Jahkingのエサ箱猟盤日記

日々これ猟盤 エサ箱漁りの毎日....。

Larry Coryell 1968 - 1977

2017年03月26日 | Jazz
先月73才の若さで亡くなられたラリー・コリエル。ということがあったからでもないでしょうが、氏のLPがまとめて放出されているのに遭遇。買い直しを含めて4枚買ってきました。

立ち位置がジャズとロックの両方にあるギタリストの先駆者、大好きな人にてこのブログでもチコ・ハミルトンとの初録音からジャズ/ロックバンドの先駆フリー・スピリッツ、その後の60、70年代のリーダー作まで多数取り上げております。
今更ながらではありますが、哀悼の意を表しつつその偉業の一端を取り上げたいと思います。


1,Look Toward a Dream/Larry Coryell & Arnie Lawrence (Project-3) 1LP 864円
邦題「平和への願い」、1970年にキングから出た日本盤です。ジャケットデザインもタイトル表記もコリエルが前面に出ていますが、実はサックス奏者アーニー・ローレンスのリーダー作。
そのアーニー・ローレンスの66年のファースト・アルバムはかつてこちらで取り上げておりますが、今回入手盤はそれに続く68年のセカンド・アルバムになります。
この日本独自ジャケットのキング盤を実は以前から探しておりまして、嬉しい嬉しい一枚でした。
Side A
A1 Gonna Get Some Right Now
A2 Contentment
A3 I Wish I Knew How It Would Feel To Be Free
Side B
B1 The Meeting Of Two Worlds
B2 Seymour Chick-Chick
B3 Feeling Good
B4 Look Toward The Day Of Man's Awakening

Arnie Lawrence (sax)
Larry Coryell (g)
Carline Ray(vl,b)
Harold Gaylor, Richard Davis (b)
Roy Haynes (ds)
Producer – Enoch Light

これが録音された68年というとコリエルはゲイリー・バートンのグループを離れて初リーダー作を録音し、コリエルのプレイも私がイチオシするスティーヴ・マーカスとの「Count's Rock Band」を録音するという音楽衝動に突き動かされまくっている時期。
実はパーカー派のアルトプレイヤーであることを垣間見せつつアグレッシヴに吹きまくるリーダーのアーニー・ローレンス、あの時代のジャズ/ロック&コリエル好きには外せない一枚。


Arnie Lawrence - Look Toward A Dream LP - Side1 [FULL ALBUM]



Arnie Lawrence - Look Toward A Dream LP - Side2 [FULL ALBUM]








2,Lady Coryell/Larry Coryell (Vanguard) 1LP 514円
で こちらは1968年のコリエル名義のファースト・アルバム。入手盤は上掲盤と同じキングから69年に出た日本盤。邦題は「レディ・コリエル/スーパー・ロックの誕生」という凄いもの。アート・ロック・ベスト・シリーズの一枚として出ています。この時期このシリーズ名でジョン・メイオールとかテン・イヤーズ・アフターとかが出ていたわけでジャズファンではなくロックファンが購買層と踏んでいたのですね。

初リーダー作ということもあってか、結構何でもありの一枚で、得意(?)のボーカルもハードなロックナンバーから能天気なカントリーナンバーまで、エルヴィン・ジョーンズにジミー・ギャリソンが入った2曲では歌心溢れるジャズギターをたっぷりと。そしてフリースピリッツ時代からの相棒ドラマー、ボビー・モーゼスとのジャズロックナンバーからセンチメンタルなインスト・バラードまで多彩。

以前もどこかで書いたのですが、イチオシは2分半の小品"The Dream Thing"、これは70年代の初めころだったかアパレルメーカーのJUNが女性ブランドLOPE(ロペ)を売り出すために作ったTVCMに使われた曲、幻想的な映像とアンニュイな曲が相俟ってメチャクチャ印象的なCMに仕上がっていて今もその映像はクッキリと頭の中に残っています。

Side A
A1 Herman Wright
A2 Sunday Telephone
A3 Two Minute Classical
A4 Love Child Is Coming Home
A5 Lady Coryell
A6 The Dream Thing
Side B
B1 Treats Style
B2 You Don't Know What Love Is
B3 Stiff Neck
B4 Cleo's Mood


ladycoryell


with Elvin Jones
Larry Coryell - Stiff Neck



Larry Coryell - Lady Coryell



Larry Coryell - The Dream Thing







Fairyland/Rarry Coryell (Mega/Flying Dutchman) 1LP 514円
これも昔から大好きな一枚。
71年のスイスはモントルー・ジャズ・フェスティヴァルでのライヴ録音。
チャック・レイニー、バーナード・パーディーという超売れっ子リズムセクションの二人を連れたトリオ演奏。編成がシンプルな分、多彩なコリエルの側面の一面がクッキリと現れそのギターもたっぷりと堪能できます。同時期にVanguardに残した自己のグループでのヴィレッジゲイトのライヴがありますが動的なそちらに比べると随分と静かな闘志とでも云う落ち着いた演奏っぷりです、こちらは。
Side A
1 Souls Dirge
2 Eskdalemuir
Side B
3 Stones
4 Further Explorations For Albert Stinson

Larry Coryell(guitar,vocal)
Chuck Rainey(bass)
Pretty Purdie(drums)


fairyland

fairryland

Larry Coryell Fairyland



Larry Coryell - Further Explorations For Albert Stinson






4,Back Together Again/Coryell,Mouzon (Atlantic) 1LP 350円
かつてEleventh Houseで一緒だったドラマー、アルフォンズ・ムザーンとの1977年の再会共演盤、よってこのタイトル。
ムザーンというと私なんかの世代だとウェザー・リポートの初代ドラマー、その後マッコイ・タイナーのグループに入って垂直にオッ立てたトップシンバルをバシバシ叩くド派手なスタイル(当時日本のドラマーもぞって真似していましたね!)で印象に残っている人。スタイル的にはトニー・ウィリアムスやジャック・ディジョネットに近いものを感じていました。が、その後作編曲からシンセを操りボーカルまでこなすファンキー兄ちゃんに変貌、本盤ではそんな変貌したムザーンの姿が聴けます。
一般的にはフュージョンというでしょうが、当時の感覚からするとクロスオーバーという言葉が似合うファンキー/ファンク・ミュージック。


A1 Beneath The Earth 2:58
A2 The Phonse 3:43
A3 Transvested Express 3:49
A4 Crystallization 3:17
A5 Rock 'N' Roll Lovers 4:02
B1 Get On Up (We Gonna Boogie) 2:49
B2 Reconciliation 2:30
B3 Back Together Again 3:07
B4 Mr. C 3:28
B5 High Love
Larry Coryell (g)
Alphonse Mouzon (ds)
Philip Catherine (g)
John Lee (b)


togetheragain


Mouzon - Larry Coryell & Alphonse Mouzon - Beneath The Earth



The Phonse - Coryell; Mouzon



Larry Coryell - Larry Coryell & Alphonse Mouzon - Rock 'N' Roll Lovers

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6 コメント

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Unknown (miles601)
2017-03-26 21:09:23
ムザーンも無くなりましたね。R.I.P.
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Re:ムザーン (Jahking@管理人)
2017-03-26 21:22:30
コリエルよりも若かったはずですよね、あのエネルギッシュなドラミングは忘れられないですね。
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モントゥルー (t-izu)
2017-03-28 07:14:08
先月入手したエディ・クリーンヘッド・ヴィンスンの’71モントゥルー・ジャズ・フェスティヴァルのライヴ盤にラリー・コリエルがフューチャーされていました。バッキングがコーネル・デュプリー、チャック・レイニー、バーナード・パーディー、ニール・クリークとなっていますから『Fairyland』盤はその流れだったんでしょうか?
コリエルのギターですが、若干大人しめとはいえヴィンスンお得意のジャズ・ブルースへの異化作用の役割は十二分に果たしていますね。
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Re:Flying Duchman (Jahking@管理人)
2017-03-28 09:41:46
そのヴィンスン盤もコリエル盤もFlying Duchmanから出ていて、そのオーナーはImpulseを辞めたボブ・シール。ということで棚をゴソゴソやったらもう一枚このレーベルリリースの71年のモントルーのライヴがありました。ガトー・バルヴィエリの「エル・パンペーロ」。このリズムもレイニーにパーディ。
ボブ・シールとこのフェスティヴァルの関係は知りませんが、少なくともこの年の「仕込み」の一端はボブー・シールですよね。当時所属のレオン・トーマスも出演していたはずですし。
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Larry Coryell (Gravenites)
2017-03-29 11:53:27
一番目のアニー・ローレンスのアルバムはジャケットのデザインはキング・レコードの快挙です。もちろんエノコ・ライトのレーベルも悪くはないのですが、コリエルを売り出し中のキングとしては彼を前面に出すしかなかったのでしょう。アーニー・ローレンスもチコ・ハミルトンにいたことがありますが、コリエルとは共演していないはずです。

「レディ・コリエル」の方は彼の器用さが出ていても、個性は確立しており、ずっと気になっているアルバムです。話題はコルトレーンのリズムとやっていることでしょうが、タイトルになっている奥さんのジュリー・コルエルはあと2回ジャケットに登場しますね。レポーターであり、本の編集者でもあり、あいにくラリーの5年ほど前に亡くなりました。

キング・キリムゾンの初ベスト盤のジャケットにそっくりな「フェア・ランド」ですが、最強のリズム・セクションを従え、堂々たるトリオでの演奏ですね。時間は短いけど充実しており、バックの二人を自分方向に向かわせています。しかしジャケットはクリムゾンのよりいいです。

ムウザーンとの共演も成功しています。コリエルの初来日に彼も一緒に来ました。あとジョー・ベック(ギター)と日本に住んでいたポール・ジャクスンがおり、ファンク・ジャズのコリエルなりのアプローチで聞かせていました。

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Re:Larry Coryell (Jahking@管理人)
2017-03-29 21:19:55
Graさん、いつも詳細な補足有難うございます。
「平和への願い」は傑作ジャケットですよね。そのその昔、ミュージックライフだったかNMMだったかで見た広告が今も頭に残っています。それだけ当時から印象的なジャケットだったのですね。

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