埼玉県加須(かぞ)市で行われる利根スカイフェスティバル。
今年はブルーインパルスも展示飛行を行うということでまた一人で行ってきました。
民間でのこういうイベントは近年まで少なかったのですが、最近は徐々に増えてきて
います。その陰には、やはりエアロックやチームディープブルースをはじめとする民間
アクロチームが複数誕生し露出度が高まったことと、航空に関する民間の理解が得ら
れはじめたことが大きいと言えるでしょう。
利根スカイフェスタの場合は、会場の周囲に滑空場(グライダーの離着陸場)が点在
し、普段からグライダーが飛行するなどスカイスポーツには理解がある土地柄ですの
で、このようなイベントが実現する素地があったのでしょう。
それでも、一般の人にとって航空界はまだまだ遠い世界です。
(みんなそう思っているだけで、意外と身近なものなんですよ。。。)
こういうイベントを契機に、空の世界へ飛び込んでくる人が増えることを
期待するや切でアリマス。。。
・・・と、なぜか結論が先に来てしまいましたが・・・
さて、この日のフライトは、2km西にある羽生(はにゅう)滑空場のグライダー、国産の
小型機FA200のアクロ、そして航空自衛隊ブルーインパルスが実施しました。
加えて、遊覧飛行のヘリと熱気球もイベントを盛りあげます。
体験係留飛行のホットエアバルーン
遊覧飛行を行うヘリコプター(AS350B)
この日精力的にフライトを行ったのは、羽生のグライダーでした。
機種は、Nimbus 3D (ニンバス3)と Duo Discus T (デュオディスカス)。
ともに高性能機です。
バルーンをかすめて進入するディスカス
この高度で飛来して急上昇、その先で180度ターンして再びローパス・・・と、動力なし
に低空を何度も行き来できるのは、滑空比(前進距離と高度損失の比率)の高い高
性能機ならではです。
ディスカスTはエンジンとプロペラを胴体内にしまっています。つまり、ふだんは高性能
のピュアグライダーなのですが、エンジンを出せば飛行機のように自力で飛ぶことが
できるのです。
もちろんエンジンは飛行中に出し入れすることが可能です。
背中からエンジンを出し、動力飛行するディスカス
ちなみに機種名の Duo Discus T とは、「二人乗り」の「ターボ付き」ディスカスの意味
です。つまりエンジンを積んでいないディスカスも、一人乗りのディスカスもあります。
また、ディスカスに限らずグライダーの風防は戦闘機と同じようなバブルキャノピーで、
実に暑苦しい(;´д`)ゞ 広い視界を確保しています。
ローパスするディスカス
コクピットの視界の良さと操縦応答性は戦闘機なみ!
胴体上面に黄色いものが飛び出ていますが、これはプロペラの一部で、完全に収納
されていない状態です。
収納されるとフタがしまり、外見上も性能も完全にピュアグライダーと同じになります。
・・・それにしてもなんで中途半端に出たまま止まってるんだろう(・ω・ )?
実はこれって、グライダーにとってはけっこうキツい状態なんですよ。
ほとんど収納されていますがこれでも空気抵抗が大きく、滑空比がおおきく落ちるん
です。。。
しかも滑空場まで2km・・・ちと心配になりました。<グライダー関係者のみ納得してください
さてもう一機のグライダー、ニンバス3も魅せてくれました!
ニンバス3の滑空比はなんと57:1。
つまり(理論上は)高度が1000mあれば57km先まで飛べるという「超」高性能機です。
ニンバス3Dの主翼は異様に長い!
翼幅26m、アスペクト比36.0!
グライダーの外見上の特徴は、極端に空気抵抗の少ないボディと大きなアスペクト比
(翼の長さと幅の比率)の翼をもつこと。
簡単にいえば、翼が細長い(=アスペクト比が大きい)ほど低速で大揚力を発生します。
しかし、ただアスペクト比を大きくすればいいというものではありません。
翼を長くすればするほど構造的に弱くなり、速度も出せなくなります。
また機体が重くなり慣性も大きくなるので、操縦も難しくなります。
それらを高次元で両立させているという意味でも、ニンバスは高性能機なのです。
・・・いつかはこんな機体を飛ばしたいなあ。。。...( = =) トオイメ
あ、そうそう。
加須といえば、彼女たちを忘れてはいけません!
地場の名産品イチゴのピンク色と、フレッシュなイメージからその名がつけられたという
地元アイドル?ユニット。
その名もピンキッシュです!
地アイドル、ピンキッシュ♪
最前列で熱いまなざしを向ける人たちも・・・( ̄ー ̄;)
ピンキッシュ♪ (*^。^*)キャ\(--;)ォィォィ
って、あれれ? ホームページによるとメンバーは4人のはずですが( ̄ー ̄?)
・・・どう見ても・・・1人足りない・・・
と思ったら、学校の行事で不参加とのアナウンス。。。
う~ん、このあたりのベタさが地元アイドルユニットならではです(;^_^A
しかも、ショー?の最中にいつの間にかさらに1人減って、2名に。。。
実に微妙なアイドル?っぷりです。┐('~`;)┌
他にも「スカイフェスタ」の名前とは無関係のアトラクション?がいくつかありました。
個人的に面白いと思ったのが ρ( ̄∇ ̄o) コレ
ユンボの運転を楽しむ親子連れ・・・( = =)
ほかにも、ダンスコンテストや加須名物うどんの早食い大会、フリマなども行われ、
それなりに楽しめる内容になっていました。
ダンスコンテスト
誰ですかいいときにメール送ってきた人は?
ichirouさんですかそうですか。てなわけでお初にお目にかかりました。
12:50。
いよいよブルーインパルスのフライトが迫ってきました。
会場と会場を見下ろす位置のスーパー堤防上は、おそらく主催者も予測していなかった
ほどの人出でしょう。
模擬店も売り切れ続出。うどんもな
ブルーの集客効果を改めて感じました。
さて、ブルーインパルスがこの場所にまっすぐ進入するには、利根川沿いに飛んでくるしか
方法がありません。
というのも航空機から地上を見ても、案外近くしか見えないからなんです。
山や湖などの特徴的なものがあればいいのですが、目立った目標物のない関東平野の
ど真ん中を高速で飛行していると、機位を常に把握するのは困難です。
移動式TACAN(タカン=空港のVOR/DMEのようなもの)でも展開していれば話は別ですが、
常識的に考えると目標物のない会場にピンポイントで到達できる可能性は低いんです。
・・・と思っていたら、やはり利根川を遡上して来ました!
利根川に沿ってデルタ隊形で進入するブルー
ブルーの演技は次の内容でした。
1.デルタローパス(上写真)
2.ピラミッドローパス
3.リーダーズベネフィットローパス
4.スワンローパス
5.デルタ360ターン
6.ポイントスターローパス
7.チェンジオーバーターン
8.ナイフエッジローパス(5番機)
9.レベループナー(1~4、6番機)
このような航過区分(アクロを行わず、編隊飛行を中心とした演技)ではあまり派手な動き
はありませんので、隊形変換のあるチェンジオーバーターンやレベルオープナーだけでも
観客は盛り上がります。
・・・それにしてもナイフエッジでどよめきがあれほど大きいとは・・・ロールでもした日にゃ
一人ぐらい失神するんじゃないだろうか ☆ヽ(o_ _)oポテッ
レベルオープナーで締めくくったブルーインパルス御一行様はそのまままっすぐ展開基地、
入間に戻っていきました。
そして観客もいっせいに帰りはじめ・・・と思いきや、意外と粘る人が多いようです。
その後再び羽生のディスカスとニンバスが突然のローパス!
イベントをサポートします。
ニンバスの引き起こし!主翼がしなるしなる
超低空を高速で進入するニンバス
今度も低かった! 魅せてくれます。
そして最後は高度を極端に落とし、木の陰に隠れる高度を保ちながら滑空場に帰って
いきました。
相変わらずほれぼれするような高性能っぷりです。
14:00。
FA200のデモフライトです。
FA200は富士重工が開発した国産機です。
富士重工は戦中、主に陸軍の航空機を開発製造していた中島飛行機の後身ですので、
FA200はいわば「隼」「疾風」の弟といえるのかもしれません。全然似ていませんが。
2機で飛来したFA200は、編隊飛行と単機でのアクロをそれぞれ実施しました。
2機で飛来したFA200
引き込み脚になったらもう少し格好いいのになあ・・・
垂直上昇するFA200(JA3947)
この機体にはスモーク発生装置が装備されている
(なぜか)背面飛行でも燃料が供給されるようになっているとはいえ、さすがにアクロ専用
設計ではない本機は、ロールレートも低く、ナイフエッジも不可能。。。
エルロンロールをやってもほとんどバレルロールのような動きになってしまいます。
さすがにアクロ無制限の機体とはわけがちがうようです。
しかもFA200の操縦はたしかスティックではなく、ヨークで行うんです。よーやるわ┐(´-`)┌
それでも、ループの頂点を過ぎた位置からスナップロールに入り、同時に機首を一気に
持ち上げると、こんな派手な機動になります。
ラムシェバックに近い?動き
そうそう、かなりの低高度からスピンもしていました。写真とってないけど。
以上で公式のフライトは終わりです。
いたっきいはこの時点でとっとと帰りましたが、しばらく無線を聞いていると羽生のグライダー
がまたローパスをやっているようでした。
あ、そうそう、ピンキッシュの残り一人ですが。
ブルーのフライトの時にはちゃっかり戻ってきてましたよ。
誰も気づいちゃいませんでしたがw
ステージに上がってブルーを見る四人組
・・・てか、制服のままかいな・・・ ヾ(^o^;
いや、反対に4人とも制服でステージに立てば、偏執的なコアなファンがかなりつくんじゃない
ですかね?
ニッチに攻めていかないと、にっちもさっちもいかないでしょう。・・・・・・・・人( ̄ω ̄;) スマヌ
今度会ったらサインを貰お♪ (〃▽〃)キャ☆
次の機会に存在してたらね
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ダンスコンテスト見物の邪魔しちゃってごめんなさいです!
きっと獲物を見つめる眼差しでステージを見ていたんでしょうね?
来年は思いっきりピンキッシュして下さい、邪魔はしませんので。
さてさて、FA200のアクロも面白そうですね。
見てから帰れば良かった
ラムシェバックもどき、見たかったなぁ~
写真に愛が感じられましたw もうね、かぶりつき
私なんか足元にも及ばなかった・・・まだまだです<え?
FA200は、かなり苦労してアクロやっていました。とはいえ、普通の自家用小型機であれだけ動けりゃ十分ですね。あんな飛行機が一機ほしいですw
つい最近航空ファンになったのですが、グライダーは見たことがありませんでした。でも写真を拝見し、その美しさに感動してしまいました。
来年の利根スカイフェスティバルは是非行きたいです、楽しみです~
はじめまして。mixi拝見しました。
ブルーインパルスのファンの方ですね。よろしくお願いします。
グライダーの滑空場は、関東にいくつかありますのでこれから目にされる機会もあるかもしれません。
お住まいの近くですと、成田空港近くに「大利根滑空場」があります。体験搭乗もできますよ。もちろん前席で!
かくいう私もグライダーに乗ります。(最近飛んでいませんが・・・)
忙しくて投稿が遅れていますが、新田原航空祭での写真も載せますのでまたご笑覧ください。
大利根滑走場、調べてみました、是非一度行ってみたいです。グライダーから撮られてた写真など見て、前席に乗るとこんな風に見えるのかな~とちょっぴり搭乗した気分を味わいました。いたっきいさんも操縦されるのですね、気持ちいいのでしょうね~
性能機ならではです。..
お住まいの近くですと、成田空港近くに「大利根滑空場」があります。体験搭乗もできますよ。もちろん前席で!