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ミケマル的 本の虫な日々

今日のスタバ読書は『spring』


 また来ました、スタバ読書
暑くて外に出たくないけど、時々外に出ないとね。
戸外は暑過ぎて無理だけど、気分転換にはスタバ読書が一番



冷たいもの飲み過ぎたので、今日はホットで
本は恩田陸さんの『spring』


 恩田さん、今度はバレエ小説ということで、どんな感じかしら?と思いつつ読み始めました。
終わりに差し掛かったので、これを持って行きました。

 どうでもいい情報ですが、私は小学生の時にバレエを習っていまして、とても好きでした。
当時は背が高かったのと女の子が多かったので、王子様役をしたりしてた(笑)
結構一生懸命に練習してて、バランスは良かったと思うので、トウシューズも捌けるようになり、回転も結構得意だった。
しかし!体が硬かった〜!
いくら柔軟体操しても柔らかくならずに、これ以上上手にはならないなと自分でも思いました。
中学に入ってからは運動部に入ったのでバレエはやめましたが、それでもやっぱり好きだったな〜

 ということで、バレエには興味津々でございます。
さて、この小説の主人公は萬(よろず)春(はる)
自分の紹介にten thousand spring と。
なので本の題名がspring

 この春は恵まれた容姿と身体を持ち、さらにバレエのために必要な運動神経を持ち、十分な教養を蓄え、それらの能力を前提としたところでの振り付けの天才なのだった。
春についてをその友であり最初に振り付けをしてもらった彼自身がバレエの天才であるじゅん、小さい頃から見守っていた叔父、一緒にバレエを学びながら自身は作曲家になった七瀬の視点から春を語ります。
最後に春自身の視点から語って終わる。

 実在の人物ではもちろんないけれど、こんなギフトを貰う人がいるのだろうかと思うほどの才能豊かな春。
でも、恩田さんの筆力なのか、本当に居るように思えるし、周囲のダンサーたちの描写も楽しく、周囲の大人が春やその他の才能あふれる人々のギフトを邪魔しないように導いている様子も気持ちよく読めました。
しかし、ギフトをたくさん持ってるということは、普通とはかけ離れているってことでもあり、常人にはない苦労も色々とあるわけで。

 色々な要素も入ってはいるけれど、貫いているのはバレエ、そして芸術への情熱。
「この世のカタチ」を見ようとし、それを体現しようとする人。
バレエへの恋を描いている小説なのかな。
私のような常人にはわからない境地ではあるけれど、そんなバレエを見てみたいなと思いました。
春の気持ちが語られる最終章が良かったな。
そうか、そうだったのかと。

 オリンピックもそうですが、ギフトを貰った人たちがさらに努力をして競っている世界を垣間見させていただいている感じがします。
凡人には凡人の悩みがあり、天才には天才の悩みがある。
その点では平等なのかもしれませんが。
私は圧倒的なギフトを持っている春やその周囲の若者たちがさらに才能を開花させていくのを見たいなと思いました。そして、春だけでなく登場人物の皆さんを愛おしく思うのでした。


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