八田由香(旧姓:別当)さん 通称:別ちゃんの「神島人権講演会」が、
10月24日(土)神島開発総合センターの3階でおこなわれました。
主に神島の小中学生とその父兄、教職員など、40名ほどが集まっていただきました。
八田由香さんは、志摩市浜島町出身の現在三重県職員で、
女子車椅子バスケットボールの日本代表選手でもあります。
昨年の北京パラリンピックに出場。
副主将として活躍されました。
全試合に出場し、チームの勝利に大きく貢献。
見事4位に輝きました。
先月9月には共に車椅子バスケットボールの競技者でもある男性と結婚。
現在は津市にお住まいです。
そんな我らが別ちゃんは伊勢志摩バリアフリーツアーセンターの専門員(ボランティアスタッフ)でもあり、我々の友人でもあることから
最近彼女の講演会のマネジメントをさせていただいております。
24日は、彼女のマネージャー?として、私も神島に同行させていただきました。
この日は潮騒フェスティバルの神島「潮騒」ロケ地めぐりもあり、
10時40分佐田浜発神島行き定期船は満員!
しかし、別ちゃんと介助者となる私(別ちゃん、介助いらんのやけど・・)&競技用車椅子2台は、優先的に乗船。
鳥羽市営定期船課の職員さんが、適切に誘導してくださいました。
この日乗船したのは、2年前に就航になった「きらめき」(バリアフリー船)です。
船内には、綺麗な車椅子対応トイレもあり安心です。
この日の天気はあいにくの雨模様。
しかし思ったほど定期船は揺れず、快適な船の旅!・・・のはずが、
別ちゃん、ちょっと船酔い気味。
でも、「浜辺の店 潮波(さっぱ)」で、手作りたこ飯弁当(600円)を食べたら、
元気復活!おいしかったー!
「浜辺の店 潮波(さっぱ)」は、今年オープンの食堂&土産物屋さん。
店内の様子
入り口がバリアフリー対応のスロープ付です。
講演会が1時15分からなので、昼食後、会場に移動。
神島開発総合センターは入り口にはスロープがついていましたが、
建物内にはエレベータが無い為、会場となる3階までは、階段を上っていかなくてはなりません。
しかし、ここ神島は海の男の住む島。
力持ちの男性が軽々と別ちゃんを抱えて、
3階まで運んでくれました。
3階に到着後、打ち合わせとパワーポイントのチェックをする先生方&別ちゃん
講演時間は1時15分開始の105分間。
前半は、自分の体験を交えたお話。
怪我のこと。
入院中の思い。
車椅子バスケットボールとの出会い。
周りの人に支えてもらいながら、日本代表に選ばれ、
北京パラリンピックに出場するまで。
などを、飾らない語りで生徒たちに伝えました。
皆、前列で真剣に聞き入っていました。
後半は、別ちゃんを取り上げたドキュメンタリー番組を見た後、
競技用の車椅子を使って実際にバスケットの体験をしました。
この日は小学生、中学生の男子生徒が体験。
(競技用の車椅子の座面が高いので、背の高い生徒に体験してもらう事に)
まずは、小学生(かなり背が高い!)
競技用の車椅子は、安定性の追求と俊敏な動きができるために、
タイヤがハの字についています。
また、後ろには転倒帽子のキャスターが付いていたり、
ブレーキもありません。
まずは直進!
そしてバック。 ターン。
あれれっ?! うまい! 操作が上手。
次は、ボールを使ってドリブル。パス。
なんだかすっかり様になっています。
本当に初心者??と言いたくなるぐらいでした。
きっと、運動神経が発達していて、勘もいいだろうね。
拍手喝采でした。
次に中学生。 さっきの小学生の後では、やりにくいかな?
でも、この生徒もとっても上手でしたよ。
車椅子バスケでは、転がったボールを拾うのに、
回転する車輪を使って、車椅子の側面にボールをあてて“ひゅっ”とすくい上げるという技を使うそうです。
別ちゃんの実演のあと、早速中学生も体験。
1回目。ボールを早く転がしすぎて、追いつかずに失敗。
2回目。見事ボールをすくい上げる事に成功!!
会場は大歓声に包まれました。
島の子供たちは、磯場などでの外遊びの達人。
だから、俊敏性などの運動神経も発達しているのかな?
最後に、どうしても体験したいという男の子にもチャレンジしてもらうことになりました。
但し、背が低いので、足が下に付かないので、
簡単な操作だけ体験してもらいました。
でも、こうして興味を持って積極的に参加してくれることは、とっても良い事。
きっと、思い出に残る事だと思います。
別ちゃんのモットーは「継続は力なり」
講演の最後に別ちゃんが今後の目標を語り、
子供たち「みんなの夢は?」と問いかけた時、
さっき、車椅子体験をしてくれた小学低学年の男児が
「漁師になる! 漁師オリンピックがあればいいのに!」と発言!
なんて夢のある発言なんでしょう!それに、島の子らしい!
きっと、漁師であるお父さんの事をすごく尊敬しているのでしょうね。
講演が終わったあとも、競技用車椅子にチャレンジする生徒達
講演を終わって外にでたら、雨脚が強くなっていました。
でも、小学生が傘をさしてあげようと、別ちゃんを外で待っていてくれました。
講演の中で、「チェアウォーカーは、雨の日に傘をさせたいので濡れてしまう」と発言したからでしょう。
さっき聞いた話を、すぐに実行する子供たちを、とても清々しく、頼もしく思いました。
期船が港を離れてもしばらく手を振り続けてくれた神島の子供たち。
みんなとってもさかやかな笑顔でお見送りをしてくれました。
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