死んだ男の残したものは、会社一つと伝説と・・・・・
ばいきんとへびがこわいぞしちじゅう老
※ 六尺豊かな大男だった。開放的な性格だった。
褞袍(どてら)着て 火種かき出す 小火鉢の 灰の表の へのへのもへじ
※ 髪は、ロマンスグレイ(死語?)。白洲次郎ばりの美丈夫だった。華やかな雰囲気をまとった、豪放磊落なイメージだった。が、時に暗い影を見せることもあった。一定の直線上を往復する単振動め . . . 本文を読む
古本の桜の押し花こぼれ落つ微笑一閃浮かびてのち去る
読書の習慣を持たなかった亡妻
遺品の中にあった唯一の本
押し花を作るときの楽し気な表情
妻を含めて、最も懐かしい死者たちは、決して夢に現れない
目覚めているときにのみ一瞬の幻影としてのみ現れ、たちまちにして消え去る
しかし、よみがえった悲しみが容易に消えることはな . . . 本文を読む