日経流通新聞2014年9月26日一面で取り上げていました。
日経MJ
ダイエー再建をイオン主導でやってきたが業績回復は叶わなかった。
業績の下方修正ばかり。
計画を立ててもその通りに行かないのが経営の難しさ。
店舗が老朽化している。
駅前立地が多い。
多層階の古い店舗は売り場面積を広く確保したいために天井が低い。
とても圧迫感があり快適な買い物空間という感じがしない。
ダイエーの成功モデルは駅近くの土地を購入し店舗を建てる。
インフレ時代は土地の価値が上がる(自ら土地価値を上げる力があつた)のでその含み益が担保力を増す。
そして借金をしてまた違う場所に出店する。
土地保有型、不動産価値を高めることが成功モデルであった。
これは1990年頃までのモデルでありました。
でも、中内功という人はその時代に成功した一流の経営者であると思います。
資産デフレになると反対の状況になる。
経営が破たんし再建する際に保有資産を売却して負債を減らす。
保有する土地建物を売却し「リースバック」と呼ばれる方式で今度はテナントとして借り受けるのだ。
高く売りたいから逆に家賃は高く設定せざるを得ない。
古い店舗を高い家賃で借りるという皮肉な結果になる。
立地は変わる
良い立地だった場所も人口構造、年齢構造の変化で変わってしまうのだ。
店舗の老朽化と同時に顧客の高齢化も進む。
食べ盛りの子供がいる時は質より量とばかりに特売時にたくさん買い込む。
特売をすれば、安売り、目玉商品を出せばお客様が開店前から集まった。
今は、大根1本でも多い、きゃべつ1個でも食べきれない・・・
米?
10kgの袋では多すぎて古くなってしまう。
消費構造の変化
専門大店の台頭
家電量販、紳士服大型店、ユニクロ、しまむらなどに代表されるように品揃え豊富な専門大店に顧客が流れた。
ダイエーが作った業態と云われているGMSというもの。
食料品から衣服、家電、食堂まで揃った店。
ワンストップショッピングなどと表現された。
そのなんでも揃う店が、
ダイエー創業者の故中内功氏がいみじくも言った言葉が印象に残っている。
「なんでも売っているが欲しいものがない」
また、組織が大きくなり過ぎて売場の変更もままならない。
商品を並べる場所、売り場を1m動かすのにひと月も掛かってしまう・・・
いろいろありますが、
イオンの社長はインタビューに答えてかなり厳しい認識を持っていると思った。
最大の競争相手は電子商取引、いわゆるECコマースであると云っておりました。
古くて大きな店舗を持っていることが足手まといになる。
余剰人員を抱える組織。
社員のモチベーションを上げてゆくのは至難の業であろう。
急速に伸びるECコマース。
小生は何度も云っていますが、
スマホの普及が世界を変える
ECコマースの主役はスマホに移行しました。
店舗販売の人材では無店舗、ECコマースの動きは分からないだろう。
ましてや、店舗のほとんどをテナントに貸し出して管理業務になっていればなおさらのことだ。
象徴的な出来事がある。
ネットスーパーと呼ばれるもの。
近くのスーパーにインターネット経由で注文すれば配達してくれるサービス。
小生はこのモデルは成り立たないと最初から思った。
顧客が自分の足で店舗に向かい、商品を手に取り、レジに進んで、自ら持ち帰る。
お客さんに仕事をしてもらっている。
それを、注文をネット経由でもらい、店舗で従業員が品物を揃えて(ピッキング)配達して店舗と同じ価格で販売する。
どう考えても、どう計算しても採算合うはずがありません。
専用のセンター設けて挑戦した「サミット」も採算の見込み立たず撤退を決めた。
まるでモデルが違うのです。
イオンの苦しみはこれからだろう・・・。
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