市川稔の米(マイ)情報

コメの居所

誰だって自分の作ったものには愛着があります。

ウチのコメはおいしいとほとんどの方は言います。
当然のことだと思います。

都会に住んでいても、自分が育った田舎からコメが送られて来れば嬉しいし、作り手も景色も情感も伝わって来ますから「おいしい」に決まっています。

ただ、ほぼ全国的に収穫されるコメはそれぞれの地域で消費されれば問題ありませんが、消費地に持って行き買ってもらわなければなりません。

そこで問題です。

それぞれのコメには実力というものがあります。
これは一般的なモノの見方で、それぞれの地域でも格差があるし、作り方、作り手の愛情や技術によってまったくといって良いほど変わるので、あくまで一般論としてとらえてください。

大相撲にたとえるとわかりやすい。

幕下、十両、幕内。
前頭何枚目か?
関脇、大関、そして最高位は横綱ですね。

コメで言えば実力はともかく(失礼ですが)魚沼コシヒカリが価格的に横綱でしょう。
そして、会津や富山あたりが大関クラスか。

その下がどんぐりの背比べみたいなもので、関脇か前頭の上位に集中していることが問題ですね。

品種的にも上位5品種で70パーセント占めていることをみれば分かります。

実力と現実がごちゃごちゃになっています。

しかも、相撲協会を脱退して場外相撲とでも言いましょうか、協会以外の相撲に人気があり、生産量の60パーセント以上は場外相撲です。

それぞれの産地には「居所」というものがあり、それを正確に認識していれば販売戦略が見えてきます。

上手なのは北海道くらいかな(生産者は泣いていますが)

一般的なマーケットは価格の安いコメを求めています。

18年産のようにくず米の発生が極端に少なく安い「作りコメ」が出来にくいと、比較的安い産地に買いが集中します。

出来が良くて安い産地は苦労なく売れるでしょう。

問題は大関や関脇や前頭上位のコメと認識しているところでしょうね。
横綱は一人なので人気があります。

さて、ウチの居所はどこに???

戦う土俵を変えてやることも重要です。

これは販売会社でも同じです。

これを小生はポジショニングと呼んでいます。

居所を修正してゆくのもひとつの経営戦略でしょう。

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