今日は7時起床。箱根駅伝を見ています。2区でモグスが区間新記録。
【駅伝】早大往路V!“渡辺チルドレン”駒野が5区大逆転走
トップだ。“新山の神”、早大・駒野が「山上り」で5人抜き。区間記録に7秒と迫る力走をみせた=撮影・原田史郎
魂の走り。早大・駒野(左)が混戦を抜け出す。中央は駒大・安西、右は山梨学院大・高瀬(代表撮影)
やったぜ! 「W」の歓喜。12年ぶり13度目の往路優勝。チームが一丸となった(左から渡辺監督、駒野、竹沢)
第84回東京箱根間往復大学駅伝往路(2日、東京・大手町-神奈川・箱根町芦ノ湖駐車場入口、5区間108.0キロ)魂の復活Vだ!! 6位でタスキを受けた早大・駒野亮太主将(4年)が「山上り」5区で5人抜きの逆転走をみせ、12年ぶり13度目の往路優勝を飾った。早大はけがで出場が危ぶまれたエース竹沢健介(3年)が3区区間賞の底力を発揮。他の選手も粘りの走りを披露した。監督就任4年目、かつて“箱根のアイドル”とよばれた渡辺康幸監督(34)も歓喜に酔いしれた。
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魂の鼓動が聞こえる。伝統の「W」のマークが入ったユニホームの胸を何度もたたきながら、早大・駒野主将が、芦ノ湖のゴールに飛び込んだ。
「Wにはすごく思い入れがある。強いワセダに帰ってきてほしいという人がたくさんいた。弱い時に支えてくれ、見捨てないでくれた人へのありがとうの意味でした」。両腕を箱根の青空に突き上げ、12年ぶりの感激に浸った。
3度目の山上り。6位でタスキを受けた駒野は、前を行くランナーを次々に振り切っていく。13キロ手前で並走していた駒大・安西との主将対決を制し、トップへ立った。「今井さんの走りが再現できた」。順大時代に“山の神”と呼ばれた今井正人が、前回大会でつくった区間記録に7秒と迫る力走だった。
11月下旬、昨夏の大阪世界選手権で大学生でただ1人代表(男子1万メートル)に選ばれた昨年の2区区間賞の竹沢が、座骨神経痛などを発症。駒野は、寮の風呂で「痛くて走れません」と告白された。この日もスタート20分前に痛み止めを打つ状態。コースの下見もないぶっつけ本番のレースながら、3区で12位から5位に引き上げた後輩の奮闘に刺激を受けた。
渡辺監督のさい配もさえた。竹沢の代役となった2区には高原聖典(2年)を配置。上位陣との差を約3分以内にとどめた。4区には1年生の中島賢士を抜てき。優勝候補の駒大とわずか12秒差という力走で期待に応えた。
選手がつないだエンジ色のタスキには、東郷神社(東京・渋谷区)の勝守が縫い込まれていた。元日に渡辺監督が同神社を参拝。悪い出来事を洗い流すため、高価なお守りを探したが、平常心を保つ意味でも700円のお守りを購入した。武運は金額ではない。チームを率いた駒野は、早実高時代から渡辺監督の指導を受けた“渡辺チルドレン”の1人で、夏場には月間1100キロを走破。豊富な練習量は、裏切らなかった。
前回大会で5年ぶりのシード権を獲得。今回は昨年10月以降、コンディション調整を優先し、学連などの記録会への参加を見送り、選手の自主性を重視した渡辺監督は「選手が自分の役割を果たした。自分が現役時代よりうれしいね」。
前回の総合優勝は同監督が現役だった93年。総合3位以内を目標に掲げる同監督だが、「やることをやってワセダ魂を出していきたい」。創立125周年の節目を迎えた早大が、復路でも春の嵐を巻き起こす。