テン・テン・ツク・テン・テケ・テン・テン・テケ・ツク・テン
『ちょい古、昭和の浮世床』
えー、昭和の頃のお話でございまして、
床屋さんにいきますと、客と床屋が会話を楽しみます。
近所の世間話から政治の話まで、
と際限なく発展します。
なかには客と床屋が口論を始めて、
虎刈りのまま出てきちゃうとかあります。
え〜、床屋談義でございまして・・・、
床屋 「近頃ァ、客足がにぶくなりましてねぇ・・」
客1 「あぁ、不景気だからなァ・・。客も減ったのかい?」
床屋 「客ァ減らないんですがね・・。回数が減ってます」
客1 「なるほどなァ・・。おれもそうしょうか・・」
・・・おい、おい、これじゃぁ藪蛇(やぶへび)だぁね・・・
客2 「おう、たのむョッ。新年だ、さっぱりとやってくんねェ」
床屋 「へい、いらっしゃい。どれっくらいにします・・?」
客2 「そうさなぁ・・、今月ァ、左ィ半分やってくれィ。右ィ半分は翌月回しだ」
・・・なんて倹約の仕方もありますようで・・・
床屋 「へい、次のお客さん、どうぞ・・」
客3 「ちょっと待ってくれィ。割り勘に乗ってくる奴が4〜5人揃(そろ)うまでョ」
・・・こういうわけの分からない人が来るとやっかいです。
オヤジ、一生懸命に計算してます・・・
床屋 「近頃ァ、世の中、せち辛くなりましたねえ・・」
客1 「ちげぇねぇ。ゆんべ、金ぇ降ろそうと、近くのATM機のところえ行ったら、
根こそぎ持って行かれちまった後だった」
床屋 「驚きましたなァ・・」
客2 「うちの会社で開発したATM機を使ったらよかったのに・・」
床屋 「へぇ・・、どんな機械で・・?」
客2 「泥テキやろうが持って行こうとするだろっ・・
するってェと、機械が大声で『泥ボー、泥ボー』って叫び続けるんだな」
床屋 「へぇ・・、そいつぁ、いいですねぇ・・」
客3 「そんななァ生ぬるいねえ。うちの会社で開発した金庫なんざア・・
泥テキやろうが持って行こうとするだろっ、するっテェと、金庫が大声で
『泥ボー、泥ボー』って叫び続ける・・・」
客2 「それじゃあ、同じじゃあねぇか・・」
客3 「その先がちがうんだな。10回ぐらい叫んだところで・・
突然自爆するってぇ寸法だァ。泥テキもろとも木っ端みじんだな」
床屋 「金庫の中身はどうなるんで・・?」
客3 「さぁ、・・・そいつぁ、今年の開発テーマだナ」
・・・ひどいメーカーもあるもんでございます・・・
床屋 「不景気な話ばかりじゃなくて、なんかこう・・
艶っぽい話ってないですかねえ・・?」
客1 「いい女を振り向かせる薬ってのはどおでェ・・」
床屋 「そんな薬があるんですかい・・?」
客1 「昔から云われてるだろ・・イモリの黒焼きってやつよ。
こいつの粉を振り掛けると、いい女が惚れてくるってネ」
客2 「粉を振り掛けるなんざァ、旧いねえ・・。おれはスプレーだな。
じゃこうネコのエキスにスッポンのエキス、それにマムシのエキスを
加えたやつだ」
床屋 「効くんですかい・・?」
客2 「効くのなんのって、おれのからだを見てみねェ。
キスマークの地紋ができてらァ」
客3 「そんなもんじゃあ、生ぬるいねえ」
床屋 「もっとすごいのが有るんですかい・・?」
客3 「おれが使ってるやつァ、コウモリのエキスにスカンクのエキス、
サメとマントヒヒとカバとコブラにサソリと毒蜘蛛(くも)と、
あと、なんだかわけの分からねぇエキスをごちゃ混ぜにしたやつョ」
床屋 「効くんですかい・・?」
客3 「効くのなんのって、おれのからだを見てみねェ・・。
骨と皮だけにされちまってらァ」
床屋 「そういうことでしたか。 さっきから、何で骸骨がしゃべってるんか、
ガテンがいかなかったんでやすが、・・・ははあ、そういうわけで・・」
・・・昭和の浮世床でございました・・・
お後がよろしいようで
床屋 「効くんですかい・・?」
客2 「効くのなんのって、おれのからだを見てみねェ。
キスマークの地紋ができてらァ」
客3 「そんなもんじゃあ、生ぬるいねえ」
床屋 「もっとすごいのが有るんですかい・・?」
客3 「おれが使ってるやつァ、コウモリのエキスにスカンクのエキス、
サメとマントヒヒとカバとコブラにサソリと毒蜘蛛(くも)と、
あと、なんだかわけの分からねぇエキスをごちゃ混ぜにしたやつョ」
床屋 「効くんですかい・・?」
客3 「効くのなんのって、おれのからだを見てみねェ・・。
骨と皮だけにされちまってらァ」
床屋 「そういうことでしたか。 さっきから、何で骸骨がしゃべってるんか、
ガテンがいかなかったんでやすが、・・・ははあ、そういうわけで・・」
・・・昭和の浮世床でございました・・・
お後がよろしいようで
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