ジロがゆく

なんとなく生きてます

腰折れ2首_春愁

2021-02-24 16:46:41 | 日記
春の気を愛でる風(ふう)なき真夜中の足音人の気配も無く
※ 毎晩、午前3時ごろになると、団地のわが家の前の通路を、通る人がいます。階段を駆け上がってきて、前の通路を駆けるように過ぎたかと思うとすぐに引き返して来、階段を降りてゆきます。その足音は、昔の古家の天井裏を駆け回っていた、ネズミのそれを思い起こさせるようでもあります。その小気味よさのせいか、わたしには、二つの薄手のスポーツシューズだけが、闇の中を駆けているというイメージが浮かんできます。足音の主は、きっと、新聞か牛乳を配達する人なのでしょう。足音の小ささから察すると、もしかすると女性かも知れません。おそらく、この大きな団地のあちこちの階段を幾度も上がり降りしているのでしょう。あるいは、朝のトレーニングを兼ねているのかも知れません。いずれにしろ、この時期の季節の移ろいを感じたりする余裕も、またその必要もないのかもしれません。その足音は、小刻みでいかにも軽やかで、スポーツ選手が走るような確かさが感じられます。だから余計に、足音の主よりも履物の方に注意が向いてしまうのではないか、と、思っています。



温かき陽射しはあれどゆくりなく逝きしゆかりの笑顔吾(あ)を濡らす
※ 詩魂無き身の悲しさ、手垢で汚れたようなフレーズを連ねざるを得ませんでした。盗作と非難されてもやむを得ないと覚悟しています。

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