ジョブズの語るiPhone 4:従来機より24%も薄く、人間の視覚の限界に挑む高解像度を実現
by MG Siegler on 2010年6月8日
本日サンフランシスコで行われたWWDCのキーノート講演にて、AppleのCEOであるスティーブ・ジョブズは次世代iPhoneを発表した。そう、iPhone 4がついに登場したわけだ。このiPhone 4の情報が発表前に漏れてしまったことについてはジョブズも認めた。とくにGizmodeを名指しはしなかったものの「既に新しいiPhoneのことをご存知の方もいらっしゃるとは思います」と述べた。しかし続けて「しかし誰も本当のところを見てはいないのです」と語った。
新たに登場したiPhone 4の特徴について見ていこう。まずこの新しいiPhoneはiPhone 3GSと比較して24%薄くなっている。ガラスとステンレスでできており、ジョブズはこれを「昔の美しいライカカメラ」にたとえていた。ジョブズによると、地球上で最も薄いスマートフォンだとのことだ。
2つ目の特徴としてあげられたのはディスプレイで、Appleはこれを「Retina(網膜)ディスプレイ」と名付けている。用いられているのはIPSと呼ばれる技術で、Appleが新しいデバイスで用いているものだ。「Retinaディスプレイ」と呼ばれる理由は何か。1インチの中に326のピクセルを配置し、人間の目が視認できないほどの高解像度(画面を顔から10ないし12インチほど離して見てみた場合)を実現していることによる。
「Retinaディスプレイを体感してしまったら、もう他のディスプレイには戻れないでしょう」とジョブズは自賛している。
iPhone 4に搭載されるこのディスプレイは960×640ピクセルで、iPhone 3GSに搭載されたディスプレイの4倍にあたる。また800:1のコントラスト比もiPhone 3GSとの比較で4倍の改良となっている。iPadのピクセル数の78%がiPhone 4の画面に搭載されていると言えば、その高解像度ぶりがわかってもらえるだろう。この高解像度を手のひらサイズのデバイス上で実現したわけだ。
3番目に挙げられた特徴はハードウェア面に関するものだ。以前から言われていた通り、iPhone 4はAppleのA4チップを採用している。またバッテリーも大きくなっている。この相乗効果により、状況によって(通話時等)は40%もバッテリーが長くもつようになるとのことだ。
またiPhone 4の側面に新たに採用されたステンレスはアンテナとして機能し、受信感度を倍に高める働きを持つ(リークされたiPhone写真の外見もこれで納得がいく)。
ジョブズが4番目に取り上げたのは新たに採用した3軸ジャイロスコープに関する話だった。これと既存のコンパスを組み合わせることで新たなアプリケーションが登場してくることになる(ゲームは早速この機能を利用してくることとなるだろう)。壇上のジョブズは、この新しい機能を使ったジェンガ風のゲームをデモンストレーションとして見せていた。
次にジョブズが触れたのは新しいカメラのことだ。iPhoneの背面に搭載されたカメラは(内側にもカメラが搭載されている)5メガピクセルとなった(iPhone 3GSでは3メガピクセルだった)。ジョブズ曰くカメラにとって大事なことはピクセル数のみではないが(これはより高いピクセル数を誇る他のカメラを意識しての発言だろう)、AppleはiPhone 4で撮影される写真の画像に自信を持っているとのことだった。
またiPhone 4では秒間30フレームで720p HDビデオを撮影することができる。このiPhone 4で撮影する動画を編集するため、新たなアプリケーションも発表した。このアプリケーションとはiPhone用のiMovie(iLifeにバンドルされているのと同じ名前だ)で、App Storeにて$4.99で販売される予定となっている。
さらに6番目にジョブズが取り上げたのは新しく登場するOSについてだ。名前もiOS 4と変更された。名前の変更は従来のものから全く新しいものに変化していることを示すためだろう。新OSで採用される各種機能について説明し、また検索エンジンとしてBingも使えるようになったことを確認した(デフォルトはGoogleのままだ)。
iOS 4のゴールドマスターは本日開発者向けに公開されることとなっている。
また、新しいiPhoneおよびiPad用のiBooksについても言及していた。iPad用の新しいiBooks同様、iOS 4に同梱されるiBooksではPDFを閲覧することができるようになる。
またiAdsについても新しい発表を行った。iAdsには次のような大企業が出稿を決めているとのことだ。日産、Citi、ユニリーバ、AT&T、Channel、GE、Liberty Mutual、State Farm、Geico、Campbell、Sears、JCPenny、Target、Best Buy、TBS、そしてディズニーの名前などがあがっていた。
これらの企業とは今年の下期の契約を結んでいるとのことで、7月1日から実際に登場してくることとなる。
そして発表の締めくくりとしてジョブズは続けた。
「最後にご紹介するのは」とジョブズが発表したのはFaceTimeだ。これはiPhone 4で利用可能となるビデオチャット機能だ。AppleのSVPであるJonny Iveとのビデオチャットをデモンストレーションしていた。
ちなみにこのビデオチャット、2010年中はWiFiでの利用に限られる見込みだとのことだ。電話回線でも利用できるよう、回線業者と折衝中だとのこと。
iPhone 4の販売開始は6月24日の予定で、事前申込は6月15日から開始するとのこと。6月24日にはまず5ヶ国で販売開始となり、6月中にさらに18ヶ国で販売される。9月までには88ヶ国で販売できるようにする見込みだとジョブズは述べている。
尚、iOS 4はiPhone 4に先立つこと3日の6月21日から提供開始となる。FaceTimeを除くすべての機能をiPhone 3GSでも利用することができるようになる。またiPhone 3Gおよび新しいiPod touchにも対応しており、こちらでは一部機能を利用することができる。アップグレードプログラムは無料でネット上で配信されることとなる。
iPhone 4のカラーはブラックとホワイト。16GB版の価格は$199で、32GB版が$299で提供される予定となっている。
http://jp.techcrunch.com/archives/20100607iphone-4/