昨日は山口スカラ座のレディースデイだったので、『グーグーだって猫である』を観てきました。内容は原作とちょっと違うところもあったし(原作のままだと、映画にはならないかも)、ちょっと印象がねというところもあったけど、内容よりも、映画の中に大島弓子の漫画がたくさん導入されていて、それがたまらなかったです。それから、吉祥寺が懐かしかった(大学から近かったから、よく遊びに行きました)。井の頭公園のゾウの花子さんはもう死んでしまったし、公園入り口の半分外の屋台のような焼き鳥屋さんもなくなってしまったらしいですが、大学時代にタイムスリップしてしまいました。
導入されていた個々の漫画も、「アーあれだ」とか「ソーあれあれ」などと思いながら観たけど、出版記念会をしていた場面で出ていた『大島弓子選集』を見て、持ってる持ってる、ちょっと贅沢だと思ったけど買っといて良かった(今では絶版で、出版社がつぶれたらしく、中古でもほとんど買えないらしいので)などと思ってしまいました。家に帰ってから眺めて(全部並べると、背表紙が一枚の絵になっているのです)、にやにやしていましたよ(だいぶ怪しいやつですね)
漫画のアシスタント役の上野樹里が、初めて『四月怪談』を読んで、泣くところがあって、そうなんだよね、そうなんだよねと激しく同意してしまいました。初めて読んだ時はもちろん、ストーリーを知っていても、再読すると必ず涙が出てしまう話がすごく多いのですよ、大島さんの漫画は。そして、その涙が悲しい涙ではなく、なんだか分からないけど泣けてしまう涙なのです。
大島さんの初期の話は、恋愛や青春の痛みというような、少女マンガ的なものが多いのですが、だんだんと人間の心理というか、人生というか、漫画の域ではなく、上質な小説というようなものになっています。今はやりの癒しというものを越えていると思いますよ。橋本治は、「大島弓子をわかるということは少女であるということ」?というような事を書いているそうですが、たぶん本を読まない少女には分からないのではと思います。どちらかというと、本を読む大人の女性又は大人の男性に分かるような世界なのではと思えるのですが。(ここでいう本を読む読まないというのは、個人的趣味を指しています)
本当に出会ってよかったと思う本はそれほど無いけれども、私には大島さんの漫画は、本当に出合ってよかった本の中のベスト3に絶対に入るものです。とうわけで、最近映画がらみで、大島弓子の漫画が店頭に見られるようになっているので、手にとって読んでみてくれる人が増えたら嬉しいと思います
それにしても、山口は本当に温暖化してる?というような寒さです。
コメント一覧
ミケマル
tomomaru
みけまる
Ryushin58
ミケマル
K.H.
最新の画像もっと見る
最近の「本」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事