ほっとけない、世界のまずしさ
このことばをキャッチフレーズに、シブイ宣伝でキャンペーンを展開しているホワイトバンド。
最近、腕にこのシリコン製の白いリングをつけている人をよく見かけます。
ところでこのホワイトバンドですが、その購入代金が肝心の「世界の貧しい人たち」に1円たりとも還元されていない事実を、いったいどれだけの人が知っているのでしょうか?
テクノラティの過去12時間で最も検索された検索ワードで、「ホワイトバンド詐欺」という言葉が上位に来ています。ここ数日は「ホワイトバンド」すらも抜いて、ずっと第一位にあります。
つまり、「ホワイトバンドキャンペーンは、それを発売しているNGOの活動資金にされているだけで、本当に貧しい人たちへの役には全くたっていない!そしてそのことを隠すように広告している!」というのが、この活動を詐欺と呼んでいる根拠のようです。
では実際にホワイトバンドの売上金がどのように消えているのか? その内訳は以下のとおりです。
流通経費=約40% (約2億4000万円)
生産費用=約30% (約1億8000万円)
広告宣伝費=約20% (約1億2000万円)
活動資金=約10% (約6000万円)
3秒に1人死んでいく子供へ=0% (0円)
※カッコ内の金額は、ホワイトバンド200万個の販売に対する各費用の概算金額
さて、この活動が詐欺であるかどうかについては、ここでは触れません。
NGOの公式ホームページにも、たしかにこう書いてあるからです。
>寄付を募ることでなく、啓発活動だけでもなく、啓発活動の結果として
>「貧困をなくす政策をみんなで選択する」ことです。
(中略)
>根本的なことを解決しない限り、地球上の貧困は決してなくなりません。
>根本的なこと、それが、政策の転換です。
つまりホワイトバンドは、政府に対して政策の転換を促そうとするNGOの政治活動だとはっきり書いてあるわけです。
しかし前述のように、CMだけを見ているとこのような裏側は分かりません。そして、おそらく大多数の人たちはホワイトバンドを買うことによって救われる人たちがいると本気で信じていると思うのです。まあファッションでつけている人も多いのでしょうけど、その人たちだって、まさかNGOの政治活動に自分達がのせられているということまでは気付いていないでしょう。
現在このキャンペーンは世界中で同時に行われていますが、ヨーロッパでは環境によろしくないシリコン製のリングでなくとも「白いものならなんでもいい」という呼びかけを行っているようです。思うに、こういう啓蒙活動こそが大切なのであって、「ホワイトバンドを(買って)身につけよう」という日本での宣伝は、啓蒙というよりもNGOの下心が見えているようで、ひねくれ者の私はどうも素直になれません。
たしかに、貧困を廃絶したいという意識を個人レベルで持つことは大切です。
その意味では、ホワイトバンドのキャンペーンは一定の成果をあげているといえるでしょう。
しかし、「ホワイトバンドを買うことで救われる人たちがいる・・・」との誤解を生みかねない宣伝の仕方は好ましくないと思うのです。
この件に関しては、多くのホームページ、ブログで雨後のタケノコのように記述が増えてきています。
できるだけ多くを参照されて、自分なりの答えを探されることをお奨めします。
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