JAXA、155Mbpsで通信できるインターネット衛星「WINDS」を公開
6月26日23時30分配信 Impress Watch
写真:Impress Watch
独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は26日、筑波宇宙センターにて超高速インターネット衛星「WINDS(ウインズ)」の概要説明会を実施。打ち上げ前のWINDSを公開した
■ WINDSを利用して地上通信が不便な地域でも高速なインターネット接続が可能に
WINDSは、政府IT戦略本部の重点計画に基づき、静止衛星が持つ広域性、同報性、耐災害性の特徴を活かして、地上インフラとの相互補完ネットワークの構築を実証するために打ち上げられる人工衛星。独立行政法人情報通信研究機構(NICT)との協力により技術開発や実証実験を実施する予定だ。なお、WINDSの総開発費は、JAXAでは打ち上げに関わる費用なども含めて約465億円、NICTでは全体で約60億円としている。
実証実験は、WINDSを打ち上げた後に東経143度、高度36,000kmの位置に静止させ、Ka帯(20~30GHz)を利用し、一般家庭での利用を想定した送信1.5Mbps、受信155Mbpsでの通信技術や、法人利用を想定した1.2Gbpsでの通信を行う。また、日本国内のほか東南アジアや太平洋地域を含む広域での高速通信技術の検証、利用開拓に必要な通信網システムの整備なども行うとしている。
JAXAでは、WINDSによって地上での通信が不便な地域でも高速なインターネット接続が可能になると説明。利用方法としては、災害などによって重大なアクセスラインが切断された場合のバックアップ、災害時の情報配信や臨時回線の設置、日本国内の離島や東南アジア地域などブロードバンド環境が整備されていない、あるいは整備できない地域のデジタルデバイド解消などを想定している。また、WINDSは機器内に交換機を持つため、従来の静止軌道では不可能であったメッシュ型のマルチキャスト通信も可能で、多地点での遠隔授業や映像配信なども行なえるとしている。
■ WINDSの打ち上げは2007年度後半を予定。。。yahoonews