没後90年記念 岸田劉生展
山口県立美術館で開催中です。12月22日まで。
岸田劉生さんは、娘の麗子さん描いた絵が有名ですが、ちょっとデフォルメしたような暗い絵だなという印象を持っていました。
今回、岸田さんの初期から晩年までの絵を詳しく見ることができて、その印象が変わりました。
明治から昭和初期にかけて制作された絵は、色々な海外の画家や国内の友人や絵に様々な影響を受けながら、変化して行きます。
自分の絵を追求しつつ、柔軟に色々なものを取り入れていく岸田さんを知ると、なんかとても親近感のようなものを感じました。
そして、とても才能があった画家だったんだなと、改めて知りました。
やはり画家だった人と結婚し、子供をもうけ、奥さんや子供(麗子さん)の絵を描き、友人が訪ねてくると、その顔をやたらと肖像画にしちゃうという、本当に絵に生きた人なんだな〜〜と。
後年は日本画を書いたりもしていて、それもなかなか味がありました。
有名な「麗子微笑」をはじめとする、麗子さんの絵も多く展示されていて、近所の農家の娘さんの絵もあり、麗子さんを愛して書いているのは確かなんだけど、私の印象よりも、絵に没頭して、どちらかというと、絵を愛していたのかな?なんて思いました。
麗子さんはまだ小さい時から、父の絵に対する情熱を感じて、モデルとしての意識が強かったようで、長時間同じ姿勢をするのも一生懸命我慢していたそうです。
のちに、ご自分も絵を描いており、その娘さんにも才能が受け継がれたようですが、劉生さんが早く亡くなって苦労されたようです。麗子さんの物語がもっと知りたいなと思いました。
岸田さんの絵の軌跡や、その人生の経過に沿って拝見していると、なんだか暗い絵だな〜〜と思っていた「麗子微笑」がとても愛着のある一枚になったのが不思議です。
そして、初めて知ったのですが、岸田さんは満州への旅の帰国途上で山口県徳山に滞在中に亡くなったのだそうです。(38歳)
そのご縁もあって、今回山口県での開催になったようです。
山口県立美術館の前は、東京ステーションギャラリーでの開催、山口の後は、名古屋市美術館で開催されるそうです。
山口県立美術館の良いところは、とにかく混んでないことです(笑)
ゆっくり見たい方は是非山口県立美術館にお越しください!
前半と後半は入れ替わる絵があるようなので、もう一度行って見たいなと思いました。