キジトラの彼女は高齢でした。
仕事をしていても、彼女の体調が良くないと私が不安になってしまい、いつかは別れの日が来ることをとても恐れていました。
その後2年間。
彼女は生きました。
最期、私が自分で決めていたこと。
守れなかった。
今でも信じられないのですが、瀕死の彼女を置いて外出してしまったのです。
その日も動物病院へ行って、獣医さんに今日中にどうにかなることはないと聞き、
それでも明らかに衰弱して自ら動けない彼女を置いて行ってしまった。
彼女の前で母親と大げんかをして、怒鳴り声を聞かせてしまった。
その後です。
出先で母親からの連絡を受けました。
泣きじゃくりながら「死んじゃった!ちょっと目を離した隙にコタツの前で倒れて。」
スコくんが亡くなっても泣かなかった母。
キジトラの彼女にあまり関心がなかったのに(彼女は母のことをとても怖がっていました。気配がすると逃げるw)
あんな風に泣きじゃくるなんて、私がびっくりして、逆に泣けなくなっちゃったんですね
早く彼女の元へ帰らなければならないのに、帰りたくない。
高校時代の担任に電話をしながら帰宅しました。
先生は落ち着くように言葉をかけてくれました。
そして、対面。
一気にそれまで引っ込んでいた涙が出てきて止まらない。
直ぐに彼女が使っていた毛布で彼女を包み、椅子の上へ寝かせました。
本当は最後だけ一緒に寝たかったのですが、先生はそれはダメだと言うので、彼女が横たわる椅子をベッドの隣に持ってきて眠りました。
3日間は何も出来なくて。
ずっと泣き叫んでいた気がします。
彼女が旅立って数週間は、夜に水を飲む音やコタツから出てくる足音、お風呂に入っている時の出待ちの鳴き声等々…
聞こえるんです。まだ近くにいるのかな、
なんて元担任とも話していました。
それからは圧倒的な喪失感との闘いでした。
仕事から帰っても、もうあの仔は玄関の前で待ってくれていない。
何故あの仔がウチにいないのか心が理解できない。
そこかしこに彼女の存在を濃く感じるのに。
踏切の前に立つと引き寄せられる気がして、自分が怖かった。
ゾンビ状態でした。
職場では怒りが止まらず、上司をモノでぶん殴りそうになる衝動に駆られるし、理不尽な感情でいっぱいになって、自滅。
退職してからは、がむしゃらに働いた日々を激しく後悔しました。
その時間を彼女と過ごせばよかった。
もっと近くで一緒に居れば、身体の異変に気付けたのに。
具合のわるい彼女を置いて仕事へ向かうこともなかったのに。
自分がやったきたこと全てが無駄に思えてなりませんでした。
それでも季節は刻々と進みます。
彼女と最後にお花見をした場所。
あんなに悲しい思いで桜を見たのは生まれて初めてでした。
喪失感と悲しみは今もあります。
長くかかることだと言われました。
ありがとうも、ごめんねも言い切れないくらい沢山あって、そういう思いはどこへ行くのでしょう。
どうか、届いてほしい
宇宙一愛しているって
とても愚かなことをした私だけど
あなたを傷つけたし、最期も一緒に居なかった私だけれど、
それでもあなたのこと一番大切に思っていること
あなたがくれたスペシャルな愛を忘れないよ
私の中にあるあなたへの愛を忘れない
私の所に来てくれてありがとう。
本当にありがとう。本当にごめんなさい。
また会えますように。
最近は、この歌を聴くとキジトラの彼女を思い出します☺️
大切な人や存在を失った全ての方々へ。
↓
https://m.youtube.com/watch?v=lYIMH8RYCLw
(フル/live)