12月2日(火)に鳥羽商工会議所主催のセミナー
『今日からできるバリアフリーセミナー』が行なわれました。
テーマは『補助犬受け入れについて』

会場は鳥羽シーサイドホテル
講師は伊勢志摩バリアフリーツアーセンターの野口あゆみ事務局長。
また三重補助犬普及協会の多賀理事長と小川事務局長にもお越しいただいて、
お話を伺いました。

クロス君 待機 これもお仕事
この日に集まっていただいたのは鳥羽市内のホテルや飲食店の従業員20名。

補助犬とは、盲導犬、介助犬、聴導犬の総称。
補助犬は全国で盲導犬965頭、介助犬約40頭、聴導犬約20頭がいます。
しかし、三重県では盲導犬がわずかに8頭。
全国的にも少ないですね。
研修では
□ 介助犬の説明
□ 宿泊施設での過ごし方
□ 受け入れ側の注意事項
□ 視覚障害者の手引き
□ クロックポジションの説明
などを説明しました。
この日は盲導犬クロスのユーザーでもある多賀理事長からの補助犬について知っておきたい事などを、経験に基づきお話していただきました。
興味深かったのは、
『盲導犬はスーパードックではない』
『初めての場所では使用者が指示しないといけない』ということ。
我々はとかく盲導犬がいれば、どこへでも連れて行ってくれると思いがちですが、
盲導犬は歩行中に危険を回避したり、安全に生活できるようサポートはしてくれても、道案内はしてくれません。
盲導犬と共に一人で始めての場所に行く時には、とにかく人に聞くしかありません。
『そんな時、日本人は障害者のサポートをすることに慣れていないので、声を掛けたりすることは相手を傷つけるのではないかと思ってしまいがちだが、そんなことはない。
積極的に声をかけて手伝いをしてあげてほしい』
と話されていました。
また、最近はペット同伴のホテルやカフェ
が増えてきていますが、
そういうところに行くと、ワクチン接種を受けていないペットから病気の感染の恐れがあるので、
利用しないようにしているそうです。
補助犬はワクチン接種などを必ず行なっています。
一般のペット以上に健康管理には気をつけています。
介助犬が健康で働いてくれる事がユーザーの生活を支えているのです。
介助犬はペットOKの宿に泊まれば良いのでは?と思いがちですが、
そうではないのですね。
次は研修場所をホテルのフロントに移動して、
チェックインの時に注意する事を学びました。

まず、フトントの場所がわからないので、連れて行って欲しい。
また、チェックインに必要な記入事項は代筆してもらうか、
サインなど、本人が書く必要があるなら、
厚紙でちょっと大きめに枠を抜いて欲しいなどのアドバイスを受けました。
また、客室では、部屋の間取りや家具や備品の位置などの説明の他、
思いのほかに困るのはゴミ箱の位置がどこにあるのか教えて欲しいというものでした。
多賀さんは客室でクロスと過ごす時、ダンボールを持ってきてもらって
クロスのマット代わりするそうです。
本当はマットを持参する必要があるのですが、
ひとりで数日間旅行すると、犬の餌だけでもかなりの量になるので、
持って来れないそうで、ダンボールを代用しているとの事。
次にレストランで
の対応について。
視覚障害者の場合、バイキングが一番困るそうです。
そこで、従業員に取ってきてもらうそうですが、
従業員は、大体の好みを聞いたらあまり細かい事は気にせずに
自分の判断で取ってきてかまわないとおっしゃっていました。
これはチェアウォーカーのスタッフの経験ですが、
従業員にお願いすると、ものすごい量の食事を取ってきてくれるそうです。
食べられる量も考えて取り分けてくださいね!
また視覚障害者は、皿に盛ってあるのが刺身なのか、花なのか、わさびなのか、
口に入れるまで分かりません。
まさに、闇鍋状態。
手で食べる国ならそういう問題はないのにねぇ。
それと、お箸の国ならではの困った事。
それはアルミホイルに入った食べ物。
誤ってホイルごと箸でつまむと、
中の物(漬物とか佃煮とか)をばら撒いてしまうそうですよ。
そこで視覚障害者へのお食事での配慮は
□ わさびは醤油に溶かす
□ 食べられないもの(アルミ、花、バランなど)は取り除く
□ 熱いものはそのように伝える。
□ 配膳場所をクロックポジションで教える
などです。
クロックポジションを知ってますか?
クロックポジションとは、「物の位置を 時計の文字盤に見立てて方向を示す」という方法です。
例えば、食事どきに何かが配膳されても、 どこに置かれているかは「あっちに」「こっちに」と言っても分からないので、
「1時の方向に熱いお茶があります」
「3時の方向に籠に入った海老とキスとししとうの天ぷらがあります」
「6時の方向に割り箸とわさびの入った醤油があります」
などと説明します。
この日は鳥羽シーサイドホテルのベテラン仲居さんに、早速クロックポジョンを使って
配膳の実践をしていただきました。

その他、視覚障害者がホテルで困る事は
業務用のシャンプー・リンス・ボディーソープの入れ物に
触って区別できるものが無いことだそうです。
最近市販さてれいるシャンプー、リンスのボトルにはメーカー各社に共通した区別がしてありますが、
(シャンプーボトルの両側面に帯状のでっぱり)
ホテルや旅館で使われているボトルにはそれがありません。
しかし、この不便さを克服ていただいているホテルがありました。
それはボトルに輪ゴムを掛けておき、更に輪ゴムの本数で何のボトルかを区別するというもの。
シャンプーボトルなら輪ゴム1本、リンスなら2本という具合に。
これなら、すぐにもできそうですね。
(しかしまず、この情報を視覚障害者に伝えないとダメですね)
あと、もう一つ大切なこと。
それは補助犬のトイレについてです。
うんちはかなり我慢できるそうですが、おしっこは3~4時間に1回はさせたいそうで、
これは腎臓病の予防など、健康面の管理上でも必要だそうです。
そこで、盲導犬については、ホテルの従業員に土(または芝生)のところまで案内していただきたいそうです。
犬を飼っていらっしゃる方はお分かりになると思いますが、外でトイレをする場合、
犬はくるくると回ってから用を足すので、視覚障害者は方向が分からなくなるそうです。
ですので、トイレの場合は従業員がついていて差し上げるのが望ましいようです。
研修は1時間30分の予定時間を15分ほどオーバーして
12時15分に終了。
参加者の感想は
『短時間ではありましたが、良い勉強になりました。補助犬使用者の多賀様のお話がわかりやすく楽しく勉強させていただきました。』
『視覚障害者の生の意見を聞けて、実演などもとてもわかりやすく頭に入りやすかったです。』
などの評価をうけました。
皆さん始めて知った事も多かったようで、
『目からウロコ』という表現で感想を述べられていた方も2名いらっしゃいました。
伊勢志摩の宿泊施設では、ユーザーが補助犬と共に一人でいらっしゃっても
安心してお泊りできるようなおもてなしのできる宿になるように、
我々もこうした研修を重ねて普及啓蒙をしたいと思います。
今回のセミナーでは、確かな手ごたえがありました!
これからよろしくお願いします。
『今日からできるバリアフリーセミナー』が行なわれました。
テーマは『補助犬受け入れについて』

会場は鳥羽シーサイドホテル
講師は伊勢志摩バリアフリーツアーセンターの野口あゆみ事務局長。
また三重補助犬普及協会の多賀理事長と小川事務局長にもお越しいただいて、
お話を伺いました。


この日に集まっていただいたのは鳥羽市内のホテルや飲食店の従業員20名。

補助犬とは、盲導犬、介助犬、聴導犬の総称。
補助犬は全国で盲導犬965頭、介助犬約40頭、聴導犬約20頭がいます。
しかし、三重県では盲導犬がわずかに8頭。
全国的にも少ないですね。
研修では
□ 介助犬の説明
□ 宿泊施設での過ごし方
□ 受け入れ側の注意事項
□ 視覚障害者の手引き
□ クロックポジションの説明
などを説明しました。
この日は盲導犬クロスのユーザーでもある多賀理事長からの補助犬について知っておきたい事などを、経験に基づきお話していただきました。
興味深かったのは、
『盲導犬はスーパードックではない』
『初めての場所では使用者が指示しないといけない』ということ。
我々はとかく盲導犬がいれば、どこへでも連れて行ってくれると思いがちですが、
盲導犬は歩行中に危険を回避したり、安全に生活できるようサポートはしてくれても、道案内はしてくれません。
盲導犬と共に一人で始めての場所に行く時には、とにかく人に聞くしかありません。
『そんな時、日本人は障害者のサポートをすることに慣れていないので、声を掛けたりすることは相手を傷つけるのではないかと思ってしまいがちだが、そんなことはない。
積極的に声をかけて手伝いをしてあげてほしい』
と話されていました。
また、最近はペット同伴のホテルやカフェ

そういうところに行くと、ワクチン接種を受けていないペットから病気の感染の恐れがあるので、
利用しないようにしているそうです。
補助犬はワクチン接種などを必ず行なっています。
一般のペット以上に健康管理には気をつけています。
介助犬が健康で働いてくれる事がユーザーの生活を支えているのです。
介助犬はペットOKの宿に泊まれば良いのでは?と思いがちですが、
そうではないのですね。
次は研修場所をホテルのフロントに移動して、
チェックインの時に注意する事を学びました。

まず、フトントの場所がわからないので、連れて行って欲しい。
また、チェックインに必要な記入事項は代筆してもらうか、
サインなど、本人が書く必要があるなら、
厚紙でちょっと大きめに枠を抜いて欲しいなどのアドバイスを受けました。

思いのほかに困るのはゴミ箱の位置がどこにあるのか教えて欲しいというものでした。
多賀さんは客室でクロスと過ごす時、ダンボールを持ってきてもらって
クロスのマット代わりするそうです。
本当はマットを持参する必要があるのですが、
ひとりで数日間旅行すると、犬の餌だけでもかなりの量になるので、
持って来れないそうで、ダンボールを代用しているとの事。
次にレストランで

視覚障害者の場合、バイキングが一番困るそうです。
そこで、従業員に取ってきてもらうそうですが、
従業員は、大体の好みを聞いたらあまり細かい事は気にせずに
自分の判断で取ってきてかまわないとおっしゃっていました。
これはチェアウォーカーのスタッフの経験ですが、
従業員にお願いすると、ものすごい量の食事を取ってきてくれるそうです。
食べられる量も考えて取り分けてくださいね!
また視覚障害者は、皿に盛ってあるのが刺身なのか、花なのか、わさびなのか、
口に入れるまで分かりません。
まさに、闇鍋状態。
手で食べる国ならそういう問題はないのにねぇ。
それと、お箸の国ならではの困った事。
それはアルミホイルに入った食べ物。
誤ってホイルごと箸でつまむと、
中の物(漬物とか佃煮とか)をばら撒いてしまうそうですよ。
そこで視覚障害者へのお食事での配慮は
□ わさびは醤油に溶かす
□ 食べられないもの(アルミ、花、バランなど)は取り除く
□ 熱いものはそのように伝える。
□ 配膳場所をクロックポジションで教える
などです。
クロックポジションを知ってますか?
クロックポジションとは、「物の位置を 時計の文字盤に見立てて方向を示す」という方法です。
例えば、食事どきに何かが配膳されても、 どこに置かれているかは「あっちに」「こっちに」と言っても分からないので、
「1時の方向に熱いお茶があります」
「3時の方向に籠に入った海老とキスとししとうの天ぷらがあります」
「6時の方向に割り箸とわさびの入った醤油があります」
などと説明します。
この日は鳥羽シーサイドホテルのベテラン仲居さんに、早速クロックポジョンを使って
配膳の実践をしていただきました。

その他、視覚障害者がホテルで困る事は
業務用のシャンプー・リンス・ボディーソープの入れ物に
触って区別できるものが無いことだそうです。
最近市販さてれいるシャンプー、リンスのボトルにはメーカー各社に共通した区別がしてありますが、
(シャンプーボトルの両側面に帯状のでっぱり)
ホテルや旅館で使われているボトルにはそれがありません。
しかし、この不便さを克服ていただいているホテルがありました。
それはボトルに輪ゴムを掛けておき、更に輪ゴムの本数で何のボトルかを区別するというもの。
シャンプーボトルなら輪ゴム1本、リンスなら2本という具合に。
これなら、すぐにもできそうですね。
(しかしまず、この情報を視覚障害者に伝えないとダメですね)
あと、もう一つ大切なこと。
それは補助犬のトイレについてです。
うんちはかなり我慢できるそうですが、おしっこは3~4時間に1回はさせたいそうで、
これは腎臓病の予防など、健康面の管理上でも必要だそうです。
そこで、盲導犬については、ホテルの従業員に土(または芝生)のところまで案内していただきたいそうです。
犬を飼っていらっしゃる方はお分かりになると思いますが、外でトイレをする場合、
犬はくるくると回ってから用を足すので、視覚障害者は方向が分からなくなるそうです。
ですので、トイレの場合は従業員がついていて差し上げるのが望ましいようです。
研修は1時間30分の予定時間を15分ほどオーバーして
12時15分に終了。
参加者の感想は
『短時間ではありましたが、良い勉強になりました。補助犬使用者の多賀様のお話がわかりやすく楽しく勉強させていただきました。』
『視覚障害者の生の意見を聞けて、実演などもとてもわかりやすく頭に入りやすかったです。』
などの評価をうけました。
皆さん始めて知った事も多かったようで、
『目からウロコ』という表現で感想を述べられていた方も2名いらっしゃいました。
伊勢志摩の宿泊施設では、ユーザーが補助犬と共に一人でいらっしゃっても
安心してお泊りできるようなおもてなしのできる宿になるように、
我々もこうした研修を重ねて普及啓蒙をしたいと思います。
今回のセミナーでは、確かな手ごたえがありました!
これからよろしくお願いします。
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