わたなべ りやうじらう のメイル・マガジン
頂門の一針 6665号
頂門の一針 6665号
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岸田首相、財務省を説得できず
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【高橋洋一「日本の解き方」】 内閣支持率は回復するのか「減税解散」こそ切り札だが…このままでは手遅れになる世論調査で岸田文雄内閣の支持率が低下傾向だ。回復させるには何が必要なのか。
最近の各メディアによる内閣支持率を見てみよう。14、15日調査の毎日新聞では25%で前回と同じ、13~15日調査の読売新聞では34%で1ポイント下落、14、15日調査の朝日新聞では29%で8ポイント下落、14、15日調査の産経新聞・FNNでは35.6%で3.3ポイント下落、14、15日調査の共同通信では32.3%で7.5ポイント下落となった。6~9日調査の時事通信では26.3%で1.7ポイント下落、7~9日調査のNHKは36%で横ばいだった。
NHK調査では、岸田政権の2年間の取り組みをどの程度評価するか尋ねたところ、「大いに評価する」が2%、「ある程度評価する」が38%、「あまり評価しない」が39%、「まったく評価しない」が15%だった。
岸田内閣が最優先で取り組むべきだと思うことを6つの選択肢を挙げて尋ねたところ、「物価高対策を含む経済政策」が50%、「少子化対策」が13%、「社会保障」が11%、「外交・安全保障」が9%、「環境・エネルギー政策」が5%、「憲法改正」が4%だった。
岸田政権の2年間で、広島サミット、原発処理水放出、防衛力強化などはまずまず評価されているのだろうが、経済対策への不満もあって、支持率が低迷しているとみられる。
何より、岸田首相が「増税メガネ」とあだ名されている。実際の政策では、目立った増税はしていないが、ステルス増税といわれる細かい税措置が不評だ。安倍晋三・菅義偉政権当時のようなコロナ禍でもないし、消費増税のような前政権からの負の遺産もないので、経済状況はいい。その反動で財政状況もよく、税収の上振れも大きい。であれば、素直に税収の上振れを「減税」すればいいのだが、「国民に還元」と言いながら、スッキリ所得税や消費税の減税と言わないのが、国民にはもどかしい。
所得税、消費税、ガソリン税など国民生活に直結しているもので減税することが物価高対策、少子化対策などになるはずだが、これらの諸税の所管は財務省(国税庁)なので、岸田首相は財務省を説得できず、減税措置を言い出せないとみられている。
財務省は予算、税制その他で強大な官庁だ。徴税権を持ち国税庁を配下に持っており、いざとなったら政治家を失脚させることもできるなど、なかなか政治家にとっても手ごわい官庁だ。
安倍元首相ですら、その『回顧録』に書かれているように財務省にはてこずらされた。消費増税を予定通りに行わせないために衆院解散、総選挙に勝利して国民の信を得たことで、財務省を黙らせることができたくらいだ
このため筆者は、減税措置を打ちだし、「減税解散」するのが、支持率回復の切り札と思っている。問題は岸田首相にその勇気があるかどうかだ。
他の施策で支持率を回復させてから解散・総選挙と思っていたら、手遅れになるのではないだろうか。
岸田首相、財務省を説得できず
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【高橋洋一「日本の解き方」】 内閣支持率は回復するのか「減税解散」こそ切り札だが…このままでは手遅れになる世論調査で岸田文雄内閣の支持率が低下傾向だ。回復させるには何が必要なのか。
最近の各メディアによる内閣支持率を見てみよう。14、15日調査の毎日新聞では25%で前回と同じ、13~15日調査の読売新聞では34%で1ポイント下落、14、15日調査の朝日新聞では29%で8ポイント下落、14、15日調査の産経新聞・FNNでは35.6%で3.3ポイント下落、14、15日調査の共同通信では32.3%で7.5ポイント下落となった。6~9日調査の時事通信では26.3%で1.7ポイント下落、7~9日調査のNHKは36%で横ばいだった。
NHK調査では、岸田政権の2年間の取り組みをどの程度評価するか尋ねたところ、「大いに評価する」が2%、「ある程度評価する」が38%、「あまり評価しない」が39%、「まったく評価しない」が15%だった。
岸田内閣が最優先で取り組むべきだと思うことを6つの選択肢を挙げて尋ねたところ、「物価高対策を含む経済政策」が50%、「少子化対策」が13%、「社会保障」が11%、「外交・安全保障」が9%、「環境・エネルギー政策」が5%、「憲法改正」が4%だった。
岸田政権の2年間で、広島サミット、原発処理水放出、防衛力強化などはまずまず評価されているのだろうが、経済対策への不満もあって、支持率が低迷しているとみられる。
何より、岸田首相が「増税メガネ」とあだ名されている。実際の政策では、目立った増税はしていないが、ステルス増税といわれる細かい税措置が不評だ。安倍晋三・菅義偉政権当時のようなコロナ禍でもないし、消費増税のような前政権からの負の遺産もないので、経済状況はいい。その反動で財政状況もよく、税収の上振れも大きい。であれば、素直に税収の上振れを「減税」すればいいのだが、「国民に還元」と言いながら、スッキリ所得税や消費税の減税と言わないのが、国民にはもどかしい。
所得税、消費税、ガソリン税など国民生活に直結しているもので減税することが物価高対策、少子化対策などになるはずだが、これらの諸税の所管は財務省(国税庁)なので、岸田首相は財務省を説得できず、減税措置を言い出せないとみられている。
財務省は予算、税制その他で強大な官庁だ。徴税権を持ち国税庁を配下に持っており、いざとなったら政治家を失脚させることもできるなど、なかなか政治家にとっても手ごわい官庁だ。
安倍元首相ですら、その『回顧録』に書かれているように財務省にはてこずらされた。消費増税を予定通りに行わせないために衆院解散、総選挙に勝利して国民の信を得たことで、財務省を黙らせることができたくらいだ
このため筆者は、減税措置を打ちだし、「減税解散」するのが、支持率回復の切り札と思っている。問題は岸田首相にその勇気があるかどうかだ。
他の施策で支持率を回復させてから解散・総選挙と思っていたら、手遅れになるのではないだろうか。