幌市長が陳謝 07/31 08:59 北海道新聞どうしんウェブ
札幌市の秋元克広市長は30日の定例記者会見で、市円山動物園の
マレーグマの雌ウッチーが同居していた雄に攻撃されて死んだことを
受け、「多くの市民に悲しい思いをさせてしまったことについて、おわびを
申し上げなければならない」と陳謝した。
ウッチーは6月にも同じ雄に攻撃されて脚を負傷し、動物園も同居の
中止を検討していたが、今月25日朝に死んだことが確認された。
ウッチーが攻撃されている映像がインターネット上で流れており、
秋元市長も28日に見たという。
同市長は「襲われているという正直な感じを受けた。その時の対応として
何かできなかったのかという思いはある」と述べ、動物園の判断などを
検証する考えを示した。
●レーグマのメス「ウッチー」の死亡原因と経緯について(円山動物園のサイトで発表)2015.8.10
https://www.city.sapporo.jp/zoo/topics2-804.html
平成27年7月25日(土)、マレーグマのメス(ウッチー)が死亡いたしました。
(下の方では25日死亡を確認したと二度も書いているのに、ここでは25日死亡と断定しているがどういうことなのだろう。死亡した日がわからないなら不明、もしくは24日夜か25日未明と書かないのはなぜ?)
この死因と原因、経緯等についてご報告いたします。
<経緯>
1 死亡について
7月25日(土)朝、飼育員が屋内展示場に出そうとしたところ、マレーグマ(ウッチー)がバックヤードの個室にて死亡しているのを確認しました。
2 円山動物園における飼育個体について
ウメキチ(オス) 2009年10月11日生、5歳
ウッチー(メス) 1985年以前生まれ、推定30歳以上 (今回の死亡個体)
ハッピイ(メス) 2006年10月3日生まれ、8歳
3 死因・原因について
死因:腸管ヘルニア(7月24日発生(推定))
解剖の結果、右わき腹の肋骨(第12~15番目)が骨折しており、直接の死因は「折れた骨折部断端の胸膜・横隔膜への穿孔による、腸管の胸部への脱出(ヘルニア)」であることが分かりました。
骨折については、骨折部周囲の出血が少ないことから、ここ数日の間に折れたものではありませんでしたが、ヘルニアについては、24日に発生したものと推定されます。
骨折については、過去のクマ同士の闘争によって生じた可能性もありますが、高い所から落下したことによることも否定できませんでした。
ヘルニアについては、24日のクマ同士の闘争によって生じた可能性があります。
4 同居および闘争の経過について
ウメキチの性成熟に伴い繁殖を進めるため、今年度よりウメキチとメスたちの同居を進めることとしました。
同居にあたっては、最終的には3頭を同居させ、お互いに慣れることにより、ウメキチがメスたちに対して落ち着いた行動がとれることが望ましいと考えました。
下記のとおり、マレーグマ3頭について、これまで複数回同居訓練を行っていたところですが、同居に慣れていないため闘争も確認していたところです。それに伴い、ウッチーもウメキチから外傷を受け、前日までに右眼下の裂傷、擦過傷および右後肢の咬傷等を確認しており、消炎剤、抗生剤の投与を行っておりました。
なお、同居に当たっては職員が観察をしながら進めておりました。
5 今後について
残されたウメキチとハッピイのペアリングは、しっかりと時間をかけて進めるなどし、慎重な繁殖と種の保存に努めてまいります。
ウッチーをこのような形で失う結果となり、皆様には深くお詫びいたします。設置しました献花台には、連日たくさんのお客様からお花などをいただき、心よりお礼申し上げます。
【同居の経過】(これはわかりにくい報告書と同じ表ですね。)
6/16
3頭同居を実施(40分間)。前半30分はじゃれていたが、その後、ウメキチがハッピイから咬まれ逃げたため、同居中止。なお、扉を開放し屋内・屋外共に出入り自由にしていた。
6/19,20,21,22,23,26,27,28,7/3,4,5
ウメキチとメスいずれかとの「2頭同居」を実施(約1時間)。
うち、ウメキチとウッチーの同居は6月20日、26日。6月20日は同居時間中に数分間闘争があり、26日は同居時間中の前半に数分間闘争があったが、後半はなかった。両日を除く日は、ウメキチとハッピイとの同居を実施。
7/6
3頭同居を実施(約1時間)。ウメキチとウッチーが闘争、その後ウメキチとハッピイとが闘争しそうになりウメキチが逃げた。なお、扉を開放し屋内・屋外共に出入り自由にしていた。
7/11,12,13,14,17,18,20,21
ウメキチとハッピイを同居
7/24
3頭同居を実施(約1時間)。ウメキチはウッチーと闘争(約20分間)。なお、扉を開放し屋内・屋外共に出入り自由にしていた。
7/25
朝、ウッチーの死亡確認
○立ち入り検査について
北海道新聞08/05 07:00
札幌市円山動物園でマレーグマの雌のウッチー(推定30歳以上)が死んでいるのが7月25日に確認され、若い雄に攻撃されたことが原因と判明したことを受け、市は4日、動物愛護管理法に基づき、円山動物園を立ち入り検査した。
飼育動物の死に関連して、同園に立ち入り検査が入るのは初めて。同園の対応に問題がなかったか、市は今後さらに調べる。
立ち入り検査は市動物管理センターの向井猛所長ら3人が実施した。クマ同士の争いがあった場所や、当時の職員の対応などを調査。雄と雌の同居訓練を担当していた職員数人から聞き取りも行い、同園に事故報告書を提出するよう求めた。
向井所長は「(ウッチーは)高齢で、6月の同居訓練の時点でもけがをしていた。死ぬのを防げなかったかも検証する」と説明。管理体制が適切だったかを調べ、改善指導するかなどを検討する。
●事故報告書(円山動物園)2015.8.10
https://www.city.sapporo.jp/zoo/documents/jikohoukokusyo.pdf
「マレーグマ「ウッチー」の死亡日時について
平成27年7月25日(土)朝9:00過ぎ、担当飼育員がマレーグマ「ウッチー」を屋内展示場に出そうとしたところ、バックヤードの寝室にて死亡しているのを確認しました。」
「死亡しているのを確認しました。」とあり、
死亡日については書かれてなく、これまでした二つの発表と違っているのはなぜか?(その他の報告書に関する疑問点については他ページ参照のこと)
●札幌の円山動物園で人気者だったマレーグマが先月死にました。その原因が、ほかのクマとの度重なるけんかを動物園側が「問題ない」と判断したためだったことが分かりました。円山動物園の田中俊成園長は、10日、マレーグマの「ウッチー」が死んだ経緯について、札幌市に報告書を提出しました。報告書によりますと、「ウッチー」は、推定30歳以上の高齢のメスのマレーグマで、6月から数回にわたり、ペアリングのため、オスのマレーグマと同居していました。しかし、その間、オスと何度も組み合ってけんかをして、先月25日、けんかによる傷がもとで死んだ可能性が高いとみられています。これについて、動物園側は、クマ同士のけんかはよくみられる現象のため、ウッチーの死亡が確認された前日も、飼育員が放水するなどして止めに入らかったということです。円山動物園は、飼育員による監視体制を見直し、再発防止に努めるとしています。
8月10日(月)19時28分
テレビのニュース動画↓(2012年ごろのかわいいウッチーが映っている、そのうちリンク切れるかも)
http://www.dailymotion.com/video/x3193ls
●質問回答書1(円山動物園)21015.8.10
https://www.city.sapporo.jp/zoo/documents/shitsumongoikenkaitousyo.pdf
〇死亡直後NHKの取材に対して「じゃれてるのか攻撃してるのか判断できなかった。」と答えていたニュースをどこかで読んで唖然としてしまった。さすがに動画の存在がわかってからはそんな幼稚園みたいなことは言えないと思ったのか、報告書にもどこにもそんな言葉は見当たらなくなった。証拠としてあげられるのはこのブログ記事しかなかったが、証明力は十分あると思う。ここのウッチー関連の記事は必読もの。
http://polarbear1.exblog.jp/d2015-08-10/
●動物管理センターの立ち入り検査結果/改善勧告書(秋元市長)2015.8.21
http://www.city.sapporo.jp/inuneko/main/documents/kaizenkankoku.pdf
●立ち入り検査後発表した文書/動物管理センターの対応について(動物管理センター)2015.8.21
http://www.city.sapporo.jp/somu/koho/hodo/201508/documents/mareguma-kaizenkankoku.pdf
〇「ネグレクト型の虐待」札幌市センターが円山動物園に勧告 マレーグマ問題
08/21 16:00、08/22 01:48 更新
北海道新聞どうしんウェブ
札幌市円山動物園でマレーグマの雌ウッチー(推定30歳以上)が同居訓練中、若い雄に襲われて死んだ問題で、同市動物管理センターは21日、繁殖を含む管理体制など組織全般に問題があるとして同園に対し、動物愛護管理法に基づく改善勧告を行った。同センターはその後の記者会見で「ネグレクト(放置)型の動物虐待だ」と指摘した。
日本動物園水族館協会(東京)によると、公立の動物園に対する改善勧告は「極めて異例」という。
同センターの向井猛所長が同日、同園の柴田千賀子飼育展示課長に勧告書を手渡した。勧告は同園が行った3頭による同居訓練の成功例が他になかったことや、約20分間にわたる雄の攻撃中も放水などの中止措置を行わなかったことを指摘。「過度な動物間の闘争を避ける」「必要な診療を受けさせる」といった、同法が定める基準7項目を満たしていないとした。
その上で、《1》同園の動物全ての管理体制の見直しと、必要な人員確保やマニュアルの整備《2》全職員対象に適正飼育を理解させる教育―などを行い、改善計画を今月28日まで、改善結果を9月30日までにセンターに報告するよう求めた。
訓練は雄ウメキチ(5歳)と雌ハッピイ(8歳)の繁殖を進めるため、ウッチーを「仲介役」に6月16日から5回実施。ウメキチのウッチーへの攻撃は7月24日まで続き、翌25日にウッチーが死んでいるのが見つかった。5回のうち3回は飼育員や獣医師ら2人が立ち会ったが、7月6日と24日は飼育員1人だった。
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/society/society/1-0170660-s.html
○日本経済新聞
札幌・円山動物園に改善勧告 負傷マレーグマの保護怠る
2015/8/22 11:45
札幌市円山動物園で飼育されていたマレーグマが負傷した後に死に、市は22日までに、適切な保護を怠ったとして、動物愛護管理法に基づき、園に改善するよう勧告した。市によると、こうした勧告が動物園に出されるのは珍しいという。
同法は負傷した愛護動物の適切な保護を怠るなどした場合、100万円以下の罰金を規定。市は北海道警にも情報提供しているという。
死んだマレーグマは推定30歳以上の雌「ウッチー」。園では1987年から飼育していたが、7月25日に死んでいるのが見つかった。同じ放飼場にいた若い雄に攻撃され、折れたあばら骨で内臓が傷ついたのが死因とみられる。当時、この若い雄を含む2頭と同居する訓練中だった。
調査した市動物管理センターは(1)獣医師や飼育員の観察が不十分で、動物同士の過度な闘争を防ぐ措置を講じていなかった(2)高齢でけがをしたウッチーに十分な治療を行っていなかった――などの点が法令違反に当たる可能性があると判断した。
勧告では、全ての動物の管理体制を見直して必要な人員を確保するとともに、法令に適合するよう必要なマニュアル類を整備するよう求めた。立案した改善計画や結果の報告も求めている。〔共同〕
〇円山動物園:「マレーグマ死んだのは管理不備」札幌市勧告
毎日新聞 2015年08月21日 22時16分
札幌市円山動物園で絶滅危惧種のマレーグマが死んだ問題で、市動物管理センターは21日、「管理体制に不備があった」として、同園に対し、動物愛護管理法に基づく改善勧告を行った。園は28日までに改善計画を策定・提出し、9月30日までに改善計画の実施状況を報告しなければならない。市によると、動物園への勧告は全国でも極めて異例だという。
この問題では、オスのウメキチ(5歳)とメスのハッピイ(8歳)の繁殖のため、仲介役としてメスのウッチー(推定30歳以上)を同居訓練させた際、ウメキチがウッチーを攻撃し、ウッチーが7月25日、内臓損傷などで死んでいるのが見つかった。
同センターによると、訓練は6月16日〜7月24日の間、計5回にわたって実施。獣医師の立ち会いがなくなった2回目以降、ウッチーが攻撃され、けがをしているにもかかわらず、同園は訓練を継続。けんかしているクマを引き離す「放水ホース」を使用せず、訓練中止の基準も定めていなかった。
勧告では「組織として飼育動物の管理体制に不備があった」と指摘した上で、同園に▽必要人員の確保やマニュアルの整備▽職員への教育▽新規計画中の施設や既存施設の総点検−−をするよう求めた。
動物愛護管理法は負傷した動物の適切な保護を怠るなどした場合、100万円以下の罰金を科すことが定められており、市は北海道警にも情報提供したという。【今井美津子】
◇動物愛護管理法
正式名称は「動物の愛護および管理に関する法律」。1973年、議員立法で「動物の保護および管理に関する法律」として制定され、99年に改称された。動物虐待の禁止などを定めており、都道府県や政令市は必要に応じて動物取扱業者に立ち入り検査し、改善勧告や命令をすることができ、悪質な場合は業務停止も命令できる。
○体制、抜本見直しへ 円山動物園マレーグマ問題 組織的な意思決定なく
08/22 15:00 北海道新聞どうしんウェブ
札幌市円山動物園のマレーグマの雌ウッチー(推定30歳以上)が死んだ問題で21日、市動物管理センターから出された改善勧告は、同園の組織全体に対し、飼育管理体制の不備を指摘する厳しい内容となった。同園は10月にアフリカゾーンのオープン、2018年秋に11年ぶりのアジアゾウ導入を控えるが、職員の配置や連絡体制について、抜本的見直しを迫られそうだ。
「組織として意思の疎通ができていなかった。普段と違うことがあった場合、相談する体制も取れていなかった」。同園の田中俊成園長は勧告を受けた21日、神妙な面持ちで語った。
勧告文書によると、同居訓練は若い雄のウメキチ(5歳)と雌ハッピイ(8歳)がスムーズに繁殖できるよう、ウッチーを「仲介役」とし、6月16日から2、3頭で計5回実施。ただ、3頭の同居訓練は他に成功例が確認されておらず、獣医師の立ち会いも初回だけ。4、5回目は担当飼育員1人だけだった。ウメキチによるウッチーへの攻撃が続いていたが、中止措置は取られず、7月25日にウッチーの死亡が確認された。
同センターは「過度な動物間の闘争を避ける」「負傷した動物の適切な保護を行わないことは、動物の虐待となる恐れがあることを十分認識すること」など、同法の基準を満たさない行為が7項目に及んだと認定。「訓練全体を通じ、意思決定が組織として行われていなかった」と断じ、園内全体の管理体制見直しと必要な人員の配置、マニュアルの整備などを勧告した。
勧告を受け、同園では今後、マレーグマに限らず、動物同士が争う可能性がある同居訓練の際には、獣医師を含む複数の職員を配置する方針。また、繁殖を目指す動物や、高齢で注意が必要な動物の監視も手厚くする。動物が負傷した際の対応も、マニュアル化していくという。
新施設「アフリカゾーン」の10月のオープンに向けても、キリンやカバの園内での移動作業に飼育員らが集中できるよう、9月14~18日の5日間、閉園時刻を4時間繰り上げ、午後1時にすることを決めた。ただ、勧告に対応するため、同園の飼育員26人、獣医師3人を増員するかどうかは決まっていない。
同園は改善結果を9月30日までに同センターに示す必要がある。今回の問題で同園には8月20日までに、市民らの苦情が電話や電子メールで約1700件寄せられ、同園が市民の信頼を回復するのは容易ではない。厳しい対応に踏み切った同センターの向井猛所長は「勧告は円山の体制を立て直すことを主眼に置いている」と強調した。
http://dd.hokkaido-np.co.jp/news/area/sapporo/1-0170981.html
〇同居訓練のマレーグマの死、動物園職員を処分へ
2015年08月22日 13時52分 読売新聞13:52
札幌市円山動物園で飼育していた高齢のマレーグマが死んだ問題で、市は21日、動物愛護法で定める動物の健康と安全の保持に違反があったとして、同法に基づいて管理体制の見直しなどを求める改善勧告を動物園に行った。
行政指導としては重い勧告を動物園が受けるのは極めて異例で、市は関係した動物園職員を月内にも処分する方針だ。
死んだ雌グマの「ウッチー」は推定30歳以上で、5歳の雄と同居訓練を行っていた際に争いになり、折れていたあばら骨が内臓損傷を引き起こしたとされる。
調査を担当した市動物管理センターは、ウッチーが死んだ原因について、動物園が〈1〉同居訓練を安全に行うために必要な飼育員や獣医師を配置していなかった〈2〉争いが発生した場合の中止基準を設けていなかった――などと指摘した。
9月15日現在いまだに関係職員の処分はない。
●改善計画書(円山動物園)2015.8.28
https://www.city.sapporo.jp/zoo/documents/kaizen-keikaku.pdf
●質問回答書2(円山動物園)2015.8.28
https://www.city.sapporo.jp/zoo/documents/kaito-2.pdf
●改善計画書補足(円山動物園)2015.9.11
https://www.city.sapporo.jp/zoo/documents/kaisetsuhosoku.pdf
●English英語の改善計画書2015.9.11
https://www.city.sapporo.jp/zoo/documents/kaizenkeikakusyoenglish.pdf
●English英語の改善勧告書2015.9.11
https://www.city.sapporo.jp/zoo/documents/kaizenkannkokusyo.pdf
〇円山動物園の死亡メスマレーグマは「見殺し」 「オスの暴行場面」動画で園への批判も
YAHOO!ニュースJ-CASTニュース 9月1日(火)18時58分配信
札幌市の円山動物園で、2015年5月から絶滅危惧種のコツメカワウソ、マレーグマ、グラントシマウマが死んだ。人気者の動物たちの相次ぐ死に、札幌市は改善戒告を出した。園が改善計画を提出した2日後の15年8月30日に、今度は園のシンボル的存在だったマサイキリンが急死した。ネットでは全て園側の管理運営の悪さから起こったものだとして「連続殺獣事件」などと批判が噴出している。
「市民を喜ばせようとしたチャレンジ精神が裏目に出た」
動物たちの死因は以下の通りだ。15年5月3日に死んだコツメカワウソのオス(9か月)は水槽の取水口に足を吸い込まれて窒息死した。来園者が溺れているのを見つけ獣医が駆け付けたが間に合わなかった。7月25日はメスのマレーグマ(推定30歳以上)がオスのマレーグマから襲われたことが原因で死亡した。8月23日はグラントシマウマの雄(6歳)が10月オープン予定の新施設「アフリカゾーン」への輸送中に死亡した。原因はストレスで、肺に水がたまる肺水腫になったとされている。
札幌市は円山動物園に対し、8月21日にマレーグマの死亡事案に係る改善勧告を行い、園は28日に飼育マニュアルの見直しや獣医を1人増やして4人態勢にするといった改善計画書を提出した。2日後の30日に、メスのマサイキリン(11歳)が胃の内容物が気道に入る誤嚥(ごえん)によって死んでしまった。
どうしてこうも動物たちが立て続けに死んでいくのか。15年9月1日の朝の情報番組ではこうした謎についての特集を組んだ。フジテレビ系「とくダネ!」のキャスター・小倉智昭さんは、「動物には死が付き物だから、立て続けに来ちゃうのもあるのかもしれない」
と語った。同番組のコメンテーターを務める国際ジャーナリストの竹田圭吾さんもたまたま時期が集中した可能性もあり、他の国の傾向と比較して考える必要がある、としたうえで、「これだけ閉鎖性の強いところで飼っていること自体がそもそもストレスを全体に与えている。自治体の問題や園の問題だけでなく、見に行く私たちの問題と捕らえないとなかなか問題は解決しない」と指摘した。
番組では田中俊成園長がインタビューに応じ、「飼育方法に問題は無かったのか?」という質問に対し、「入園者数を増やすのは二の次で、動物の安全と、本当にお客様に楽しんでもらえるような動物園にしなければならない」とだけ答えていた。
テレビ朝日の「モーニングバード」では動物研究家のパンク町田さんがコメントを寄せ、一連の動物死亡について、コツメカワウソの場合は、取水口の穴が大きい「設計上のミス」だとした。グラントシマウマは「ストレスへの配慮不足」、マレーグマとマサイキリンは「自然界でもあること」だとした。そして、「円山動物園はトップクラスの飼育技術を持つが、市民を喜ばせようと様々な工夫をしようとしたチャレンジ精神が裏目に出た」とパンク町田さんは同情していた。画像→http://i.imgur.com/ppwGt8A.png
司会やコメンテーターの方たちはあの動画を見てコメントしているとは思えないので、資料として見せてない可能性が大きいと思う。
「閉園してちゃんとした動物園へ動物達を移住させろ」
一方、ネットでは飼育方法のいいかげんさと杜撰さ、「動物虐待」とも取れるようなやり方が存在し、全て円山動物園が悪いという偏った意見がもっぱらだ。というのも、マレーグマの「ウッチー」が5歳のオスに襲われる様子が「ユーチューブ」にアップされていて、これがきっかけで札幌市が改善戒告を出すことになったからだ。「ウッチー」は5歳のオスと3歳のメスの繁殖の補助役として同居させられ、これまでも5歳のオスから暴行を受けているのを目撃されていた。「ウッチー」は繁殖能力が無くなっていて、高齢だから静かに暮らさせてあげてほしいし、可愛そうだと園に申し入れても大丈夫だという返事しか返ってこなかった、などとネットで報告されていた。
ネットに出回っている動画は死亡する前日のものだそうで、「ウッチー」の皮膚は裂け、血を流し、立ち上がることもできなくなっている様子が映っている。その「ウッチ―」が助けてほしいと言わんばかりに見ている目線のすぐ先に、壁の四角い穴からその様子を無表情に見ている飼育員らしき顔がある。「ウッチ―」はろっ骨が4本折れてその肋骨が胸膜と横隔膜に突き刺さっていたという報告があがり、ネット上では「これは公開虐殺だ」「見殺し犯は誰だ!」などといった怒りの声が出た。今回もネットでは、「連続殺動物事件!」「これは事件やろ」「連続殺獣事件」「動物の扱いをぞんざいにしてる本末転倒な結果ばかりなら閉園してちゃんとした動物園へ動物達を移住させろ」「動物のこと何とも思ってないやつらが飼育員をしている。動物達が不憫でならないよ」「暫く閉鎖して動物の健康管理と職員の教育と管理体制を見直すべき」などといったことが掲示板などに書き込まれている。
ネットの情報は実際にその場にいた人たちの証言や書き込みがブログなどを通して知ることができて、貴重な情報源だ。とはいえ、珠玉混合なので注意しながら収集する必要がある。このブログの記事は信ぴょう性のある複数人の同じ証言や意見の記事を参考にして、自分の考えをまとめた結果を書くようにしている。
〇NHKほっとニュース2015.9.8
円山動物園・人事交流制度の見直し
https://www.youtube.com/watch?v=SJnuPgcIbZ8
とりあえずこれくらいしか探せなかったが特に円山動物園の提出した「事故報告書」と「立ち入り検査後発表した文書/動物管理センターの対応について」(動物管理センター)を読み比べるといろいろ興味深いことがわかってくると思う。
〇記者の目:動物死相次いだ札幌・円山動物園=山下智恵(北海道報道部)
毎日新聞 2015年09月25日 東京朝刊
写真入り記事のURL(そのうちリンク切れになる可能性あり)
http://mainichi.jp/shimen/news/20150925ddm005070011000c.html
◇専門職員育て再生を
札幌市円山(まるやま)動物園で今夏、飼育動物が相次いで死ぬ問題が起きた。全国から批判の声があがり、市の別の機関が立ち入り検査に入り、10月に予定されていた新施設「アフリカゾーン」の全面開業が来年夏に延期されるなど異例の事態となっている。
最初に死んだのはマレーグマの雌「ウッチー」(推定30歳以上)だった。若いペアの繁殖を促すため、「仲介役」として3頭で同居に慣れる訓練をしていたさなか、5歳の雄との間で約20分に及ぶけんかが起き、翌7月25日、死んでいるのが確認された。
死因は、折れた肋骨(ろっこつ)が横隔膜に穴を開けたことによる腸管ヘルニア。5歳の雄が執拗(しつよう)にウッチーを攻撃する様子が来園者によって撮影され、動画がインターネット上に拡散すると、「なぜ引き離さなかったのか」などといった批判が殺到した。
◇「放置型虐待」市が改善勧告
こうした世論を背景に、市動物管理センターは円山動物園に対し動物愛護管理法に基づく立ち入り検査を行った。同園は、けんかがあった際、飼育員は1人で担当しており的確な判断を行えなかったとし、事故報告書で「獣医師の立ち会いがあれば防ぐことができた可能性があった」と言及した。同センターは、激しいけんかが起きた場合の対策が講じられていなかったなどとして「管理体制に不備があった」とする改善勧告を行い、「ネグレクト(放置)型の動物虐待」と指摘した。
勧告から2日後の8月23日、アフリカゾーンへの移動作業中にグラントシマウマの雄「飛馬(ひゅうま)」(6歳)がストレスによる肺水腫で死に、さらに1週間後の同30日、マサイキリンの雌「ナナコ」(11歳)が誤嚥(ごえん)により窒息死した。円山動物園はシマウマとキリンの死に過失はなかったとしているが、動物の新施設への移動方法を再検討する必要があるとして、10月に予定していたアフリカゾーンの全面開業を先送りした。
◇拡大路線の一方、組織改革後手に
円山動物園は1990年代にレジャーの多様化などで来園者数が低迷。一方で、同じ北海道内の公立動物園である旭川市旭山動物園が動物の生態を生かした行動展示で全国的な人気を博し、2001年度に来園者数で追い抜かれると比較されるようになった。
05年には、動物の餌として寄付されたコメを職員が自宅に持ち帰る不祥事が発覚。この問題に伴って市監査委員による行政監査が行われ、展示方法が旧態依然としているほか、施設の老朽化に対する整備計画が不十分などと指摘された。これを受け円山動物園は07年に基本構想を策定。展示施設の整備・拡充などの改革に着手し、「拡大路線」へ突き進む。遊園地を廃止してアジアゾーンを新設したり、夜間開園を行ったりして、05年度に50万人を割っていた来園者数が13年度には100万人近くにまで回復した。
その一方、組織改革は後手に回った。09〜11年度に園長を務めた市の酒井裕司・みどり環境担当局長は「園長は事務職。3人いる獣医師は数年で異動する。専従者がおらず、動物の飼育に関するノウハウの蓄積・継承が不十分だった」と振り返る。
飼育員は業務職員として清掃や学校事務などの職場と一括して高校卒業者が採用される。飼育員を目指して専門学校で学んだ人には門戸が開かれていない。動物管理の専門家は「飼育を志す人材は動物への愛情が違う。専門職の導入が望まれる」と指摘する。
円山動物園は改善計画で人材の確保・育成について、外部識者の意見を聞いて検討を進めるとし、秋元克広市長は今月8日の定例記者会見で「専門性を組織として蓄積できていたのか。専門学校を卒業した職員を採用するなど、人的体制の強化を検討したい」と述べた。
日本動物園水族館協会によると、円山動物園の哺乳類の年間死亡率は11・7%(14年度)で、他の動物園と比べとりわけ高いわけではない。自治体が運営する動物園では専従職員がいないケースも珍しくない。ただ近年、動物園はレジャー施設であると同時に、希少生物の繁殖保存を図る役割や環境教育を担うことが重視されている。施設の充実を図り入場者数を増やすことも大事だが、同時に職員の専門性を高めることが不可欠だ。
円山動物園は前者に偏りすぎていた。動物たちの死は、そのことに警鐘を鳴らしてくれたのではないか。同園はホッキョクグマの繁殖では全国屈指の実績を誇る。動物たちがいきいきと暮らせる環境づくりを進め、訪れた人が楽しめる動物園に一日も早く再生してほしい。
●マレーグマ「ウッチー」死亡事案に係る改善結果報告について(円山動物園)2015.9.30
https://www.city.sapporo.jp/somu/koho/hodo/201509/documents/kaizenhoukoku.pdf
外部アドバイザーの発表、施設点検と修理、飼育マニュアル、動物愛護の勉強会、チェックリストなど改善したことやこれからの取り組みについて詳しく書かれている。傍聴人数とその発言に制限をかけた市民動物会議については全くの改悪だと言える。
とりあえず、参考資料としては9月いっぱいでしめることにして更新はせず、10月からは個々のブログ記事として紹介していくことにした。