ミケマル的 本の虫な日々

10月の読書 その2


10月は再読と積読本の国シリーズ 
(ひっそりと10月はたそがれの国にかけています😅)

再読本
『トリップ』角田光代
『パイロットフィッシュ』大崎善生

そして、積読本
『ペナンブラ氏の24時間書店』 ロビン・スローン 島村浩子訳




『トリップ』
 東京近郊の町に住む人々がなぜそこに居るのか?と色々な人が語る短編集
人は良きにつけ悪きにつけそれぞれの人生を漂っているんだなと、しみじみ読みました。
心の中のことは他人にはわからないから自分で消化しなくてはいけないけれど、なかなか難しい。それができなくても、淡々と生きているように見えるのが人生なのかしら?なんて、ちょっと哲学的になりました。
 この短編集は少しずつ繋がっているような絶妙な順番になっています。
人生の幸福と不幸はの違いは微妙であり、深いなと感じさせてくれる本でした。

『パイロットフィッシュ』

 この本も読んだはずなんですが、ほとんど覚えた無い(10年以上前に読んだようです)
「人は巡り合った人と二度と別れることはできない。」というフレーズから始まるこのお話は、主人公が巡り合った人との思い出と現在を行き来しつつ進んでいくお話。
否が応でも記憶とともに現在を生きているから、と。

 まだ青春からあまり経っていない主人公だからな〜〜なんて思ったけれど、青春の取り返せない思い出や大切な人との別れ、人生の機微がなんとも言えなく切なさがありました。
様々なエピソードの積み重ねの中につながりがあったり、淡々とした中に熱い思いが感じられたり、しみじみと読みました。

 題名であるパイロットフィッシュは熱帯魚などの魚を飼う前に水槽の環境を整えるために先に飼育する魚のことだそうです。
主人公が大きな水槽で魚を飼育していて、パイロットフィッシュのことがお話の中にも出てきます。
私は全く知らなかったので、その部分がとても印象的でした。
本命の魚を入れる前に健康なパクテリア環境などの水質が整っていないと飼育がうまくいかないそうで、丈夫で安いお魚をまず新しい水槽に入れて水質を整えてもらい、その後に本命の魚を入れるそうなのです。
 その後、パイロットフィッシュはそのまま一緒にするか、別の水槽に移すかするとネットにはありましたが、小説の中の説明では処分してしまう人もいると書かれていて、哀しいエピソードとなっています。主人公はそれができないからパイロットフィッシュは使わなえないって言っていたので。

 ちょっとググっただけでも水槽で魚を飼うっていうのは色々と知識が必要で大変なんだな〜〜なんて、そっちの方に関心してしまいました。
でも常識的な方はパイロットフィッシュを処分したりしていないようで、その点は少し勝手に気持ちが楽になりました。
何事も奥が深いですね。


積読本
『ペナンブラ氏の24時間書店』


 24時間開いている書店は本好き、本屋好きには素晴らしいな〜〜なんて思って買ったのだけれど、読んでいませんでした😅

 ペナンブラ氏が経営しているこの書店は普通の書店としてはベストセラーや新しい本をほとんど置かない地味古書店だけれど、その奥に謎の本が置いてあるところがある。
そこには特定の人しか読めない本が沢山置いてあり、しかも貸し出し制というなんとも不思議なシステムがある。
アルバイトで勤め始めた主人公が、その謎の部分を知りたくなったところからお話が始まります。

 この書店のシステムとその広がり、その目的が荒唐無稽なんだけど、それを秘密裏に解明しようとする方法が現代的で実際的なところもこのお話を面白くしています。
秘密結社、暗号解読、コンピュータ・データ解読、古書、などなどのキーワードにワクワクさせられます。
そして、その結果もなかなか良いと私は思いました。
本好き、本屋好きにはなかなか面白く、出版当時(2013年)にアメリカで多くの反響があった本だったそうです。
 途中にマニアックな部分があったけれど、青春小説としても読めて楽しめました。


 そろそろ買いたい本が出てきたけれど、再読と積読本を読むのが思っていたよりもずっと面白いので、しばらくは続けようと思います。

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