講演の中で小生の本に書いてある中から紹介
順境も逆境も自分が作り出すものである
これは、渋沢栄一翁の言葉であります
小生、自分の体験から逆境が一番の教育というか人間を育てるものと思っています
維新伝心218~219ページ
順境と逆境
私たちの人生、良い時も悪い時もあります。うまく行くときもうまく行かないときもあります。
渋沢栄一翁の言葉で次のようなものがあります。
「順境も逆境も自分が作り出すものである」
現代の言葉で言うと・・・
人生が思う通りにうまく進んでいる人を、人は「運がいい人だ」というだろうが、本当は、それは運のいい悪いではなく、その人が努力をした結果、そういう状況を作り出しただけのことである。
筆者は今年七十になります。二十代、三十代は順境そのものでした。
(注 2年前の原稿)
お金の苦労もしたことなく。
うまくいくことが普通になっていました。苦労という苦労をしたことがありませんでした。順境そのものでした。しかし、そういうことは長く続くはずがありません。バブル景気終焉、一九九三年の米の大不作も重なり、いっぺんに逆境になりました。
こんなはずではなかった、あいつのせいだ・・・。
しかし、後から冷静に考えれば、順境の時にどういう生き方をしていたのか。そういう生き方、考え方の結果が出るのだと思い知らされます。
四十二歳の時に今の会社を創業。
新創業から二十八年経過しました。
人間一人では生きていけません。
まわりの人のお世話になり、周囲の人のおかげで生きていけます。
渋沢栄一翁の言葉をもう一つ。
「天意 夕陽を重んじ 人間 晩成を貴ぶ」
読み方は「てんい せいきょうをおもんじ、にんげん ばんせいをたっとぶ」です。
意味は、一日の中でも大事なのは夕刻で、日中いかに快晴であっても、夕方に雨でも降れば、その日が一日雨だったと感じてしまうように、人間も晩年が晴れ晴れと立派でないと、つまらない人生になってしまう。
人の一生において、途中どんなにうまく行こうが、成功しようが、晩年うまくいかないと悲しいもの。
前述のように、その原因は自分自身にある。順境を作り出すのも、逆境になるのも自分自身の生き方そのものにある。自分のこと、自社の利益のこと第一では人は離れてゆきます。
相手のこと、相手の利益のこと優先して考えれば人は頼りにしてくれます。人が集まれば自然と良くなります。人生は自分で創り出すということを再認識したい。