映画「眺めのいい部屋」が好きで、DVDも持ってて何回か観てました。
私はイギリスの小説や映画が好きでして、主役のヘレナ・ボナム=カーターも好きなんです。
TVでやってたのを見かけて、最近もう一度DVD観たら、原作が読みたくなって買ってみました。
原作はE.M.フォースターの同名の小説。(西崎憲、中島朋子訳)
細部は少しずつ違う部分もあるけれど、映画が原作小説をよく描いていている事がわかりました。
小説→映画の順番でも、違和感なく見られたと思います。
(え〜〜?って思うような映像化って事も結構あるから)
お話はルーシーというイギリスの若い女性がイタリアのフィレンツェに旅行に来ているところから始まります。
100年くらい前のイギリス社会の中流以上?の階級のしがらみの中で生きているルーシーが、フィレンツェという旅先でそれまでの既成概念が色々と崩れる体験をする。
もともと、情熱的なものを秘めていて自分の頭で考えようとしている人なんだけど、それを自覚していないのですね。
ピアノを弾く時だけそれが現れて、周囲を戸惑わせたりしてるような人。
イギリスの帰ってから、映画では突過としてセシルという、より上流階級の男性と思われる人と婚約するんだけど。
そこから、ルーシーは自分の中の本当の思いと、それを認められない自分と、周囲への葛藤などで、色々と悩む。
100年位前のイギリスの階級性や道徳観の中でルーシーが自分を見つめるようになる葛藤なんだけど、今の世の中でも周囲や自分の思い込みとの葛藤や自分で考えるという普遍的なテーマも含まれているところが今読んでも面白いんだろうなと思いました。
流石に、小説の方が主人公のルーシーの心の動きが細かく書かれているし、ルーシーの家庭の背景や婚約者セシルとどういう経緯で婚約したかなど、映画では不明だったことがはっきりしました。
ところどころで読者に話しかけるような書き方の部分や、眺めを心象風景のように描くとか、フォースターの時代には新しい書き方だったかしら?と思ったけど、どうなんでしょう?
訳が素晴らしいからと思うけど、古臭くなくとても楽しく読めました。
そして、やっぱり原作の方がより面白いなと思いました。
ただし、甲乙付け難いです。
映画は登場人物が皆さん魅力的で個性的だし、イタリアやイギリスの風景が素晴らしい。
風景が素晴らしいっていうのが、私の映画の評価には大きいので😉
ビープ牧師とか、弟のフレディーとかは小説よりも映画の方が魅力的に描かれていて好きだな〜〜
という事で、原作も映画も両方好きだって結論になりました。
フォースターさんの小説は「インドへの道」「ハワーズ・エンド」など、映画化されているのが多いのだけど、見たかしら?(すっかり忘れてしまった(笑)
これらの小説も読んでみようかな🤗
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