市川稔の米(マイ)情報

「剣岳 点の記」を観て

小説を映画化したらどうなるか?

文字を読んでその世界に入り込む。
そこには自分自身で想像し得る世界がある。
想像し得ない世界は当然ながらない。
その想像を巡らすことが本を読む楽しさでもある。
読む人の感性で世界は違う。

「剣岳 点の記」原作を読めばわかりますが、これを映画化しようと考えた木村大作という人はすごいと思う。
来月70歳になる人が撮影では先頭に立って山登っていたと言うのだから。

CGは使わない。
ヘリからの撮影もしない。

この映画を観て映像のすごさを再認識しました。
さすが、キャメラマン50年の集大成というだけのことはあると思います。

新田次郎の小説は好きでいろいろ読みました。
やはり映画化された八甲田山はDVD持っていてたまに観ます。

木村キャメラマンの撮影。

新田次郎は気象庁に勤めていたのでその知識を生かした小説が多いですね。
日立の友人からもらった本「ある町の高い煙突 」もそうだった。

「剣岳 点の記」映画はたんたんと進む。
次第に映像に引き込まれてゆく。

俳優さん達も初めての体験だと言っている。
明治40年にしたことと同じことをしながら撮影しているのだから。

地位や名誉、あるいはお金が目的ではない。
ただひたすら地図を作るために、測量するために山に登ったのだ。
そこを描いてゆく。

監督は現代の日本人が忘れかけているものを世の中に問うているのだ。

映画の素晴らしさを再認識しました。

有難うございます。

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