一庵 (ひとつあん)

飛べないライター『いたっきい』の愚行をさらしています。

※普段ハtwitterニ居リマス。

みちのくの空 (三沢基地航空祭 Vol.1)

2006-09-10 | 旅行・見学


0500、起床。
0545、身支度を整え、ホテルを後にする。
早朝の青森市内は県庁所在地とは思えないほど人もまばら。
青函連絡船があった頃はまだ賑やかだったんだろうな・・・

今日は三沢基地航空祭
いたっきいが行くのは、1995年に次いで2回目。実に11年ぶり。
当時はF-2がまだFS-Xと呼ばれていた頃で、初号機が初飛行するかしないかという時期だったと思う。当時の三沢には、米空軍のF-16Cのほか、空自のF-1、E-2Cが配備されていた。
そのF-1も10年後の今年には全機退役し、支援戦闘任務には小松から転属したF-4EJ改と、新造されたF-2A/Bが就いている。
11年か・・・当時は学生で、体重も今より10kgほど少なかったいたっきいもすでに齢30を越え、精悍さのかけらもなくなった胴回りを持て余すようになるには十分な月日。(ノД`)シクシク

0600。
青森発八戸行き普通列車に乗り込む。
青森発0610~0749三沢着のディーゼル列車だ。
青森発0644~0729三沢着の特急「つがる」に乗るという選択肢はもとより存在しない。
特急料金を節約したいわけではない。せっかくの青森。キハ58に乗りたい車窓からの景色をゆっくり楽しみたいのだ。

 

列車は定刻どおり青森を出発。
異議を唱えてブーイングする胃袋をなだめるべく、昼食用に買った弁当をはやくも消費。今日もお腹の調子は絶好調。先が思いやられる。
途中の野辺地駅では、学生の頃南部縦貫鉄道廃線前に訪れたときと一変した光景を見た。
南鉄の小汚い駅舎も、いたっきいの地元の神姫バスと同系色の、肌色と赤いラインのレールバスも今はもう存在しない。線路跡の築堤とガーター橋のみがわずかにその名残を留めていた。
ここでお腹がすいたのでパンを消費。<ヲイ

0749。
三沢駅着。
快晴。こりゃ間違いなく気温は高くなるな。(事実、この日は青森も32℃を記録した)日焼け止めを買っておこう。。。
コンビニコンビニっと、お!あったあった。・・・げ!閉まってやがる。
・・・ここじゃ全然コンビニエントじゃない店でもコンビニを名乗れるのか。さすが青森、奥が深い。
しかし、開いていないものは仕方がない。結局、日焼け覚悟で会場へ向かうシャトルバスに乗ることにした。
いたっきいたちが臨時バス停に立った直後に駅から大量の人が出てくる。ギリギリ並ばずに済んだようだ。
バスの乗車時間は約15分、160円也。
0815、三沢基地ゲート前に到着。

いざ入場!・・・しかしやはり日差しがキツイ。
やはり日焼け止めを手に入れるべきだろう。
というわけで人の流れに反し、ゲートとは反対側の市街地へ。
約5分歩いてコンビニを見つけ、ようやく日焼け止めをお買い上げ。
やれやれ、これでやっと基地に向かえる。( ´o`)
時刻は0830、基地ではオープニングフライトに向けた機体の離陸が始まっていた。

 
 08:41 三沢基地ゲート

米軍が管理し、空自と民間の旅客機が乗り入れる三沢空港は、米軍の管理下にあるだけあってやはり広い!
厚木でも思うが、よくもまあこれだけの土地を確保したもんだと感心する。
JR三沢駅から三沢基地までは航空燃料を運び込む貨物専用線も伸びており、このレールは基地内のエプロン近くまで走っている。
この専用線が旅客営業したら、入間なみに便利になるのに・・・とは素人考え。保安設備はなきに等しかったし、旅客営業しても採算は取れないだろう。

 
 08:43 ゲートガードのF-16CJ(約1/3サイズ)

0900頃。
エプロン到着。会場の広さは、厚木くらいか。入間の3倍はありそうだ。
東側はるか遠くに自衛隊機、西側はるか遠くに海兵隊機が駐機している。
主役の空軍機、三沢所属のF-4EJ改、F-2A、ブルーインパルスが会場中央に並んでいた。

ブルー各機の前には、ブルーJr.も並んでいる。
後方のタキシーウェイでは、オープニング飛行を終えたF-16CJ、F-4EJ改、F-2A、T-4が移動し、エプロンにランプインしていった。

 
 09:25 T4ブルーインパルス&T4ブルーインパルスJr.
 後方にタキシングするF-4EJ改

ここに、いたっきいがはじめて目にする洋上迷彩のF-4EJ改がいた。

 
 09:31 第3航空団第8飛行隊のF-4EJ改(洋上迷彩)

邀撃(ようげき)任務で導入された日本のF-4EJファントム。しかし支援戦闘機(攻撃機)F-1の退役が迫り、後継となるF-2の配備が大幅に遅れるに至り、このファントムを支援戦闘任務に使えるように改良するプランが持ち上がった。
こうしてセントラルコンピュータやレーダーの換装をはじめとして様々な改良を施し、外見はファントムだが中身は全く別物といえるファントムの改良型、F-4EJ改が誕生した。
このスーパーファントムは、従来の邀撃任務のほか、対艦ミサイルを抱えて洋上を低高度で進出する能力、また精密な爆撃能力が付与されている。

・・・と書けばいかにもファントムが生まれ変わったように見えるだろう。
しかし所詮は約半世紀飛んでいる機体。昭和に製造された自動車に、最新のカーナビやカーオーディオを積んだかのような無理やり感は拭い去れない。

F-4EJ改の後継機も早く決まらないと後がないなあ・・・などと考えていると、兵装搭載訓練の実演が始まった。思わず腕時計のストップウォッチ機能で計測開始。有事の際には、こうした兵装転換を1秒でも短くする必要がある。下手をするとミッドウェイ海戦時の赤城、加賀、蒼龍のように一気に火だるまに・・・

 
 09:44 兵装搭載訓練

F-2にASM-2×4発、AAM-3×2発、600ガロンタンク2本を搭載するのにxx分。ストップウォッチを止め忘れた再出撃の能力を秘匿するためにここでは明かさないことにする。
それにしても翼下だけで6tもの重量物を吊っても普通に飛べるところが凄い。

 
 11:07 秋空の下、ひっそりたたずむ在韓空軍A-10A

こちらは案外人気のなかったA-10A。陽も当たってないし。
おかげでゆっくり観察できた。
A-10は“THUNDERBOLT 2”などと格好いいニックネームが付けられているが、現場のパイロットたちは“warthog”と呼ぶ。
A-10が機首の30mmガトリング砲で地上掃射をする様子が、イボイノシシが鼻先で地面を掘りかえすしぐさに似ているからだという。
 

さて、ここからは北日本最大の規模を誇る三沢の飛行展示の模様をお伝えしよう!

※なお、ここからはカメラの解像度を下げて撮影していたため、
 拡大画像のきめが粗いです。ご容赦ください m(_ _"m)ペコリ

09:50
オープニングフライトに続いて、第2航空団(千歳基地)第201飛行隊のF-15J×2機による機動飛行がはじまった。

 
 タッチアンドゴーの直後、ハイレートクライムする

垂直尾翼内側の「Z」のような模様は、第2航空団の「2」を図案化したもの。
2空団のイーグルは、優先して新型エンジンが供給されている。このイーグルも、デジタル制御のF100-IHI-220Eに換装している。
またJ/APQ-1後方警戒レーダーを追加装備(958号機以降の機体)している。
これらの改修をMSIPと呼ぶ。

 
 ベイパーを長く曳きながら上昇旋回

エンジン出力が制御しやすいMSIP改修機は、機動飛行も一味違う印象があるが、気のせいか?
2旋転、3旋転と大きくターンしながら徐々に高度を上げる機動でも、エンジンの大推力を遺憾なく見せつけていた。

 
 会場上空で機首を引き起こし、上昇に転じる

オールフライングテール(全浮動尾翼)が、機体を引き起こしていることを示している。イーグルはアフターバーナーを使用しない状態でも大胆な機動が可能。あまり知られていないが、F100-IHI-220Eエンジンを搭載したイーグルは、アフターバーナーを使用しなくても音速で巡航できるスーパー・クルーズ能力がある。

 
 翼を振り、千歳に帰還する・・・って、写真じゃわからんね

 

千歳のイーグルが去った後は、地元の機体が展示飛行を行う。

第3航空団(三沢基地)第8飛行隊F-4EJ改ファントム×4機による機動飛行と模擬対地攻撃がはじまる。

第6航空団(小松基地)第306飛行隊が1997年にF-15に機種改編したのに伴い、小松からこの第8飛行隊にパイロットごと転属してきた機体たちだ。
今日飛ぶ機体の中に、いたっきいが過去に見た1995年の小松航空祭で、空中でドラッグシュートが開いてしまい失速気味に主脚を滑走路に叩きつけてエマージェンシーを宣言した機体がいるだろうか?

いよいよ離陸。
ファントムはいきなり魅せてくれた。
いきなりのフォーメーションテイクオフ&ハイレートクライム。
写真も撮らずに呆然と見送ってしまった。
次の2機もフォーメーション。離陸直後、揃って右旋回に入る。
ギアアップのタイミング、旋回に入るタイミングなど、2機の動きが気持ち悪いほど正確に揃っていて、美しいというよりもむしろ不気味さを感じた。

 
 ゆっくり右にロールしていく2機のファントム改

食いすぎの象のように大柄で重いファントムは、大推力のJ79エンジンをもってしても鈍重な印象を受ける。離陸時はなおさらだ。
しかし、一度速度に乗ってしまえば意外と敏捷に動く。

 

大気の密度が高い低空域では、J79エンジンの瞬発力を感じることができる。航空祭でのフライトも、航空機の常識からすれば墜落寸前の低高度。この高度では半世紀近くも飛んでいる戦闘機とは思えないほどの機動力を発揮する。

 
 模擬対地攻撃。目標点通過後、引き起こす

邀撃機として導入されたファントムだが、第8飛行隊で支援戦闘任務についたときから、対空、対地、対艦すべての戦闘行動が要求されるようになった。
空中格闘戦、地形追随飛行、低高度洋上進入。パイロットのワークロードが大幅に増えたことは想像に難くない。

 
 急上昇後、左旋回して離脱する

久々のJ79サウンドは、やはり雷を耳元で聞くような感じでしびれた。
しかし慣れというのは恐ろしいもので、はじめは“この世にこんなうるさい音があったのか!”と驚いたこのエンジン音も、なければ寂しく感じる。
もはやF15のF100エンジンやF-2のF110エンジンの音では満足できないM感覚の体になってしまっていたようだ。(;´д`)ああっもっとぉ

そろそろ小腹がすいてきた。<ヲイ
いつものようにカレーを所望したところ、友人が屋台を探して買ってきてくれた。
今回はタイのグリーンカレー

なかなかうまい。


つづく。

 


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3 コメント

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三沢はオススメです (いたっきい)
2006-09-25 04:14:41
■仮眠ライダー55さん

だんだん更新が遅くなっていくいたっきいでございます・・・f(^_^;

はっきりいって写真は失敗でした。サーキュラーPLフィルタ(被写体に光が当たっていないと青みがかかってしまう)と、メモリの消費を恐れてカメラの解像度を下げていたのでザラついた画像になってしまったことが敗因ですね。

「もてぎ」ではこの教訓を生かすことにします。



>ファントムにはいろいろな任務がかせられ、頭が下がります。

米軍はワイルド・ウィーゼルにF-4Gを使っていたくらいですし、文字どおり世界中であらゆる任務に就いていますね。機体が大型で改造しやすいのも一因でしょう。

どんどん任務を増やされるパイロットはたまったもんじゃないですが・・・(;-_-)



ブルーJr.はつぎは「もてぎ」で見ます。

そういえば以前、Jr.を運転してるいたっきいの写真をご覧いただいたことがありますが、それも「もてぎ」で撮ったものでした。



ついでに言うと、いたっきいは鉄道マニアではありません~(m~ー~)m



■かっちーさん

またどこかの航空祭に行きたいね。

西日本でオススメは、岐阜10/15、築城11/26、新田原12/03かな。

築城は未定だけど、新田原は行くよ、多分。



>画像、また壁紙用に保存しちゃったぁ

そういうニーズもあろうかと、最近は画像を1280x960ドットにしてあるんよ。

気に入ったのがあれば適当に持って行っちゃってください。
返信する
いいなーぁ (かっちー)
2006-09-20 08:17:02
私も休みだったら行きたかったなぁ。。。。

画像、また壁紙用に保存しちゃったぁ
返信する
爽快ですね! (仮眠ライダー55)
2006-09-20 00:31:35
レポ楽しみにしていました♪



美しい青空の中、F-15JもF-4EJ改も気持ちよさそうに飛んでいますね!

ゲートガードのF-16も本物が飛んでいるのかと思ってしまいました(ぽりぽり、笑)



それにしてもファントムにはいろいろな任務がかせられ、頭が下がります。。。あの轟音が聞きたいです!



Jr.がブルーの前に展示されているというのもいいですね。ブルーの親子&F-4EJ改のスリーショットもすごく楽しいですね☆A-10もやっぱりかっこいい!



三沢までもディーゼル列車の旅を楽しまれたとのこと、すごい充実した三沢遠征でしたね!
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