ずいぶんといじわるな時計だ
必ず 一分前に鳴り続ける
この暑さで胃の腑もやける
冷たいものの食べ過ぎよ
そう母が笑うので
あわてて白湯を飲み込む
テラスにはコリーが居る
野鳥の声と 遠い鐘の音しかしない
世間から遠ざかりすぎている里の暮らし
貯金通帳も空っぽでね
逃げてきたくても逃げきらなかった
あの人の口笛を思い出す
どこへいくのか
私の人生
宙ぶらりんに
ふわふわ と 転がって浮かんでいる
いや・・・・・・
そんなに軽くはないが
歯ぎしりするような想ひで
暑い日照りはつづく
あの入道雲の向こう側へ行ってみたい